夜間頻尿(体験談)
夜間頻尿が漢方で治った体験談
(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高)
夜間頻尿が漢方薬で治った成功例を紹介します。漢方では、患者さん一人一人の体質に合わせて、処方を決めます。患者さん一人一人の体質に合わせて処方を決め、治療を進めるのが漢方治療の特徴です。
(こちらは症例紹介ページです。解説ページはこちら)
夜間の切迫頻尿を漢方薬で治療した症例
「夜間頻尿で困っています。夜中に尿意で目が覚め、我慢できなくなってトイレで下着をおろす前に失禁することもあります。夜間頻尿も尿もれも、暴飲暴食をした日の夜に多いように思います」
排尿時に尿道が熱く感じることがあります。日頃から飲酒を好み、脂っこいものや味の濃いものを好んで食べます。舌は紅く、黄色い舌苔が付着しています。
この患者さんは、過剰な熱や湿気(湿熱邪といいます)が膀胱に集まり、膀胱の機能を障害している体質です。漢方で「膀胱湿熱(ぼうこうしつねつ)」といいます。この患者さんの場合は、アルコール類、脂っこいもの、味の濃いものの日常的な摂取により、この体質になったようです。湿熱邪が膀胱に侵入することにより、夜間頻尿が生じます。排尿痛がみられることもあります。
この体質の場合は、漢方薬で膀胱の湿熱邪を除去することにより、夜間頻尿を治療していきます。この患者さんには、五淋散(ごりんさん)などを服用してもらいました。服用を始めて2か月後、尿失禁はほとんどしなくなりました。4か月後くらいから夜間頻尿が減り始め、8か月ほどで、ほとんどなくなりました。
頭痛、不眠、黄色い舌苔がべっとりと付着している、などの症候を伴う場合は、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)を使います。排尿時の痛みが強いなら、猪苓湯(ちょれいとう)も有効です。
過労やストレスによる夜間頻尿の漢方治療症例
「夜間頻尿です。排尿時に不快な違和感を伴うことがあります。前立腺の病気かと思い、泌尿器科を受診しましたが、とくに異常は見つかりませんでした」
排尿時に痛みを感じることもあります。仕事が忙しく、毎日深夜まで残業しています。疲れは相当たまっていると思いますが、いらいらしやすく、あまりよく眠れません。舌は紅く、舌苔は少なめです。
この患者さんは、過労やストレスなどの負担により、自律神経系が亢進しやすくなっている体質です。漢方でいう「心火(しんか)」という体質です。多忙で長時間に及ぶ仕事の負担により、自律神経系が過度の刺激を受けてこの体質になり、夜間頻尿が生じたようです。排尿痛、いらいら、不眠、紅い舌、少ない舌苔などは、この体質の特徴です。
この体質の場合は、漢方薬で心火を冷まし、夜間頻尿を治療します。この患者さんには、清心蓮子飲(せいしんれんしいん)などを服用してもらいました。4か月後、排尿時に痛むことが減りました。6か月後、排尿時の不快感もなくなりました。8か月後には、相変わらず仕事はハードですが、夜間頻尿で困ることはなくなりました。
年齢とともにトイレが近くなる夜間頻尿を漢方薬で治療した症例
「夜間頻尿です。年齢とともにトイレが近くなりました。夜、寝ているあいだに3回ほど尿意で目が覚めます。そのせいで、質のよい睡眠がとれません」
尿は毎回、しっかり量が出ます。薄い色をしています。昼間は逆にあまりトイレに行きません。年とともに寒がりにもなりました。手足が冷えます。腰や膝がだるく感じます。舌は淡白色で湿っており、舌苔も白く湿っています。
この患者さんは、膀胱での尿の貯留と排泄をコントロールする機能が衰えている体質です。漢方でいう「腎陽虚(じんようきょ)」という体質です。加齢により、からだの機能が衰えて冷えが生じてこの体質になり、夜間頻尿となったのでしょう。尿の色が薄い、寒がり、冷え症、腰や膝のだるさ、淡白色で湿った舌、白く湿った舌苔などは、この体質の特徴です。
この体質の場合は、漢方薬でからだを温めて尿の貯留と排泄の機能を安定させ、頻尿を治します。この患者さんには、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などを服用してもらいました。服用を始めて3か月目くらいから夜間の頻尿が少しずつ改善され、1年後には夜トイレに起きるのが1回で済むまでになっています。おかげで、ぐっすり眠れるようになりました。
むくみが顕著でない場合は、八味地黄丸(はちみじおうがん)などを使います。
同じようなタイプの夜間頻尿でも、尿の色が濃く、量が少ない場合もあります。その場合は漢方でいう「腎陰虚(じんいんきょ)」という体質です。六味地黄丸(ろくみじおうがん)などで夜間頻尿を改善していきます。
(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)
*執筆・監修者紹介*
幸井俊高 (こうい としたか)
東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI:ドラッグインフォメーション)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。
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