新型コロナ後遺症・ワクチンの副反応(体験談)

新型コロナ後遺症やワクチンの副反応が漢方で治った体験談

(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高

新型コロナ後遺症やワクチンの副反応が漢方薬で治った成功例を紹介します。漢方では、患者さん一人一人の体質に合わせて、処方を決めします。患者さん一人一人の体質に合わせて処方を決め、治療を進めるのが漢方治療の特徴です。

(こちらは症例紹介ページです。解説ページはこちら

微熱と倦怠感が続いて通学が困難だった大学生を治療した症例

「新型コロナに感染して3か月になりますが、いまだに微熱が続いています。極度の倦怠感も続いており、ずっと学校を休んでいます」

体温は37度台で、なかなか平熱にまで下がりません。少し外出するだけでくたくたに疲れるため、大学に通えていません。オンラインの授業は自宅で受けるようにしていますが、集中力が続かず、記憶力も明らかに低下しています。めまいがすることが増えました。耳鳴りもします。舌は紅く、舌苔は少ししか付着していません。

この患者さんは、生命体の根本をなす物質(腎精といいます)が減ってしまっている「腎精不足(じんせいぶそく)」という体質です。新型コロナの感染により腎精が減り、脳の機能が低下して後遺症が残ったのでしょう。倦怠感、集中力の低下、記憶力の低下、めまい、耳鳴りなどは、この体質の特徴です。

この体質の場合は、腎精を補う漢方薬で、新型コロナ後遺症の治療を進めます。この患者さんには、六味地黄丸(ろくみじおうがん)を服用してもらいました。服用を始めて2か月後、体温が徐々に下がり、36度台の後半になりました。倦怠感も少し減りました。4か月後、学校と自宅を往復できるようになりました。しかし毎日続けて通学するのはまだ無理です。体温もまだ少し平熱より高めです。6か月後、ようやく体温が平熱にまで下がり、毎日通学できるようになりました。

ブレインフォグで勤務時間を減らしていた会社員を漢方治療した症例

「新型コロナ感染後、倦怠感やブレインフォグが続いています。病院で検査をしても異常はみつからず、抗うつ薬を処方されていますが効果がありません」

ブレインフォグ(brain fog)は、これまでは平気で読んで理解できていた会社の文書や資料を読んでも、途中で分からなくなるような、思考力低下の状態です。通勤はできていますが倦怠感が強く、勤務時間を減らしてもらっています。朝や夜に息苦しさを感じることが週に2、3回あります。食欲がなく、声に力がありません。舌は淡白色でぽってりとしており、白い舌苔が薄く付着しています。

この患者さんは、思考力や判断力などの精神活動が低下している、「心気虚(しんききょ)」という体質です。新型コロナの感染により、五臓の心(しん)の機能が弱まり、後遺症が残ったのでしょう。

この体質の場合は、漢方薬で心の機能を補うことにより心の機能を回復させ、新型コロナ後遺症を治療していきます。この患者さんには、四君子湯(しくんしとう)を服用してもらいました。服用を始めて1か月後、頭の重い不快感が軽くなりました。3か月後、息苦しさが減りました。5か月後、会社の勤務時間を元に戻せました。漢方薬服用前のブレインフォグの程度を10とすると、今は2くらいにまで軽減しています。

新型コロナ後遺症の味覚障害と嗅覚障害の漢方治療症例

「新型コロナに感染して2か月が経ちますが、咳と痰がまだ出ます。味覚障害と嗅覚障害も残っています」

階段を登ったりすると、すぐ息が切れます。ときどき胸が痛くなります。味覚と嗅覚の障害で、食事がおいしくありません。舌は淡白色です。

この患者さんは、呼吸機能などが低下している「肺気虚(はいききょ)」という体質です。五臓の肺の機能が新型コロナの感染により衰え、後遺症が残ったのでしょう。咳、痰、息切れ、胸痛、嗅覚障害、淡白色の舌などは、この体質の特徴です。

この体質の場合は、漢方薬で肺の機能を補い、新型コロナ後遺症を治療します。この患者さんには、人参養栄湯(にんじんようえいとう)を服用してもらいました。服用を始めて2週間後、咳と痰がほとんど出なくなりました。3か月後には味覚障害と嗅覚障害も改善し、元のように食事がおいしく感じるようになりました。

(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)

*執筆・監修者紹介*

幸井俊高 (こうい としたか)

東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。

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そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

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