アレルギー体質改善も性格改善も、できる!

幸井俊高執筆・・・薬石花房 幸福薬局(東京 帝国ホテル内の漢方相談薬局)の症例をもとにした漢方ストーリー

以下は、アレルギー体質の悩みを漢方によって解決していくOLの物語です。引っ込み思案の性格も変えていく自信がついてきました。薬石花房 幸福薬局の実際の症例をもとに、物語風に描きました。
同じようなお悩みでお困りの方は、あきらめず、どうぞお気軽に薬局までお問い合わせください。
(登場人物は実在の人物とは関係ありません。)


アレルギー体質は、改善できる!     

■■昔から、話すのが苦手■■


会社に入って2年が経った。人見知りしやすいタイプのわたしではあるが、上司から指示された仕事は、だいたい会社の期待どおりにこなせるようになったと思う。しかし会議や打ち合わせで、ほかの人たちと議論するのが相変わらず苦手だ。

人前で話すことに関しては苦手意識もあり、なかなか自分の考えや意見を会議などで発表することができない。話をしようと思っただけでどきどきしてしまう。

それは子どものころからの性格で、授業参観などで大勢の親もいるところで手を挙げて発表できる子が、いつもうらやましくて仕方なかった。

そんなわたしの性格の背景には、幼いころからの家庭環境が関係しているように思う。

思えば、物心ついたころから家族の仲があまり良くなかった。親や姉がよく口論をしていた。ときには大きな声を出してもめていた。母も姉も自分の考えを曲げないタイプだった。そして母はいつもいらいらしていた。

子どものわたしは、そういうときは、じっと隠れて口喧嘩や口論が終わるのを待っていた。それが、家族みんなが穏やかに暮らせる最善の策と思っていた。

そしてそのまま大人になった。

だから、議論そのものが苦手で、自分の考えを発表するのにもびくびくしてしまう。相手が大きな声で迫ってくると、もうそれだけで話し合いをやめたくなる。自分の意見が通るかどうかはどうでもよく、早く穏やかな雰囲気になってほしいと思ってしまう。

「千賀さんは、会議であんまり発言しないのね」

ある打ち合わせのあとで、親しくしてくださっている美代子先輩が話しかけてこられた。

「ええ、人前でしゃべるの、むかしから苦手なんです」

そう答えるのが精いっぱいだった。

こういう性格って、わたしの行動パターン、あるいは思考の"癖"になってしまっているのだと思う。もっと自分の意見を発言したほうがいいのはわかっているが、そうしようとしてもどきどきしてしまい、結局なにも言えないまま時間が過ぎてしまう。この癖を思い切って直そうと思うこともあるが、その前に口論やもめ事を避けたい気持ちが先に出て、結局いつまでも引っ込み思案の性格のままだ。

わたしが引っ込み思案である原因が、もう一つある。それは、わたしのアレルギー体質だ。

小さいころから肌が弱く、じんましんができやすい。生まれたころはアトピー性皮膚炎で皮膚科に通っていたと聞いている。今でも疲れがたまったり、強い日差しを長時間浴びたり、何か体質に合わないものを食べたりすると、じんましんが出る。急に肌が赤くなり、ぶつぶつができて目立ってしまうので、どうしても引っ込み思案になる。

そういえば美代子先輩もアレルギー体質なのか、ずいぶん鼻づまりで悩んでおられた。でも最近は鼻が通っているようで、声も鼻声ではない。美代子先輩にお尋ねしてみたところ、

「漢方薬で鼻づまりの体質を改善したのよ」

とのことだった。

さっそく美代子先輩が通っていた漢方薬局に行くことにした。


■■アレルギー体質は、改善できる■■


漢方薬局では、わたしのアレルギーに関することだけでなく、胃腸の調子やお通じ、睡眠、生理の状態、食事の好き嫌いや、神経質かいらいらしやすいかなどの性格についても細かく尋ねられた。

「先生、アレルギー体質って漢方薬で改善できるものなのですか」

「千賀さんのじんましんというアレルギーは、もとにアレルギー体質があり、そこに何か食べものなどの刺激が引き金となって作用して生じている症状です。漢方薬は、そのアレルギー体質に働きかけて改善させていく薬です」

「かゆみや赤みといった症状を抑える薬とは違うわけですね」

「ですからアレルギーとは直接関係なさそうな胃腸の調子や生理の状態も細かく伺って、千賀さんの今の体質を把握する必要があるのです」

「でも先生、体質って遺伝ではないのですか」

「体質の約3割は、おっしゃるとおり遺伝です。でも残りの7割は、その人の育ってきた環境や生活習慣によって形成されます。たとえば親がアレルギーでなくても子どもが花粉症になったり、親がアトピーでも子どもはアトピーにならなかったりということもあります」

「自分の体質の7割は自分自身の生活習慣などによって形成されるのですね」

「そうです。体質は少しずつ変わっていくものです。そして変えていくことができるものです。体質だから、とあきらめないでくださいね」

「わかりました。ありがとうございます」

「ちなみに、性格にしても同じことがいえます。たとえば一人っ子はおっとりとしていて、兄弟の多い子は負けん気が強いとか、そういうことって生まれつきの遺伝ではなく、育ってきた環境に左右される性格でしょ。久しぶりにあった友だちが堂々とした感じになっていてびっくりした、なんてこと、あるでしょ」

なるほど体質や性格って、変えていくことができるものだったのか。なんだか気持ちが前向きになってきた。さっそくアレルギー体質改善の漢方薬を飲むこととなった(漢方道の必殺技①)。


■■思考や行動の癖を直す■■


漢方薬を飲み始めてから、じんましんが出る頻度が少なくなった。3か月くらい飲み続けた時点で調子が良かったので、漢方の先生に相談してみた。

「千賀さん、よかったですね。アレルギー体質が順調に改善されつつあるのだと思います。もうしばらく続けてみて調子がよさそうなら漢方薬をやめてみるといいですよ」

「漢方薬をやめても大丈夫なのですか」

「漢方薬は体質改善の薬です。症状を抑える働きは強くありません。いま千賀さんの肌の調子がいいのは、薬が症状を抑えているからではなく、アレルギー体質が改善されつつあるからでしょう。体質の改善は少しずつです。もう少し頑張ってみてください」

ある日、美代子先輩が話しかけてこられた。

「千賀さん、アレルギーの調子、いいみたいね」

「ありがとうございます。おかげさまで順調に体質改善中のようです」

「それはよかったわ。漢方っていいでしょ。ところで千賀さんの気にしている性格も、一気に変えようとしなくてもいいのよ。きょうから急に会議でがんがん発言する人に変身しようとしても無理だしね。それよりも、漢方と同じで、やれそうなことから少しずつ変えていけばいいのよ」

「漢方と同じで、少しずつ改善ですか」

「そう、たとえば会議では毎回必ずひと言、発言するようにするとか」

「なるほど。それならきょうからでもできそうな気がします」

「会議で発言しない人がだめな人とは思わないわ。でももっと発言したいという気持ちが千賀さんにあるのなら、あるいはそうすることで会社や家族の役に立てると思うのなら、いまの自分を変えていったほうがいいわよね」

「はい、この性格は、できれば変えていきたいと思っています」

「そういう思考や行動の"癖"って、生まれつき備わっていたものじゃないわよね。千賀さんの生まれ育った環境が形づくってきたものだと思うわ」

子どものころの家庭のことが思い出された。

「だとすれば理想の思考や行動の癖も、これからの千賀さん自身の考え方次第でいくらでも身につけていくことができるってことよ」

「体質も性格も、一歩ずつ、少しずつですね」

美代子先輩とわたしはお互いににっこり笑って、それぞれの席に戻った。

よし、アレルギー体質の改善も、引っ込み思案の性格も、少しずつ、前向きに一歩ずつ改善していこう、と気持ちを新たにした。

(幸井俊高執筆 「VOCE」掲載記事をもとにしています)

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