更年期障害の症例

薬石花房 幸福薬局 の漢方治療で更年期障害が改善した症例

こちらは症例紹介ページです。更年期障害の解説ページは こちら へどうぞ


■症例1「もともと冷え症ですが、最近ひときわ寒がりになりました。とくに腰から下が冷え、水の中に座っているような感じです。下半身のむくみも気になります。胃腸の調子もよくなく、おなかが張ります。生理の量も少なくなりました。でも不正出血があります」

50歳の女性です。2年ほど前から上記のような更年期症状に悩まされています。疲れやだるさも気になります。重い感じの腰痛があります。トイレも近く、我慢すると失禁することもあります。昼だけでなく夜間も頻尿で、寝ているあいだにも2〜3回起きてトイレに立ちます。舌を見ると白っぽく、ぽっちゃりしています。

以上の症状は、女性ホルモンの低下とともに、胃腸や泌尿器科系の機能も低下して生じたものです。むくみ、頻尿など、冷えと関係が深い症状が多いのも特徴です。この場合の証は「腎陽虚」です。

五臓の「腎」は、人の成長・発育・生殖をつかさどる臓腑です。ホルモン内分泌系と深い関係があります。更年期に入り女性ホルモンが減少して「腎」の機能が低下し、冷えを伴う諸症状が現れています。

この症状以外には、髪の質の低下や脱毛、健忘、骨量の低下、血圧の上昇、動悸、息切れなどの症状が見られることもあります。

腎陽虚に使われる処方には、八味地黄丸(はちみじおうがん)があります。むくみがひどい場合は牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)がいいでしょう。この女性には牛車腎気丸を服用してもらいました。

更年期障害というとホットフラッシュなど熱感を伴う場合が多いようですが、この症例のように冷えに悩まされるケースも少なくありません。

カイロや腹巻きなどでからだの外側から温めるだけでなく、漢方薬で「」を温めてからだの内側からも対処をしてあげると、更年期をぐっと楽に過ごすことができます。

 

■症例2「去年くらいから、ほてりを感じるようになりました。最近では同時に汗も吹き出るようになり、これが更年期のホットフラッシュだと知りました。からだが熱っぽく、口の渇きやドライアイがあります」

47歳の女性です。判で押したようにきっちり28日で来ていた生理が、このところ何日か早く来たり遅く来たりします。肌の乾燥やかゆみがあります。体調がよくないときには関節痛も感じます。寝つきがわるくなり、ときどき耳鳴りやめまいがします。舌を見ると赤い色です。

この患者さんの場合は、女性ホルモンの低下とともに、体液などの水分が減少した体質になっています。これまで水分と熱が均衡していたのに水分が減ったために相対的に熱が過剰になり、上記のような症状が現れています。このような証を「腎陰虚(じんいんきょ)」証といいます。

水分が少なくて熱が多いので、手足のほてりが現れることもあります。寝ているときに布団から手足を出してしまいます。便も水分が減って硬くなり、便秘がちになります。痔になることもあります。

腎陰虚の場合、よく使われるのは六味地黄丸(ろくみじおうがん)です。水分を補い、熱とのバランスを調えていきます。

注意! ホットフラッシュで口が渇き、水分をとるのは自然なことですが、この証の場合、水をたくさん飲んだからといって、からだに水分が補われるわけではありません。
腎陰虚は、からだが水分を保持する能力が低下している体質です。飲みすぎた水分は尿などとして排泄されるだけです。
必要なのは、からだの水分保持能力を高めることです。漢方薬による腎陰虚の改善が有効です。

 

■症例3「2年ほど前から更年期症状に悩まされています。つらいのはホットフラッシュとイライラです。わけもなくイライラしてしまいます。怒りっぽくもなってしまいました。そうかと思うと急に憂うつな気分になります。自分で自分の感情をコントロールできなくて、落ち込んでしまいます」

不安感にかられて動悸がすることもあります。胃腸の調子もあまりよくなく、便秘と下痢を繰り返します。便秘のときは、コロコロとしたウサギの糞のような便になります。頭痛や肩こりもひどく、マッサージに行っても、そのときに少し楽になるだけで、またすぐ元の状態に戻ります。

この患者さんの場合は、更年期に入って自律神経系や情緒が不安定になっているようです。自律神経系や情緒の安定と関係が深い五臓の「肝」の機能がスムーズで伸びやかではない状態ですので、このような証を「肝気鬱結(かんきうっけつ)」証といいます。

「肝」の機能は、精神的なストレスや緊張、不安、環境変化などで乱れますが、ホルモンバランスの急激な変化にも影響を受けます。更年期は年齢的に家庭でのストレスや疎外感、それに将来に対する不安なども強くなる時期です。そういう要因が重なって「肝」の機能が不安定になると上記のような更年期症状が現れます。

このような場合、一般に使われることが多いのは加味逍遙散(かみしょうようさん)です。肝の機能を安定させ、かつ熱証を取り除いてくれますので、ホットフラッシュなど熱証をともなう場合に適しています。もしさらに、めまいや頭痛などの症状もある場合は、女神散(にょしんさん)が効果的です。

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★症例と似た症状でも違う処方がふさわしい場合もあります。漢方薬を試したけれど効果が出ない場合などは、信頼できる専門家に相談することをお勧めします。
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以上の症例は「日経DIオンライン」に幸井俊高が執筆した以下の記事にも掲載しています。
更年期の基本的な考え方と証
のぼせホットフラッシュの考え方と漢方処方

自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気を治し、症状を改善してくれる漢方薬は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要です。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や病状により、使う処方が異なるからです。

 

そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

あなたに最適の漢方薬に出会う秘訣は、信頼できる漢方の専門家の診察(カウンセリング)を受けることです。

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