責任感の強い美樹の肩こりはこうして和らいだ

幸井俊高執筆・・・薬石花房 幸福薬局(帝国ホテル内漢方相談薬局)の症例をもとにした漢方ストーリー

以下は、肩こりの悩みを漢方で解決したOLの物語です。薬石花房 幸福薬局の実際の症例をもとに、物語風に描きました。
同じようなお悩みでお困りの方は、あきらめず、どうぞお気軽に薬局までお問い合わせください。
(登場人物は実在の人物とは関係ありません。)


■■同期会で再会して■■


今年の正月休みに、卒業して18年ぶりに高校の同期会があった。たくさんの先生方や同級生が日本中から集まった。美樹も新幹線で帰省して参加した。多くのクラスメートとの久しぶりの再会となった。

その日、再会が楽しみだったのは、当時あこがれの芳樹だった。芳樹は外科医になって、首都圏の市立病院に勤務していた。

同期だからみんな30歳代の中盤。おまえもメタボリック症候群で薬を飲んでいるのか、なんて相憐れむような内容を楽しそうに話し合う同級生もいた。

「わたしも肩こりがひどくて。毎日パソコンの前に座って仕事をしているせいか、首も回らないほどよ。ひどいときは頭も痛くて」

左手を自分の右肩に当て、美樹も芳樹に健康の話題を出してみた。

「ああ、それは頸肩腕症候群だよ」

「頸肩腕症候群?」

「そう。頸肩腕症候群っていうのは肩、首、腕に生じる痛みやしびれ、脱力感などのことで、そのあたりの筋肉の使いすぎで筋肉が硬くなり、神経や血管が圧迫されてなるんだ。検査で異常がないけど肩がこるという場合はこれだね」

「芳樹はどうやってそれを治すの?」

「消炎鎮痛剤か筋弛緩薬。症状を抑えるだけだから、結局薬が切れたらまた痛みやこりが再発するけどね」

「漢方も肩こりにいいって聞くけど?」

「うん、うちでも漢方薬を処方することがあるよ。でもふつうの医者は漢方の勉強をきちんとしていないから、なかなか的確な処方が出せないんだよね」

そこに同級生の淳子が話に入ってきた。

「漢方、いいわよ。じつはわたしも漢方薬で胃腸の調子を改善したところよ」


■■余分な緊張を和らげる■■


久しぶりの同期会で再会し、芳樹も淳子も意外と近くに住んでいることがわかった。わたしたちは、東京に帰ったらまた会おうね、と言って別れた。

2週間後、淳子にはわるいけど、わたしは芳樹とふたりで東京で会った。お互いに結婚しているのだから変な期待をしてはいけないんだけど、少しわくわくしていた。芳樹が連れて行ってくれたのは、隠れ家のようなイタリア料理店だった。

わたしは少し緊張していたせいもあり、いつもよりたくさんワインを飲んだ。おかげで饒舌になり、せっかくのデートだったのに、食事の途中から仕事の不満についてもぺらぺらしゃべってしまった。

「わたしって神経質で几帳面でしょ。いまスタッフが下に3人いるんだけど、その子たちの細かい不手際なんかもすごく気になっちゃって。わたしにしてみれば常識的なことや簡単なことが、できないのよね。だからそういうことに気がつくたびに、若い子たちに注意するのよ。それがどうしていけないのかという理由や背景まで何度も説明してね」

「でも、あまりくどくどと注意するのはよくないんじゃないの?」

「あら、そんなことないわよ。今のスタッフ、何度も同じミスをするのよ。どうしてわたしの言うことがわからないのかしらって不思議に思うくらい。今じゃ、スタッフの行動ひとつひとつが気になっちゃって、ますます細かいことにまで口を出してしまうわ。あーあ、こんなことしているから、よけいに肩がこるのよね」

テーブルに身を乗り出すようにして、芳樹が言った。

「おいおい、それじゃスタッフに嫌われるぞ、美樹ちゃん。スタッフの若い子、人間関係のストレスで会社を辞めちゃうんじゃないか?」

「そう、この前もひとり辞めちゃったわ。でも、わたしは会社のためにしているのよ。若いスタッフがミスをしてはいけないし、お客様に迷惑がかかってもいけないから、細かいことでも、くどいくらいに注意しているのよ。会社のためにしていることだから、間違ってはいないはずだわ」

「そんなことないよ。その子だって、わざとミスしているわけじゃないんだし」

「それくらいわかっているわよ。でも最低限、できなきゃいけないレベルってあるでしょ。それなのに何度言っても間違えたり忘れたりする人がいると、困るのよ」

「でも、それじゃ、美樹ちゃんの周りにいる人たちは、会社のためではなく、“会社のために働く美樹ちゃん”のために働かされているようなもんだね」

「え?」

わたしは、これまでまったく気がつかなかったことを指摘され、思わず芳樹の顔を見た。

「美樹ちゃんひとりが自己完結的に完璧を目指しても、美樹ちゃんのグループ全体を見たときに、それが会社や社会のためになっていないんじゃないかな。おれたち外科医だってそうだけど、組織として社会貢献していかないと意味がないんだよね。そのために一番大切なのが人間関係。信頼し尊敬しあえる人間関係がないと、組織としての仕事はうまくいかないと思うよ。“余分な緊張”が組織を支配して、グループ全体の仕事の質が下がることになる。自分の思い通りにスタッフが動かないことに我慢できないような自己中心的な性格では、うちの医療チームだったらすぐ配置換えだな」

わたしはショックから立ち直るのに時間がかかった。芳樹は高校時代から独特の視点を持っていて、ときどきわたしをハッとさせてくれた。会社のために完璧に働こうとするわたし。でも、そのわたしのために周囲が振り回されているのかもしれない。そして組織全体を見たときに、それはマイナスなのかもしれない。

「さぁさ、デザートが出てきたよ。ここのチョコレートケーキは特においしいから早く食べようよ」

わたしは弱点をピンポイントで指摘されたおかげで、酔いが少しさめた。

「自分本位の社会貢献を強引に押し進めるのをやめたら、美樹ちゃん自身も周りのスタッフも、それに肩こりも楽になると思うよ。あと漢方薬もよく効くから、ちゃんと漢方を勉強した人に相談するようにね」


■■肩こりも仕事も楽に■■


わたしは淳子が通っていた漢方薬局に相談にいき、漢方薬を飲むことにした。

漢方の先生はわたしの話を聞いてくださったあと、わたしの肩こりには「気血の流れの鬱滞が起因している」とおっしゃった。肩こりだけでなく、わたしの悩みのPMSや頻尿、便秘と下痢を繰り返すことなども、この気血の流れの鬱滞と関係があるとのことだ。

気血の流れは、ストレスや環境変化、それに神経質、几帳面、強い責任感などの気質的な要因によって滞りやすいそうだ。そのような気質の人は五臓六腑の肝の気の流れがわるくなりやすく、その結果、気血の流れが阻害されてしまうらしい。流れがわるくなると、通じざればすなわち痛む、といわれるとおり、痛みやこりが生じる結果となるのだそうだ。

漢方の先生によると、わたしのように肩から首にかけてぱんぱんに張るタイプは、気の流れが滞っている場合にみられやすい肩こりなのだそうだ。

わたしは気の流れをさらさらにする働きの強い漢方薬をしばらく飲んで体質を改善し、肩こりを改善していくことになった(漢方道の必殺技③)。肩から首にかけての“余分な緊張”が消えていくような漢方薬だ。いらいらや情緒不安定、それに便秘や腹部膨満感にも効果があるそうだ。

効果は漢方を飲み始めて3ヵ月目くらいから現れだした。首が回らないほどの肩こりを感じなくなった。首から肩、さらに肩甲骨のあたりにかけて、楽になってきた。

会社の人間関係も改善されてきた。芳樹の言うとおり、自分の社会貢献だけを考えずに組織としての仕事を意識するようになってから、わたしのグループの“余分な緊張”が消えてきたように思う。なるほど、このほうがはるかにいい結果につながりそうだ。

またメールで芳樹を呼び出して食事をした。

「美樹ちゃんのように一所懸命に働くことはすばらしいことだよ。でも、どう一所懸命働くかが大事。組織の中で仕事をする場合は、よく周りを見て、人間関係を大切にしていかないとね。ちょっとピントがずれがちな一所懸命さをやさしく見守ってくれる旦那と俺に感謝しておきなさいよ」

なるほど旦那も、家庭という社会のなかでわたしの完璧主義にずいぶんつき合わされているのかもしれないな。彼のおかげでわたしの家族は“余分な緊張”でぴりぴりすることがないのかもしれない。ありがたいことだわ。でも、ときどきこうして新鮮な視点でわたしを見守ってくれる芳樹の存在もありがたいことだと思った。

(幸井俊高執筆 「VOCE」掲載記事をもとにしています)

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