貧血の症例

(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高

薬石花房 幸福薬局 の漢方薬で貧血が改善した症例

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■症例1「疲れやすく、めまいや立ちくらみが生じるようになったので病院に行ったところ、貧血と診断されました」

食欲があまりなく、軟便気味です。目も疲れてかすみやすく、頭がぼーっとします。手足が冷えます。舌は白っぽい色をしています。

この人の証は、「気血両虚(きけつりょうきょ)」です。脾気虚(ひききょ)と血虚(けっきょ)の2つの証を兼ね備えています。虚弱体質や疲労の蓄積、慢性的な体調不良、出血などにより、この証になります。

疲れやすい、めまい、立ちくらみ、食欲不振、軟便、目がかすむ、頭がぼーっとする、舌の色が白い、などは、この証の特徴です。声に力がない、息切れ、爪がもろい、などの症状を伴う場合もあります。

この証の人に対しては、気と血の両方を補う漢方薬を使い、血を補いつつ造血機能を高めることにより、貧血の根本治療を進めます。

この人は漢方薬を服用し続け、4カ月後には立ちくらみをほとんどしなくなりました。貧血の検査値も正常値になりました。



■症例2「長年、貧血に悩まされています。病院で処方される鉄剤を飲むと改善するのですが、服用をやめてしばらくするとまたヘモグロビン濃度が下がり、症状が悪化します」

疲れやすく、頭がぼーっとします。めまい、耳鳴りもあります。足腰がだるく、手足がほてり、ときどき寝汗をかきます。舌は赤い色をしています。

この人の証は、「腎陰虚(じんいんきょ)」です。腎の陰液が不足している体質です。腎は五臓の1つで、生きるために必要なエネルギーや栄養の基本物質である精(せい)を貯蔵し、人の成長・発育・生殖、ならびに水液や骨をつかさどる臓腑です。陰液とは、人体の構成成分のうち、血・津液・精を指します。

過労、不規則な生活、大病や慢性的な体調不良、性生活の不摂生、加齢などにより精、つまり気血の基本物質が減り、この人のように慢性的な貧血になります。骨髄の造血作用の低下とも関係があると思われます。

この体質の場合は、漢方薬で腎の精気など腎陰を補い、貧血を治療します。漢方薬を飲み続けているうちに、鉄剤をやめてから貧血を再発するまでの期間がどんどん長くなり、元気になってきました。


■症例3「子宮筋腫があり、生理の量が多めで貧血があります」

貧血は生理が始まるとひどくなり、顔色が悪くなり、ふらふらします。動悸もします。白い色の舌をしています。

この人の証は、「血虚(けっきょ)」です。人体に必要な血液や栄養が不足している体質です。子宮筋腫があるために経血量が多く、貧血になっています。

顔色が悪い、ふらつき、動悸、白い色の舌などは、この証の特徴です。爪がもろい、抜け毛が多い、手足のしびれなどの症状を伴う場合もあります。

この場合は、漢方薬で血を補い、貧血を改善させていきます。服用を始めて4周期目あたりから、生理時の貧血の症状が軽くなってきました。

(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)

*執筆・監修者紹介*

幸井俊高 (こうい としたか)

東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。

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