不育症の漢方治療

体質によって違う治療法、あなたはどのタイプ?

漢方には、「病気ではなく病人を治す」という基本概念があり、処方は、病名ではなく、その人の体質によって決まります。その人の体質や病状のことを漢方では「証(しょう)」といいます。したがって、不育症にはこの処方、というものはなく、ひとりひとりの証により、使われる漢方処方は異なってきます。

不育症の患者さんに多くみられる証には、たとえば以下のようなものがあります。

不育症の原因に染色体異常や黄体機能不全が関係しており、冷えが強いようなら、「腎陽虚(じんようきょ)」証です。腎の陽気が不足している体質です。陽気とは生命エネルギーに近い概念で、人体の構成成分を陰陽に分けて考える場合、陰液と対比させて陽気と呼びます。加齢だけでなく、生活の不摂生、過労、慢性疾患による体力低下などによっても人体の機能が衰え、冷えが生じてこの証になります。腎陽が虚弱になると、性機能やホルモン内分泌機能が衰え、不育症になります。腎陽を補う漢方薬で不育症に対処します。

同じように腎が衰弱する場合でも、冷えとは逆に、のぼせや手足のほてりを伴う場合もあります。「腎陰虚(じんいんきょ)」証です。腎の陽気ではなく、腎の陰液が不足している体質です。陰液とは、血液や体液、それに前述の「精」のことを指します。過労、不規則な生活、大病や慢性的な体調不良、性生活の不摂生、加齢などにより精が減り、不育症になるわけです。陰液の不足により熱っぽくなり、のぼせ、手足のほてりなどが生じます。腎の精気など、腎陰を補う漢方薬で不育症を治します。

血液が固まりやすいようなら、「血瘀(けつお)」証です。血流が鬱滞しやすい体質です。精神的ストレスや、冷え、体内の過剰な水液、生理機能の低下などにより、この証になります。病気や体調不良が慢性化して長引いて血流がわるくなり、この証になる場合もあります。血液が固まりやすいと血流が悪化したり血栓ができたりし、胎児にじゅうぶんな栄養が届かなくなり、流産しやすくなります。血行を促進する漢方薬で不育症を治療します。

子宮内膜が薄いようなら、「血虚(けっきょ)」証です。人体に必要な血液や栄養が不足している体質です。偏食など無神経な食生活、胃腸機能の低下、出血、慢性疾患などにより、この証になります。血が不足しているため、子宮内膜がじゅうぶん厚くならず、流産しやすくなります。漢方薬で血を補い、流産しにくくしていきます。

ストレスも妊娠や流産と関係があります。ストレスの影響で流産しているようなら、「肝鬱気滞(かんうつきたい)」証です。からだの諸機能を調節する臓腑である五臓の肝の機能(肝気)の流れが滞っている体質です。ストレスや緊張が持続すると、この証になります。肝気の流れの悪化の影響がホルモンバランスの失調に及び、流産します。仕事の激務による疲労蓄積や深夜残業による不規則な生活、家族の不理解や家族からのプレッシャーが継続あるいは繰り返して流産してしまう例をよくみます。漢方薬で肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、不育症を治していきます。

不育症の検査を行っても明らかな原因がみつからない場合は、検査上は正常範囲内でも体質的にはすでに上記のような証になっていることが多々あります。そのような場合こそ漢方薬で「妊娠しやすい体質」や「流産しにくい体質」に向けて体質改善を進めることにより、いい結果にむすびつくことは少なくありません。

自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気や症状を改善してくれる漢方処方は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要になります。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や体調により、使う処方が違うからです。

 

そのために必要なのが、カウンセリングです。漢方の専門家がじっくりとお話をうかがって、あなたの体質を判断し、あなたに最適な漢方薬を決めていきます。

 

当薬局は、帝国ホテル内にあるカウンセリング専門の漢方薬局です。まず薬局でカウンセリングをし、その方のご症状やご体質をしっかりと把握し、それをもとに、おひとりおひとりに最適な漢方薬を調合しております。

 

自分にあった漢方薬に出会う秘訣は、「信頼できる専門家のカウンセリングを受けること」です。しっかりしたカウンセリングを受けて、あなたに最適な漢方薬を見つけてください。

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