ひどい生理痛・・・真希の場合の根本解決法は冷え対策だった!


■■鎮痛剤は一時しのぎ■■

「うちの課長、よく朝礼で"笑顔を大切に"って言うんだけど、そういうのって上司がまず笑顔じゃないといけないわよね。いつも短気に怒ってばかりいて、朝礼のときだけ"笑顔を大切に"なんて言われても説得力ないわよね」

 真希は、美緒と居酒屋で飲んでいる。

 久しぶりに気のおけない親友との楽しい飲み会で、ついつい会社の上司の悪口も口をついて出てしまう。

「うちの上司も、そうよ。イライラしちゃいかん、って言うんだけど、自分がイライラして怒った顔をして、それで"イライラするな"なんて言われても、しらけちゃうのよね」

 美緒も負けてはいない。

「毎日仕事がたいへんで、忙しくて疲れてストレスがたまって、だから笑顔を作るのもたいへんなくらいなのに、そのあたり、わかってないのよね、うちの課長」

 アルコールの力を借りて、二人で会社の鬱憤を晴らす。どんどん食べながらおしゃべりをする。

 しばらくすると気持ちも落ち着き、飲んだり食べたりするペースも落ちてきた。

 ひとしきり言いたいことを言ったあとは、気分がすっきりする。お互いに顔を見合わせてクスッと笑い、軽くグラスを合わせて一口飲んだ。そして美緒がしみじみと言った。

「でも多少無理してでも笑顔で過ごしていると、少しずつ楽しい気分になってきて、なんとなく心も軽くなってくるわよね」

「そうね。ぶすっとして、つまんないな、と思っていると、ますますつまんなくなるものね」

「笑顔を作っていられるような気分や体調でないときでも、笑顔を作ることにより、心の緊張が解けて気持ちが前向きになるじゃない。その結果、忙しさや悩みで心の奥に抑え込まれていた潜在能力が表に出てくるように思うのよ。仕事もはかどるし、楽しくなるし、職場の雰囲気だってよくなるし。真希の課長さん、じつはいいこと言っておられるんじゃないかしら」

 美緒の言うとおりだと思った。

「笑顔って、そうやって潜在能力を発揮させる知恵でもあるのね」

 でも真希はきょう生理が始まったばかり。生理痛がひどくて、本当に笑顔どころではない。おまけに生理周期も乱れ気味で、憂うつ。とりあえず今は鎮痛剤を飲んで、痛みを抑えている。

「そうだ、真希、生理痛に漢方薬を試してみれば?」

「漢方薬?」

 美緒は、長年の悩みだった不快な汗と肌のべたつきを漢方薬で改善したばかりだった。

「そう。漢方で根本的に体質から改善するの。わたしの場合も、いやな汗が出るたびにフェイスタオルで拭くだけじゃ根本解決になってないな、と気がついて」

「なるほどね。鎮痛剤じゃあ根本解決にはなっていない、ということね」

「鎮痛剤って、痛みを"抑える"だけじゃない。毎回毎回鎮痛剤で痛みを抑えるだけでなく、もっと根本的に、痛みの原因から体質改善すればいいと思うわ」

 真希は、さっそく美緒が通っていた漢方薬局に行ってみることにした。


■■冷え症ごと改善する漢方■■

 漢方薬局では、最初に問診票に生理のことをこと細かく書けるようになっていた。真希の場合は、生理前から下腹部が痛みだし、生理が始まると激しく痛むこと、経血が黒っぽく、始めのうちはかたまりが混じること、などを記入した。生理周期が遅れ気味なことも書いた。

 それ以外に、アレルギーの有無や胃腸の調子、食べ物の好き嫌いなどについても項目があり、適当なところに丸をつけたり記入したりした。

 この問診票をもとに、漢方の先生がカウンセリングをした。

「真希さんは、生理痛がひどいときは、どうしていますか」

「市販の鎮痛剤を飲んでいます」

「おなかを温めると、痛みが楽になりませんか」

 たしかに温めると調子がいい。

「はい、夏でもカイロを貼っています」

「かなりの冷え症ですね」

「そうなんです、先生。冬は手足の先がとても冷たくなるんです」

 真希のカウンセリングは、このようにして30分ほどかけて行われた。

 カウンセリングのあと漢方の先生が「では真希さんの体質と生理痛の根本原因についてお話ししますね」と言って説明を始めた。

「真希さんの場合は、冷え症が根本にあって、それが生理痛の原因になっているようです。漢方では、冷えと痛みの関係を重視しています。たとえば薄着をしたりミニスカートをはいたりすることが多いとか、夏でも冷房がよく効いた職場にずっといるとか、冷たいアイスコーヒーやアイスクリームが好きだとか、そういう習慣で冷え症はどんどん悪化します。また、無理なダイエットをして、あるいは運動不足や食事の不摂生が続いて体力が落ちているときは、冷えが容易に体内に侵入しやすくなっているので注意が必要です」

 どうしよう、全部に当てはまる。真希は焦った。

 カイロや腹巻きを使ってお腹を温めてやり過ごすだけでなく、漢方薬で冷え症体質を改善して、からだの中から温まる体質を作り上げるといいでしょう。そうすれば生理痛も根本的に改善されていくと思います」

 はい、ぜひ、そうします。よろしくお願いします」

 さっそく真希は、からだ全体のバランスを調えて冷え症体質を改善し、生理痛を根本解決していく漢方薬を飲むことになった。

「鎮痛剤ではなくても、生理痛が楽になっていくのですね。楽しみです」

「人には生まれつき"元気でいよう"という力が潜在的に備わっています 。その潜在能力をできるだけ最大限に発揮させようとするのが漢方薬です」

「漢方薬は、人が持つ潜在能力を発揮させるための薬なのですね」

「漢方は、痛いから鎮痛剤、咳が出るから咳止め、という西洋医学とは違う医学です。ひとりひとりの体質を改善して病気を治しています」

「どんな生理痛の人でも同じような鎮痛剤で痛みを抑える、というやり方とは違うのですね」

「痛ければ、はい、鎮痛剤をどうぞ、というのとは違うのです。だから問診票で最初に生理の状態などについて細かく書いていただくようになっているのですよ。あれは、ひとりひとりの体質を判断するために必要なのです」

 漢方の先生によると、真希のような冷え症体質のほかに、生理痛になりやすい体質には、気血の流れがわるい体質 、あるいは気血が不足している体質 、逆に熱が下腹にこもる体質などが、よくみられるそうだ。


■■生理周期も安定■■

 漢方薬を飲み始めて半年ちょっとが経つ。

 生理痛は毎回少しずつ楽になり、鎮痛剤を飲む必要はなくなった。黒っぽかった経血が数か月できれいな色になったので、からだの中から改善されていることが実感できた。

 生理周期も安定するようになった。飲み始めて3回目の生理くらいからほぼ28日で来る。生理前の腹痛がなくなったので、ここ1、2回は急に生理が来てしまい、びっくりするくらいだ。

 さて生理も終わり、きょうは気分も爽快、仕事も頑張ろう、と思った矢先に、また課長がイライラした顔で真希を呼びつけ、仕事の指示を始めた。

 真希はひとしきり課長の指示を聞いたあと、笑顔でこう言った。

「課長、笑顔、笑顔」

 課長は椅子に座ったまま、ハッとして真希の顔を見て、「おお、そうだった。ありがとう」と言ってニヤリと笑った。

(幸井俊高執筆 VOCE掲載記事をもとにしています)

自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気や症状を改善してくれる漢方処方は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要になります。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や体調により、使う処方が違うからです。

 

そのために必要なのが、カウンセリングです。漢方の専門家がじっくりとお話をうかがって、あなたの体質を判断し、あなたに最適な漢方薬を決めていきます。

 

当薬局は、帝国ホテル内にあるカウンセリング専門の漢方薬局です。まず薬局でカウンセリングをし、その方のご症状やご体質をしっかりと把握し、それをもとに、おひとりおひとりに最適な漢方薬を調合しております。

 

自分にあった漢方薬に出会う秘訣は、「信頼できる専門家のカウンセリングを受けること」です。しっかりしたカウンセリングを受けて、あなたに最適な漢方薬を見つけてください。

カウンセリングスタッフ紹介