過換気症候群(過呼吸)(体験談)

過換気症候群(過呼吸)が漢方で治った体験談

(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高

過換気症候群(過呼吸)が漢方薬で治った成功例を紹介します。漢方では、患者さん一人一人の体質に合わせて、処方を決めます。患者さん一人一人の体質に合わせて処方を決め、治療を進めるのが漢方治療の特徴です。

(こちらは症例紹介ページです。解説ページはこちら

保健室で休むような過換気症候群(過呼吸)を治療した症例

「学校で過呼吸になり、保健室で休んだことが何度かあります。受験を控え、このような体調のままで大丈夫か不安です」

過呼吸になるのは、たいがい徹夜で勉強した翌日の、寝不足の日です。もともとあまり丈夫ではなく、疲れやすいタイプなので、このような日はさらに疲労感が増します。疲れると動悸や息切れが生じます。食欲があまりなく、便は軟らかめです。舌は白っぽい色をしています。

この患者さんは、人間の精神活動をつかさどる五臓の心(しん)と、消化吸収をつかさどる五臓の脾(ひ)の両方が弱い体質です。漢方で「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」という体質です。疲れやストレスが募ることにより、この体質になり、過呼吸が生じているのでしょう。疲れやすい、動悸、息切れ、食欲不振、軟便、白い色の舌などは、この体質の特徴です。

この体質の場合は、五臓の心と脾の両方を補う漢方薬で、過換気症候群を治療します。この患者さんには、帰脾湯(きひとう)などを服用してもらいました。服用を始めて2か月後くらいから次第に疲れにくくなり、食欲が出てきました。3か月後以降は過呼吸で保健室のお世話になることもなくなりました。

混んだ電車で過呼吸になりやすい体質を漢方治療した症例

「人混みが苦手です。呼吸が荒くなり、立ちくらみが生じて脂汗(あぶらあせ)が出たことが何度かあります。先日は朝の満員電車で身動きできずに過呼吸となり、意識が遠のいて倒れ、救急車で運ばれました」

病院に着いた頃にはだいぶ落ち着いており、しばらく安静にしてから出社しました。その後も人混みで過呼吸になりそうになったことがあり、いつまた発作を起こして倒れないかと不安です。神経質で几帳面なタイプです。よくいらいらします。淡紅色の舌をしています。

この患者さんは、情緒を安定させる働きを持つ五臓の肝(かん)の機能がスムーズに働いていない体質です。漢方でいう「肝鬱気滞(かんうつきたい)」です。人混みのストレスなどにより肝の機能が失調し、過呼吸が生じているのでしょう。

この体質の場合は、漢方薬で肝の機能の鬱結を和らげることにより、過換気症候群を治していきます。この患者さんには、逍遙散(しょうようさん)などを服用してもらいました。服用を始めて3か月後くらいから少しずつ人混みでも落ち着いてきました。半年後には、相変わらず人混みや満員電車は苦手ですが、過呼吸になることもなく、過呼吸になるのではないかという不安もほぼ消えました。

さらに動悸やのぼせが強いようなら、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、不安感や、驚きやすいなどの症状もみられるようなら、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)などを用います。

模擬試験の緊張による過呼吸の漢方治療症例

「テスト中やテスト直前に緊張して動悸がし、息苦しくなることがあります。先日は模擬試験の静まり返った教室で過呼吸になり、意識が遠のいて医務室に運ばれました」

喉が締め付けられるような、窒息しそうな恐怖を感じました。しばらく安静にして落ち着きましたが、入試の本番で過呼吸にならないか不安です。日頃から喉に違和感があります。痰が絡みやすく、咳が出ます。舌には白い舌苔がべっとりと付着しています。

この患者さんは、呼吸器系の機能が模擬試験などの緊張により失調しやすい体質です。漢方でいう「肺気逆(はいきぎゃく)」です。五臓の肺の機能の失調により、過呼吸になるのでしょう。喉の締め付け感、痰、咳、べっとりとした白い舌苔などは、この体質の特徴です。

この体質の場合は、肺の機能を落ち着かせる漢方薬で、過換気症候群を治療します。この患者さんには、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などを服用してもらいました。1か月後、喉の違和感が軽減してきました。2か月後、咳や痰が減ってきました。4か月後の模擬試験の際は、緊張はしましたが、息苦しくなることはありませんでした。

(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)

*執筆・監修者紹介*

幸井俊高 (こうい としたか)

東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI:ドラッグインフォメーション)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。

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