脂肪肝
◆自覚症状がほとんど表れない脂肪肝・・・今のうちに漢方で解消を
当薬局では脂肪肝が気になる方に、それぞれの体質に応じた漢方を提供し、脂肪肝解消の実績を重ねています。
肝細胞のおよそ3割以上に中性脂肪(トリグリセライド)がたまっていると、脂肪肝と診断されます。
自覚症状がほとんど表れないため放置する人が多いのが現状ですが、過剰な中性脂肪は肝臓への負担となり、肝臓内の血流障害を引き起こします。その結果、酸素や栄養が肝臓のすみずみまで行き渡らなくなり、肝機能が低下します。
肝炎(脂肪性肝炎)、肝硬変、肝臓がんへと進行することがあるほか、メタボリックシンドロームの要因になって心臓病や脳卒中など重篤な病気になるリスクを高めるので、早めの改善が大切です。
(脂肪肝の漢方治療の症例紹介ページは こちら)
脂肪肝の原因:
アルコール性脂肪肝 | 過度の飲酒 |
非アルコール性脂肪肝 | 過食(脂肪分・糖分のとりすぎ)・運動不足 |
◆西洋医学では食事制限や禁酒、漢方では「痰飲(たんいん)」の除去
西洋医学では今のところ特効薬はなく、脂肪肝の原因を除去する生活指導が行われています。つまり食事制限や禁酒です。
漢方では、「内臓脂肪を蓄積しやすい体質」の改善に向けて、漢方薬を処方します。とくに痰飲(たんいん)と呼ばれる余剰物質を除去する漢方薬を用いることが脂肪肝の治療の基本です。
◆痰飲とは
人体の基本的な構成成分のうち、体液に相当するものを中医学で津液(しんえき)といいます。そして津液が水分代謝の失調などにより異常な水液と化した場合、それを痰飲と呼びます。
痰飲には脂質や血糖なども含まれると考えられ、これが生じる原因は、暴飲暴食、食事の不摂生、運動不足、体液代謝の失調や低下、ホルモン異常、代謝産物の体内蓄積などです。腹が脹る、頭痛、舌がぽってりと大きい、舌に歯形がつく、などの症状がみられます。
適切な食生活と運動が脂肪肝治療の基本ですが、なかなか改善しないない場合や、生活習慣を変えるのが困難な場合は、漢方薬の力を借りて「内臓脂肪を蓄積しにくい体質」へと体質改善を進めるといいでしょう。
◆脂肪肝によく見られるタイプ・・・あなたはどれ?
<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>
脂肪肝の漢方治療は、痰飲を除去することが基本ですが、津液は気や血と相関して流れる物質なので、患者さんの証に応じ、気や血の流れを改善することが治療に必要となる場合も多々あります。
(1)「痰飲(たんいん)」証
ほとんどの脂肪肝の人に共通している証。
脂質も含む概念である痰飲が肝臓にたまり、脂肪肝となります。「痰湿(たんしつ)」証とも称されます。
→ 痰飲を取り除く漢方薬で脂肪肝の治療にあたります。
(2)「湿熱(しつねつ)」証
頭痛、湿疹、口が苦い、などの熱証がみられるようならこの証です。
湿熱は体内で過剰な湿邪と熱邪が結合したもので、湿熱邪が肝臓に停滞することにより、脂肪肝になります。
脂っこいもの、刺激物、味の濃いもの、生もの、アルコール類の日常的摂取や大量摂取などにより、この証になります。
→ 湿熱を除去する漢方薬で、脂肪肝の治療をします。
(3)「血瘀(けつお)」証
痰飲の影響により血流障害が生じているようならこの証です。
血瘀は、血の流れが鬱滞しやすい体質です。血瘀が痰飲と結びつくと、「痰瘀互結(たんおごけつ)」証になります。血瘀証の脂肪肝は、肝炎(脂肪性肝炎)への進行に関係してきます。
血瘀証の背景にあるのは、血管の微小循環障害や流動性の異常、精神的ストレス、寒冷などの生活環境、寒冷刺激、不適切な食生活、運動不足、水液の停滞、生理機能の低下、あるいは疾患や体調不良の慢性化、長期化などです。
→ 血行を促進する漢方薬で血瘀を除去し、脂肪肝の治療をします。
(4)「肝鬱気滞(かんうつきたい)」証
ストレスによる過食が関係している場合はこの証です。
からだの諸機能を調節し、情緒を安定させる働きを持つ臓腑である五臓の肝(かん)の機能がスムーズに働いていない体質です。肝は自律神経系と関係が深い臓腑です。
一般に、精神的なストレスや、緊張の持続などにより、この証になります。
→ 漢方薬で肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、食欲を安定させ、脂肪肝を治していきます。
(5)「胃熱(いねつ)」証
早食いや過食の習慣のある人によくみられるのはこの証です。
胃から上部の消化器官に熱邪が停滞している証で、刺激物、脂っこいもの、味の濃いものの多食や、アルコール類の多飲が原因で熱邪が生じて胃熱となります。
胃熱の影響で食欲が増進し、早食いや食べ過ぎが生じます。胸やけ、呑酸、口臭、口の渇き、吐き気、嘔吐、胃の灼熱感、心窩部痛などの症状がみられます。
→ 胃熱を冷ます漢方薬で食欲を安定させ、脂肪肝を治療します。
◆脂肪肝に効果的な漢方薬
大柴胡湯、茵蔯五苓散、白虎加人参湯、桂枝茯苓丸、四逆散
あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。
自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。 どうぞお気軽にご連絡をください。
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