アトピー性皮膚炎の症例

薬石花房 幸福薬局(東京 帝国ホテル内)の漢方治療でアトピー性皮膚炎がよくなった症例

こちらは症例紹介ページです。アトピー性皮膚炎の解説ページは こちら へどうぞ

■症例1(28歳女性)6年塗り続けたステロイドからの解放

28歳の女性で、約10年前に東京で一人暮らしを始めたころからアトピー性皮膚炎が悪化しました。顔や首にも皮膚炎が生じていますが、仕事をしており人前に出ると気になるので、ステロイド外用薬を使っています。ステロイドは6年ほど前から使用しており、もう手放せない状態です。それでも顔や首は赤黒く、皮膚が厚くごわごわしており、一見してアトピーとわかる状態です。

このかたの場合は、仕事をしており、また女性であることもあり、ステロイドを使いながら漢方薬を始めることにしました。皮膚炎を今の状態から悪化させないまま体質を改善し、ステロイドの使用量を少しずつ減らしていく方針です。

漢方薬は、皮膚にまで水分を運ぶ働きのある生地黄や麦門冬に、皮膚に浮いたように存在する熱を冷ますための地骨皮や牡丹皮などの生薬を煎じてもらいました。

生活改善としては、大好きなチョコレートと牛乳を我慢してもらうようにしました。最初のうちは炎症をしずめるために黄ゴンや石膏などの生薬も服用してもらいました。

現在3年ほど経ちましたが、皮膚のごわごわもなくなり、赤黒かった色も消えました。すでに2年以上ステロイドを塗ることはほとんどなく、保湿剤として馬油のみを必要に応じて塗るだけでコントロールできる状態になりました。まだ乾燥や発汗、あるいは寝不足や過労時に少し皮膚がかゆくなりますが、漢方薬も当初よりもかなり少量の服用で済んでいます。

■症例2「高校のころからアトピー性皮膚炎です。大学受験のころに悪化し、大学に入って症状が軽くなりましたが、就職活動の時期にまた悪化しました。現在は、首や腕、とくに手首のあたりに、アトピーの症状が出ています」

32歳の男性です。子どものころ、アトピーはありませんでしたが、高校3年の受験勉強の時期に強烈なかゆみをともなう皮膚炎が出るようになり、アトピー性皮膚炎と診断されました。大学入学とともに症状は軽くなりましたが、また就職活動の時期に症状が悪化しました。患部の皮膚は乾燥し、赤くただれていました。

現在は、首や手首の皮膚が乾燥して硬くなっています。皮膚がぽろぽろと、はがれ落ちやすく、お風呂上りやお酒を飲んだとき、疲れのたまったときなどに、かゆみが強くなります。しわにそって出血もみられます。赤黒い色をしています。就職後は、職場のエアコンによる乾燥や、人間関係による緊張のせいだと思われますが、症状はあまり軽快しないまま現在に至っています。

この男性の場合は、気血(きけつ)の流れの悪化がアトピー性皮膚炎の原因になっているようです。気血の流れの停滞が、衛気の働きにブレーキをかけています。

「気」の流れは、ストレスや緊張、不安などの精神的な要因の影響で悪化します。この男性のように、受験勉強や就職活動の時期にアトピー性皮膚炎を発症、あるいは悪化させる人は少なくありません。子どもの場合だと、親にしかられているときに、かゆみが増して、患部をかいてしまう子をみかけます。いずれも気の流れの停滞がアトピー性皮膚炎を悪化させている例です。

「血(けつ)」の流れがよくない体質の場合は、患部の色素沈着がなかなかとれず、肘の内側や膝の裏が黒ずんでいます。ステロイド剤を長期間使った影響で、皮膚が薄くなったうえに、この体質になる人もいます。

このような体質を「気滞血瘀(きたいけつお)」証とよびます。気や血の流れがわるいので、首や手首などの狭くなっている部分や、肘の内側や膝の裏などの曲がっているところに皮膚炎が生じやすくなっています。血行がよくないので、女性なら生理痛がつらい人が少なくありません。

漢方では、気と血を流す漢方薬を用いてこの体質を改善していきます。この男性の場合は、ずいぶん経緯が長いので、2種類の漢方薬を服用してもらいました。病気が長引いている場合は、かならず血瘀を疑ってみるといいでしょう。1年以上かかりましたが、アトピー性皮膚炎はきれいになくなりました。

■症例3(3歳女児 赤くただれた顔が1年で完治)

3歳の女の子です。この子は生まれてすぐに皮膚炎になり、ほっぺを中心に顔全体が赤くただれていたそうです。今では顔よりも肘や膝の内側がひどく、寝るときや夜中に無意識に掻くために出血も目立ちます。皮膚炎の出ていない背中などの皮膚も、ざらざらしています。

この子の場合は食欲に片寄りがあり、便が柔らかくねっとりしているなど、消化器系の問題もありましたので、おなかから丈夫にして皮膚を強くする方法をとりました。漢方生薬は参鬚尖や茯苓やヨク苡仁を飲んでもらいました。煎じ薬が苦くて飲みにくいので、煎じ液をゼリーにしてもらって子どもに食べさせるように言いました。

子どもの場合は大人よりも治りが早い場合が多く、この子も約1年で完全に治り、漢方薬も必要なくなりました。

またアトピー性皮膚炎は、職場の複雑な人間関係、多忙な生活、不安定な家庭環境、不規則な生活、食生活の乱れ、不安や悩みなどによっても悪化します。とくに子どもの場合は、家庭環境、さらに保護者自身のストレスにも敏感に反応して掻き始めたりするものです。子どものアトピーの場合は、そういう意味で、家族全体の協力が重要な鍵です。

あせらず治療、生活習慣の見直しも

繰り返しますが、アトピー性皮膚炎は漢方でも西洋医学でも簡単にいかない病気です。それだけに、いかにもすぐに効きそうな無責任な宣伝や情報が行き交います。悪気のない情報もあるのでしょうが、多くは効果のないものです。たとえばアトピーに効くということで1996年に流行したシジウム茶というのがありますが、翌年には取り扱う薬局はほとんどなくなりました。

さまざまな治療方法がありますが、あせらずに、自分の納得のいく方法で治療していただきたいと思います。基本的には、症状を緩和するための対症療法として西洋医薬を最小限使い、漢方薬の服用や生活習慣の見直しにより免疫力や自然治癒力を高めてアトピー性皮膚炎の根治を目指す、というのが現時点では良い方法かと思われます。

あなたに合った漢方薬がどれかは、あなたの体質により異なります。

自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶようにするのがいいでしょう。→当薬局について

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気を治し、症状を改善してくれる漢方薬は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要です。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や病状により、使う処方が異なるからです。

 

そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

あなたに最適の漢方薬に出会う秘訣は、信頼できる漢方の専門家の診察(カウンセリング)を受けることです。

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