摂食障害(体験談)

(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高

摂食障害が漢方で治った体験談

摂食障害が漢方薬で治った成功例を紹介します。漢方では、患者さん一人一人の体質に合わせて、処方を決めます。患者さん一人一人の体質に合わせて処方を決め、治療を進めるのが漢方治療の特徴です。

(こちらは症例紹介ページです。解説ページはこちら

漢方薬で拒食症を治療した症例

「半年ほど前から食事が普通にとれなくなり、とうとう体重が40キロを割りました。心配した両親と病院に行ったところ、摂食障害と診断されました」

きっかけは、親しかった友人からの、ちょっとした一言でした。それ以来、太ることが不安になり、食事がまともに喉(のど)を通らなくなりました。無理して食べようとしても、すぐ胃が痛みます。疲れやすく、頻繁に頭がふらつきます。よく動悸がします。病院では抗うつ薬が処方されました。舌は淡白色です。

この患者さんは、意識や判断など、人間らしい高次の精神活動をつかさどる五臓の心(しん)の機能が、ストレスやショックにより、じゅうぶん養われなくなってしまった体質です。そのため正常な判断ができず、拒食症になったようです。漢方でいう「心血虚(しんけっきょ)」という体質です。不安感、疲れやすい、頭がふらつく、動悸、淡白色の舌などは、この体質の特徴です。

この体質の場合は、漢方薬で五臓の心を潤すことにより、摂食障害の治療を進めます。この患者さんには、帰脾湯(きひとう)などを服用してもらいました。漢方を飲み始めてから1か月後、ぴんと張りつめていたゴムがふっとゆるんだように、気持ちが軽くなりました。抗うつ薬は、吐き気や便秘などの副作用が強く、服用を中止しました。4か月後には、食事がおいしく感じられるようになってきました。胃が痛むことが減りました。体重が少しずつ増えてきました。8か月後、体重が45kgにまで戻り、頭がふらつくこともなくなりました。母も喜んでくれました。1年後も引き続き普通に食事がとれています。8か月目以降は漢方薬を半分の服用量に減らして継続していますが、拒食症の再発はありません。もうすぐ服用を中止しても大丈夫そうです。

太ることへの恐怖心を漢方薬で和らげた症例

「ダイエットを繰り返しているうちに、どれくらい食べればいいのか、わからなくなってしまいました。今は野菜や海藻など、カロリーの低いものばかり食べています」

BMIは17台です。太ることへの恐怖心があります。体力的に弱くなり、仕事の残業ができなくなりました。集中力が低下し、単純なミスが増えました。部長と相談して仕事量を減らしてもらいました。こんなに痩せてはいけないと頭では理解できているのですが、太ることへの恐怖心から、ふつうに食べることができません。胃がつかえやすく、膨満感があります。からだが冷えて困ります。舌は淡白色で大きく、べっとりとした白い舌苔が付着しています。

この患者さんは、消化吸収や代謝をつかさどり、気(エネルギーや活力のこと)の源を生成する五臓の脾(ひ)の機能が弱っている体質です。ダイエットの繰り返しにより、脾の機能が失調したのでしょう。漢方でいう「脾気虚(ひききょ)」という体質です。脾が弱ると、頭では理解していても思い悩みすぎて過食や拒食がやめられなくなります。この患者さんは、この状態におちいっているようです。

この体質の場合は、脾の機能を強める漢方薬を用いて、摂食障害の治療を進めます。この患者さんには、香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)などを服用してもらいました。3か月後、しばらく止まっていた生理が久しぶりに来ました。半年後、食べたほうがいいのか、食べないほうがいいのか、という葛藤が薄らぎ、食べることが当たり前に感じるようになってきました。9か月後、太ることに対する恐怖心も薄らぎました。去年ほど冷えて困ることもありません。1年後には仕事も以前のようにできるようになったので、会社でしばらく減らしてもらっていた仕事量を、元に戻すことになりました。

過食嘔吐を漢方薬で治療した症例

「職場での人間関係が大きなストレスになっています。ストレス発散に食べまくるようになり、今ではたくさん食べては吐く、また食べては吐く、という行動をとるようになりました」

夜遅くひとりになってから菓子パンをたくさん食べてはトイレで吐く、いわゆる過食嘔吐です。吐いたあとは罪悪感に苛(さいな)まれ、惨めな気分になりますが、過食嘔吐をすることで、かろうじて自分を守っているような心境です。とにかく憂うつです。舌は紅く、白い舌苔が薄く付着しています。

この患者さんは、情緒を安定させる働きを持つ五臓の肝(かん)の機能が鬱結してスムーズに働いていない体質です。五臓の肝は精神的なストレスに弱いため、職場での人間関係が大きな負担となって肝の機能が失調したのでしょう。漢方でいう「肝鬱気滞(かんうつきたい)」という体質です。肝の機能の失調により、情緒が不安定になり、過食嘔吐をするようになったものと思われます。ストレスの影響、憂うつ感、紅い舌などは、この体質の特徴です。

この体質の場合は、漢方薬で肝の機能の鬱結を和らげることにより、摂食障害を治療していきます。この患者さんには、四逆散(しぎゃくさん)などを服用してもらいました。2か月後、過食嘔吐の頻度が少し減りました。6か月後、夜ひとりで泣くことがほとんどなくなりました。10か月後、ここ1か月は過食嘔吐をしていません。1年後、職場の人間関係のことで相変わらずストレスは感じますが、菓子パンを食べまくることは、もうなくなり、ぐっすり眠れるようになりました。

(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)

*執筆・監修者紹介*

幸井俊高 (こうい としたか)

東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI:ドラッグインフォメーション)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。

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