若年性更年期障害の症例

(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高

薬石花房 幸福薬局 の漢方薬で若年性更年期障害が治った症例

こちらは症例紹介ページです。若年性更年期障害の解説ページは こちら へどうぞ


■症例1「去年の暮れに仕事の部署が変わって以来、生理周期が乱れています。ここ3カ月ほど生理が来ないので病院に行ってみたところ、若年性更年期障害の疑いがあると言われました」

33歳の女性です。新しい部署は前の部署と比べてストレスが多く、自宅に帰ってからもいらいらする日や眠れない日が増えました。生理は早く来ることもありますが、遅く来ることの方が多いようです。舌は紅色をしています。

この人の証は「肝鬱気滞(かんうつきたい)」です。身体の諸機能を調節(疏泄)する臓腑である五臓の肝の気(肝気)の流れが滞っています。ストレスや緊張の影響でなりやすい証です。肝気の流れの悪化がホルモンバランスの失調に影響を及ぼし、生理が乱れ、若年性更年期障害になっています。

生理周期が不安定、いらいら、不眠、紅色の舌などは、この証の特徴です。経血に血の塊が混じる、便秘と下痢を繰り返す、などの症状を伴う場合もあります。

この証の人に対しては、肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにしていく漢方薬で若年性更年期障害を治していきます。

服用を始めて3カ月目くらいから生理が安定して来るようになりました。その後もしばらく服用し続け、いらいらや不眠も改善されていきました。半年後の検査で若年性更年期障害の疑いはなくなりました。

■症例2「不妊治療を続けていますが、 FSH(卵胞刺激ホルモン)値が高く、閉経が近いかもしれないと言われ、焦っています」

38歳の女性です。生理周期も不安定で、たまに生理が来ても量が少なく、期間も短く、心配です。多汗や頭痛などの更年期症状もあります。白っぽい色の舌をしています。

この人の証は「血虚(けっきょ)」です。人体に必要な血液や栄養が不足している体質です。偏食など無神経な食生活、胃腸機能の低下、出血、慢性疾患などにより、この証になります。血が不足しているためホルモンバランスが乱れ、若年性更年期障害が生じます。

経血が淡紅色、髪の艶がない、爪が割れやすい、目が疲れる、などの症状がみられることもあります。

この場合は、漢方薬で血を補い、体調を調えます。

この女性は漢方薬を服用し、2カ月後から生理の量が増え始め、期間が長くなり、半年後くらいから生理が安定して28日周期で来るようになりました。翌年、自然妊娠しました。

■症例3「疲れているせいか、生理が安定せず、遅れて来ます。3カ月以上生理が来ないので婦人科に行ったところ、若年性更年期と言われました」

34歳の女性です。もう何年も残業の多い日々が続いており、過労気味です。経血は鮮血ではなく、淡紅色です。生理痛はさほど重くありませんが、量が多いので貧血気味で、疲れます。食欲はあまりありません。汗をよくかきます。白っぽい色の舌をしています。

この女性の証は「脾気虚(ひききょ)」です。消化吸収や代謝をつかさどる五臓の脾の機能(脾気)が弱く、生命エネルギーを意味する「気」が不足している体質です。過労、生活の不摂生、慢性疾患などにより気を消耗すると、この証になります。気の不足により、卵巣が十分血で潤わされず、若年性更年期障害になります。

疲労倦怠感、淡紅色の経血、月経過多、食欲不振、多汗、白っぽい舌の色などは、この証の特徴です。息切れ、軟便などの症状を伴う場合もあります。

この体質の場合は、脾気を強める漢方薬で若年性更年期障害の治療を進めます。服用を始めて少しずつ生理周期などが改善され、8カ月目から28日周期で安定して生理が来るようになりました。疲れにくくもなりました。検査の結果、若年性更年期ではないと言われました。

(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)

*執筆・監修者紹介*

幸井俊高 (こうい としたか)

東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。

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