高プロラクチン血症が漢方薬で治った例とよく使う漢方薬

薬石花房 幸福薬局の漢方薬で高プロラクチン血症が改善した例を紹介します

■症例1 月経不順「生理不順です。初潮からずっと生理が遅れぎみでした。病院で検査の結果、高プロラクチン血症といわれました」

24歳の女性です。初潮は遅く、高校生になってからでした。初潮後もずっと生理が安定せず、遅れぎみでした。小さいころから、あまり丈夫なほうではありません。病院から処方される高プロラクチン血症の薬を飲むと、吐き気、めまいなどの副作用がでるため、服用できません。寒がりで、頻尿です。舌は白く、白く湿った舌苔が付着しています。

この女性の証は、「腎陽虚(じんようきょ)」です。人の成長・発育・生殖をつかさどる五臓の腎の機能(腎陽)が弱い体質であるために、初潮が遅く、稀発月経であり、プロラクチン値も高くなっています。虚弱体質、寒がり、頻尿、白い舌、白く湿った舌苔、などは、この証の特徴です。腰や膝がだるい、耳鳴り、ふらつき、などの症状がみられることもあります。

この証に対しては、腎陽を補う漢方薬を用いて治療にあたります。代表的な処方は、八味地黄丸(はちみじおうがん)です。この女性は八味地黄丸を服用し続け、8か月ほどで生理周期が30~35日くらいに安定してきました。

尿量が少なく、むくみを伴うようなら、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)が効果的です。

■症例2 不妊症「不妊症で婦人科に通っています。仕事のストレスが強く、それが不妊の原因ではないかと自分では思っています。検査ではプロラクチン値が高いといわれました」

婦人科ではタイミング指導を受けています。基礎体温をつけていますが、一応2相にはなるものの体温の上下変動が大きく、グラフにするとぎざぎざした形になっています。いらいらしやすく、憂うつ感も強く、とくに生理前にひどくなります。舌は紅い色をしています。

この女性の証は、「肝鬱気滞(かんうつきたい)」です。からだの諸機能を調節(疏泄)する五臓の肝の機能(肝気)が、ストレスの影響により失調し、スムーズに働いていない体質です。肝気の鬱滞により、プロラクチン値が上がっています。

この体質の場合は、漢方薬で肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、高プロラクチン血症を治療します。代表的な処方は、四逆散(しぎゃくさん)です。この女性は四逆散を服用し、4か月目にはプロラクチン値が基準値内に落ち着きました。6か月後くらいからは基礎体温も安定するようになり、1年後に妊娠が確認されました。

疲れやすい、頭がぼーっとする、動悸などの症状を伴う場合は、逍遙散(しょうようさん)などが効果的です。

肝鬱気滞に加えて、のぼせ、興奮しやすい、などの症状が強いなら、「肝火(かんか)」証です。竜胆瀉肝湯、(りゅうたんしゃかんとう)や柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)を使います。

症例3 二人目不妊「二人目不妊です。断乳して半年が経ちますが、まだ生理が来ません。婦人科で検査したところ、プロラクチン値がまだ高いと指摘されました」

一人目は結婚して2年目に自然妊娠し、出産後の体調もとくにわるくありませんでした。断乳は、子どもが2歳になってからしました。断乳後に不正出血が一度ありましたが、ちゃんとした生理がまだ来ていません。妊娠前より爪がもろくなり、目がかすみます。手足のほてりもあります。舌は紅く乾燥しており、舌苔はほとんど付着していません。

この人の証は、「肝腎陰虚(かんじんいんきょ)」です。血を蔵する肝と、血を生ずる腎の陰液が、出産や授乳により減少し、この証になっています。陰液とは、人体の構成成分のうち、血・津液・精を指します。腎において血や精が不足しているために、卵胞がなかなか育たない状態に近いと思われます。生理が来ない、爪がもろい、目がかすむ、手足がほてる、舌が紅く乾燥している、舌苔がほとんど付着していない、などは、この証でみられやすい症状です。髪が細い、口が渇く、頭がふらつく、などの症状がみられることもあります。

この証には、肝腎の陰液を補う漢方薬を使います。代表的な処方は、杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)です。この女性にも杞菊地黄丸を服用してもらったところ、2か月で月経が再開しました。そして8か月後に二人目を妊娠しました。

高プロラクチン血症によく使われる漢方薬

症例で扱った証以外には、以下のような漢方処方を使います。
心労による疲労倦怠感などがみられる高プロラクチン血症の証のひとつ、「心気虚(しんききょ)」には、心気を補う炙甘草湯(しゃかんぞうとう)などを使います。

流産や中絶の手術後にプロラクチン値が下がらないような「気血両虚(きけつりょうきょ)」証には、気血を補って手術前のからだの状態に早く戻していくのを目標に、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などを用います。

症例では、高プロラクチン血症に八味地黄丸、牛車腎気丸、四逆散、逍遙散、竜胆瀉肝湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、杞菊地黄丸などの例を出しましたが、高プロラクチン血症なら誰にでもこれらの処方が効く、という意味ではありません。高プロラクチン血症の患者さんには、ほかにも多くの証が存在し、それぞれにまた別の適した処方があります。

あなたに合った漢方薬がどれかは、あなたの体質により異なります。自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶようにするのがいいでしょう。

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不妊症、高齢不妊、不育症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、月経不順の漢方治療についても、別のページで解説してあります。ご興味のあるかたは、それぞれのページを参考にしてください。

自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気や症状を改善してくれる漢方処方は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要になります。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や体調により、使う処方が違うからです。

 

そのために必要なのが、カウンセリングです。漢方の専門家がじっくりとお話をうかがって、あなたの体質を判断し、あなたに最適な漢方薬を決めていきます。

 

当薬局は、帝国ホテル内にあるカウンセリング専門の漢方薬局です。まず薬局でカウンセリングをし、その方のご症状やご体質をしっかりと把握し、それをもとに、おひとりおひとりに最適な漢方薬を調合しております。

 

自分にあった漢方薬に出会う秘訣は、「信頼できる専門家のカウンセリングを受けること」です。しっかりしたカウンセリングを受けて、あなたに最適な漢方薬を見つけてください。

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