漢方薬で蕁麻疹が治った症例

薬石花房 幸福薬局の漢方薬で蕁麻疹が治った症例

(こちらは症例紹介ページです。蕁麻疹の解説ページは こちら へどうぞ)


■症例1「学生のころから、ときどき蕁麻疹が出ます。魚介類や紫外線など、とくに思い当たる特定の原因はないのですが、なんとなく鮮度のよくないものを食べたときや、疲れがたまっているとき、汗をかいたときなど、さまざまな要因が重なり合ったときに出るような気がします。赤い蕁麻疹が全身に発生して、かゆくてたまりません」

汗の刺激、着ている洋服の化学繊維の刺激、季節の変わり目などの要因も関係しているかもしれません。最初は、腕の内側や太ももの内側など、軟らかいところに赤いポツポツとしたものができます。そのうち、赤くふくらんだ部分がつながって地図状に広がることもあります。

強いかゆみとともに、ほてるような熱感があります。口が苦く、ねばるような感覚があります。舌を見ると、濃い赤色をしていました。舌の表面には、黄色い苔がべっとりと付着していました。このところ頻繁に発生するので、なんとかしたい、とのことです。

膨疹が赤い、かゆみが強い、舌苔が黄色い、などの症状から、蕁麻疹の背後に「熱邪(ねつじゃ)」の存在が考えられます。また、蕁麻疹のふくらんだ部分が地図状に広がる、舌苔がべっとりしている、などの点から、「湿邪(しつじゃ)」も関係しています。これら両方の病邪を合わせて「湿熱」といいます。

湿熱の場合、口がねばる、口が苦い、口が渇く、食欲不振、吐き気、便秘あるいは下痢、ねっとりとした便が出る、すっきりと排便しない、尿の色が濃い、イライラしやすい、などの症状がみられます。いずれも、湿っぽく、熱っぽい症状です。

湿熱タイプの蕁麻疹には、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)や小柴胡湯(しょうさいことう)が使われます。これらの漢方薬で、過剰な熱や湿気を捨て去ります。この患者さんには清上防風湯を飲んでもらいました。

効果は、すぐにあらわれました。漢方薬の服用をはじめてから、ぴたっと蕁麻疹が出なくなりました。

一般に、アレルギー性蕁麻疹、機械性蕁麻疹、日光蕁麻疹、コリン性蕁麻疹、温熱蕁麻疹の人には、この体質の場合が多くみられます。

この証に用いられる処方はいくつかあり、たとえば黄連解毒湯、茵蔯五苓散などの方が適していることもあります。

 

■症例2「就職活動をするようになってから、蕁麻疹が出るようになりました。ときどき急に全身がかゆくなり、掻いた部分にみみずばれができます。イライラしたり、将来のことが不安になったりすると、かゆくなるような気がします」

蕁麻疹は、イライラしたときや、心配ごとがあるときだけでなく、緊張が続いているときや、逆に緊張がとれて一安心したときにも発生します。一日のうちでは、夜間に出ることが多いように思います。

蕁麻疹は、やや黒っぽい赤色をしており、下着で圧迫されるような場所にできやすいようです。繰り返し同じ場所がかゆくなり、同じ場所をかいているうちに、色素沈着が生じて肌が褐色になっているところもあります。舌は暗紅色をしています。

この女性は蕁麻疹以外にも、就職活動をするようになってから、生理痛もひどくなりました。頭痛や肩こり、便秘、不眠などの症状も出ています。希望する就職先からなかなか内定が出ないストレスが原因だと思っていたようですが、ストレスがこんなに体調に影響するものだとは知りませんでした。

この患者さんの証は、「気滞血瘀(きたいけつお)」証です。気の流れがよくない気滞症と、血(けつ)の流れがわるい血瘀証の両方を兼ね備えた証です。ストレスや緊張、不安、イライラなど精神的な要因の影響で、蕁麻疹が発生しています。

気と血とは関係が深く、「気は血の帥(すい)、血は気の母」といわれています。気は血に滋養してもらって、初めてじゅうぶん機能し、また血は気の働きによって、初めて全身をめぐることができるからです。したがって、どちらかの流れがわるくなると、もう一方の流れもわるくなり、気滞血瘀証が生まれます。

この証の場合は、気血の流れをサラサラにすることにより、根本的な病気の治療を進めます。処方は、加味逍遙散(かみしょうようさん)や、理気処方と活血処方とを合わせて処方します。加味逍遙散は、理気処方としてよく使われますが、補血作用がある当帰(とうき)や芍薬といった生薬が配合されており、血の流れを調整する働きもあります。

この患者さんの場合は、補血する必要がなかったので、加味逍遙散ではなく、理気作用の強い四逆散(しぎゃくさん)と、活血作用の強い桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を合わせて服用してもらいました。結果は良好でした。

 

■症例3「蕁麻疹が、繰り返し発生します。病院では、慢性蕁麻疹と診断されました。薬を飲むと症状は治まりますが、しばらくすると再発します。食べ物のアレルギーかもしれないと思い、気にしていますが、とくに食べ物との関係はないようで、疲れたときに出やすいと思います」

もともと疲れやすく、元気のないタイプです。胃腸は丈夫ではなく、軟便ぎみで、食欲もあまりありません。生理の量も少なめです。肌は乾燥ぎみで、つやがありません。蕁麻疹の色は薄めの赤色です。舌をみると、赤みが薄く、白っぽい色をしていました。

元気がない、疲れやすい、などの症状から、この人の証は「気虚(ききょ)」です。同時に、肌につやがなく乾燥していることや、生理の量が少ないことなどから、「血虚(けっきょ)」証でもあります。すなわち、この人の証は「気血両虚(きけつりょうきょ)」証です。

先の症例2で、気と血とは関係が深いという話をしました。症例2は、それぞれの流れがわるくなって体調が悪化したケースですが、今回は、それぞれの量が不足して病気になった例です。

こういう場合は、漢方薬で気血を補って、慢性蕁麻疹を治していきます。代表的な処方は、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。

補中益気湯は、補気処方として多用される処方ですが、なかに補血薬の当帰が配合されています。この処方は、気血の相互関係にもとづいて組まれた処方といえます。したがって、今回の場合、補中益気湯だけを服用してもらいました。もし、乾燥がすすみ、かゆみが強いようなら、補血作用を強めるために、四物湯(しもつとう)などを一緒に飲んでもらうといいでしょう。

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蕁麻疹、とくに慢性蕁麻疹は、西洋薬と漢方薬を併用することで治療効果を高めやすい病気です。膨疹やかゆみを抑える対症療法は抗ヒスタミン剤などの西洋薬を使い、根本的なアレルギー体質の改善には漢方薬を用いて、慢性蕁麻疹の根治を図るといいでしょう。

なかには、長期間にわたり西洋薬の服用を続けており、早く西洋薬をやめたいという気持ちから、漢方の服用をはじめると同時に自己判断で西洋薬の服用をやめてしまい、症状を悪化させてしまう人もいます。

対症治療の効果については、漢方薬は抗ヒスタミン剤などに大きく及びませんので併用しながら様子を見ることをお勧めします。

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出典:本ページは「日経DIオンライン」に幸井俊高が執筆した記事をもとにしています。

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