子宮内膜症の症例
薬石花房 幸福薬局 の漢方薬で子宮内膜症が改善した症例
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症例1: 漢方でチョコレート嚢胞(のうほう)が小さくなった
症例2: 社会人になってから悪化した子宮内膜症の漢方による改善
症例3: 子宮内膜症の癒着による痛みを漢方で緩和
症例1: 漢方でチョコレート嚢胞(のうほう)が小さくなった
「もともと生理が重いほうでしたが、ここ数年、生理痛がさらに少しずつひどくなっており、市販の鎮痛剤が効かないこともあります。婦人科を受診したところ、子宮内膜症と診断されました。右の卵巣に5センチ大のチョコレート嚢胞があるとのことで、手術をすすめられています」
31歳の女性です。生理前から重い下腹部痛があり、生理が始まると同時に激しい痛みに襲われます。冷やあせが出るような痛みです。3日目くらいまではレバー状の血のかたまりが混じりますが、それを過ぎると痛みは楽になります。
生理の周期は28日で安定しています。生理痛以外には、便秘、手足の冷え、のぼせ、肩こりなどの症状があります。
この女性は、血(けつ)の流れがわるい体質です。血の流れが滞ることにより、生理痛が生じ、チョコレート嚢胞が発生しています。冷えのぼせやレバー状の血のかたまり、肩こりなども、血流の停滞による症状と考えられます。
このような場合は、血の流れを改善する漢方薬で体質改善をすすめます。桃核承気湯、桂枝茯苓丸、きゅう帰調血飲などの処方を使います。
この女性の場合は、漢方薬の服用を始めてから3回目の生理あたりから生理痛が楽になりました。レバー状の血のかたまりもほとんど出なくなりました。チョコレート嚢胞は2センチにまで小さくなっており、手術はしないで経過観察をすることになりました。
子宮内膜症で、チョコレート嚢胞がある、生理が始まると同時に激しい痛みに襲われる、レバー状の血のかたまりが出るなどの症状がある人の場合、血の流れがわるい体質だと思われます。上記のような漢方薬で体質改善を進めるといいでしょう。
症例2: 社会人になってから悪化した子宮内膜症の漢方による改善
「社会人になってから生理が重くなりました。生理前のイライラや落ち込みも激しくなりました。パソコンを使う仕事が多いせいか、肩こりや目の疲れもひどい状態です。ストレスが関係しているような気がします」
26歳の女性です。毎月、生理のたびに鎮痛剤を飲まないと会社にも行けないほど痛むようになったので病院に行ったところ、子宮内膜症と診断されました。ホルモン剤で生理を半年ほどとめる治療法をすすめられましたが、生理をとめるのが心配で、その治療は始めていません。
生理の悩み以外には、ガスがたまりやすい、おなかが張る、便秘と下痢を繰り返す、などの症状があります。いずれも就職してからひどくなったように思います。
この女性は、気の流れがよくない体質です。精神的なストレスや過度の緊張、不安、情緒変動があると気の流れが阻害され、その結果、子宮内膜症が悪化します。生理前の諸症状や、ガスがたまりやすい、便秘と下痢を繰り返すといった症状も、気の流れが停滞したときに出やすい症状です。
この場合は、漢方薬で気の流れを改善することにより、子宮内膜症を治療していきます。よく使われる処方は、四逆散、逍遥散などです。
この女性の場合、漢方を飲み始めてすぐに胃腸症状が改善され始め、4か月目くらいから生理痛も楽になっていきました。鎮痛剤を飲まなくても大丈夫になり、病院でもホルモン治療は必要ないと言われました。
ストレスが原因で体調をくずす人は少なくありません。ストレスや緊張、不安が持続すると気の流れが悪化し、さまざまな症状が出てきます。気の流れの悪化はホルモン内分泌系や免疫系に影響を与えやすく、子宮内膜症や子宮筋腫、 生理不順などの原因ともなりやすいものです。
症例3: 子宮内膜症の癒着による痛みを漢方で緩和
「子宮内膜症による生理痛がひどかったので、3年前に腹腔鏡手術をし、病気の部分や癒着した箇所を取り除きました。手術のあとは症状が緩和され、快適に過ごすことができましたが、1年後にはまた以前と同じような生理痛に悩まされるようになりました。今回も癒着が生じているとのことで、再度手術をすすめられていますが、できればもう手術はしたくありません」
35歳の女性です。腹腔鏡手術には限界があり、子宮内膜症の病変部位を完全に取り除くことはできないと、あらかじめ言われていたので覚悟はできていましたが、予想どおり子宮内膜症が再発してきました。手術前と同じように、引きつるような生理痛や腰痛があるので、また癒着ができていると自分でも思っています。
癒着は、毎月の生理で子宮内膜が剥離、出血するたびに悪化していきます。引きつるような痛みがある場合は、癒着の存在が疑われます。
癒着は炎症が生じるたびに拡大しますので、漢方では、炎症を鎮めて癒着の拡大を防いだり、癒着を緩和して痛みを和らげたりする働きのある漢方薬を使います。たとえば桂枝加芍薬湯や当帰建中湯には、癒着による痛みを緩和する働きがあります。また、癒着により血液や栄養がじゅうぶん供給されないために生じる痛みもありますので、それに対応する漢方薬を併用する場合もあります。
この女性の場合は1年ちょっと漢方薬を飲み、引きつるような生理痛や腰痛を感じなくなったところで漢方治療を終了しました。その後、1年以上がたっていますが、いまのところ子宮内膜症の再発はないようで、生理痛に悩まされることなく毎月の生理を迎えているようです。
あなたに合った漢方薬がどれかは、あなたの体質により異なります。自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶようにするのがいいでしょう。
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