適応障害(体験談)

適応障害が漢方で治った体験談

(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高

適応障害が漢方薬で治った成功例を紹介します。漢方では、患者さん一人一人の体質に合わせて、処方を決めます。患者さん一人一人の体質に合わせて処方を決め、治療を進めるのが漢方治療の特徴です。

(こちらは症例紹介ページです。解説ページはこちら

憂鬱感を伴う適応障害を漢方治療した症例

「会社での仕事量が大幅に増え、体調を崩しています。憂鬱な気分になりやすく、やる気が起きません。帰宅後に過食してしまいます」

勤務先の経営悪化による人員削減のしわ寄せで仕事量が増えました。もともと仕事を自身で抱え込むタイプで、残業時間も増え、強いストレスを感じています。帰宅後に菓子パンなど、甘いものの過食をし、一旦は落ち着きますが、そのあと落ち込む、ということの繰り返しです。ほかに、寝つきにくくなりました。睡眠の途中で目覚めることも増えました。舌は紅く、黄色い舌苔が付着しています。

この患者さんは、精神情緒を安定させる働きを持つ五臓の肝(かん)の機能が、強いストレスの影響で失調し、適応障害が生じたものと思われます。漢方でいう「肝鬱気滞(かんうつきたい)」という体質です。憂鬱感、やる気の減退、落ち込み、入眠困難、中途覚醒などは、この体質の特徴です。

この体質の場合は、五臓の肝の機能を安定させ、ストレス耐性を高める漢方薬で、適応障害を治していきます。この患者さんには、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などを服用してもらいました。服用を始めて2か月後、過食をする頻度が減ってきました。3か月後、睡眠がしっかりとれるようになってきました。5か月後には、憂鬱な気分になることもほとんどなく、気分が楽になりました。

同じ肝鬱気滞の体質でも、めまいや頭痛をともなうようなら、抑肝散(よくかんさん)などを用います。

焦燥感が強いタイプの適応障害を漢方治療した症例

「高校に進学してから、些細なことでイライラするようになりました。校内での成績順位が大きく下がり、しばしば焦燥感に駆られます。最近、遅刻や不登校の日が増えました」

勉強に熱心な高校に通っています。焦っているせいか、定期試験で平凡なミスが増えました。校内の模擬試験でも異常なくらい動悸がします。食欲も低下ぎみです。舌は紅く乾燥しており、舌苔はあまり付着していません。

この患者さんは、意識や判断、思惟など、人間らしい高次の精神活動をつかさどる五臓の心(しん)の機能が、ストレスによる過度の刺激を受けて亢進し、適応障害が生じたものと思われます。漢方でいう「心火(しんか)」という体質です。

この体質の場合は、漢方薬で心の機能の亢進を鎮めることにより、適応障害を治療します。この患者さんには、清心蓮子飲(せいしんれんしいん)などを服用してもらいました。服用を始めて1か月後、動悸の頻度が減ってきました。3か月後の定期試験では凡ミスが減り、校内での成績順位が上がりました。その頃から焦燥感に苛まれることも少なくなってきました。

不安感が強いタイプの適応障害の漢方治療症例

「数か月前に異動してきた上司との人間関係がうまくいっておらず、ストレスを感じています。最近は寝ている間に現実的な仕事中の夢を見て、何度も目が覚めます」

朝は目覚まし時計が鳴る前の、まだ暗いうちに目が覚めます。出勤前には不安感が募り、動悸がします。最近、よく寝汗をかきます。舌は紅い色をしています。

この患者さんは、先の症例と同じく五臓の心(しん)が、ストレスの影響でじゅうぶんに養いきれなくなり、適応障害が起きたものと思われます。漢方でいう「心血虚(しんけっきょ)」という体質です。不安感、夢をよく見る、中途覚醒、早朝覚醒などは、この体質の特徴です。

この体質の場合は、漢方薬で五臓の心を潤すことにより、適応障害の治療にあたります。この患者さんには、酸棗仁湯(さんそうにんとう)などを服用してもらいました。3か月後、早朝覚醒が減りました。出勤前の動悸も軽くなりました。6か月後、中途覚醒も少なくなりました。相変わらずストレスは感じていますが、ぐっすり朝まで眠れており、助かります。

同じ心血虚の体質でも、憂鬱感など肝鬱気滞の症状も伴う場合は、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)などを用います。さらに、のぼせ、寝汗などの熱っぽい症状もみられる場合は、加味帰脾湯(かみきひとう)などが有効です。

(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)

*執筆・監修者紹介*

幸井俊高 (こうい としたか)

東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI:ドラッグインフォメーション)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。

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