関節リウマチ(症例)

(こちらは症例紹介ページです。解説ページはこちら

症例1

「関節リウマチで治療を受けています。ペットボトルの蓋(ふた)を開けるのに力が入らなくなってきました。冷えると手の指や肘が強烈に痛みます」

痛むところはいつも同じ(固定性)で、移動しません。寒がりで、手足が冷えます。夏のクーラーも苦手です。お風呂に入って温まると、痛みが楽になります。手の指や足がよくむくみます。舌には白く湿った舌苔が付着しています。

この患者さんの証は、「痛痺(つうひ)」です。寒邪が侵入することにより、痺証となっています。寒邪は気血を凝滞させやすいため、痛みは激しく、固定性です。寒がり、痛みは冷えると悪化する、温めると楽になる、白く湿った舌苔などは、この証の特徴です。しびれ、下痢などの症状がみられることもあります。

この証の場合は、漢方薬で寒邪を除去し、関節リウマチの治療を進めます。この患者さんには、寒邪とともに湿邪も除去する桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)を服用してもらいました。2か月後、手の指のむくみが減ってきました。4か月後、手の指や肘の痛みが軽くなり、激痛に見舞われることはなくなりました。

 

症例2

「関節リウマチと診断されています。手の指や肩が重だるく、とくにハサミを使うなど細かい作業をすると、こわばった感じがします」

朝起きたときの動かし始めが、とくに動かしにくく思います。雨が降る前の日も具合わるくなります。足はむくみやすく、夕方になると足がぱんぱんになります。舌は白く、表面に白い舌苔がべっとりと付着しています。

この患者さんは、「着痺(ちゃくひ)」証です。湿邪による痺証です。湿邪が盛んなため、重だるい、むくみ、雨が降る前の日に悪化する、べっとりとした舌苔などの湿証があらわれています。

この体質の場合は、湿邪を除去する漢方薬で、関節リウマチの治療を進めます。この患者さんには薏苡仁湯(よくいにんとう)を服用してもらいました。服用を始めて2か月後くらいから、手の指のこわばりが軽くなってきました。足のむくみも減りました。5か月後には、朝のこわばりも気にならないくらいにまでなりました。

 

症例3

「関節リウマチで、手の指と膝にしびれや痛みがあります。痛む場所は日によってあちらこちらと移動します」

手の指にはむくみも感じます。明け方によく足がつります。舌は淡紅色で、白い舌苔が付着しています。

この患者さんの証は、「行痺(こうひ)」です。風邪(ふうじゃ)による痺証です。風邪が経絡を侵すため、関節の疼痛、しびれ、運動障害などの症状は多発性で、その部位は遊走し、固定しません。遊走性の痛み、しびれ、淡紅色の舌、白い舌苔などは、この証の特徴です。寒け、頭痛などの症状がみられることもあります。

この体質の場合は、漢方薬で風邪を除去し、関節リウマチの治療を進めます。この患者さんには、しびれや足のつりなど血虚(けっきょ)の症候もみられたので、疎経活血湯(そけいかっけつとう)を服用してもらいました。1か月後、しびれ痛みが少し軽減してきました。4か月後、しびれはほとんどなくなりました。手の指のむくみもあまり感じなくなりました。8か月後、痛みを感じることもほとんどなくなりました。

 

(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆しました。日経DIオンラインにも掲載)

*執筆者紹介*

幸井俊高  (こうい としたか)

東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。帝国ホテルプラザ東京内「薬石花房 幸福薬局」代表。薬剤師・中医師。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を20冊以上執筆・出版している。「日経グッデイ」「日経DI(ドラッグインフォメーション)」にて漢方コラム好評連載中。

関連する記事を読む

自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気や症状を改善してくれる漢方処方は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要になります。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や体調により、使う処方が違うからです。

 

そのために必要なのが、カウンセリングです。漢方の専門家がじっくりとお話をうかがって、あなたの体質を判断し、あなたに最適な漢方薬を決めていきます。

 

当薬局は、帝国ホテル内にあるカウンセリング専門の漢方薬局です。まず薬局でカウンセリングをし、その方のご症状やご体質をしっかりと把握し、それをもとに、おひとりおひとりに最適な漢方薬を調合しております。

 

自分にあった漢方薬に出会う秘訣は、「信頼できる専門家のカウンセリングを受けること」です。しっかりしたカウンセリングを受けて、あなたに最適な漢方薬を見つけてください。

カウンセリングスタッフ紹介