漢方でニキビ治療したら、体形もスリムに!

幸井俊高執筆・・・薬石花房 幸福薬局(東京 帝国ホテル内漢方相談薬局)の症例をもとにした漢方ストーリー

以下は、頑固なニキビが気になる客室乗務員の女性が漢方でデトックス。ニキビだけでなく便秘やむくみも取れて体重も減ってスマートになった話です。当薬局の実際の症例をもとに、物語風に描きました。
同じようなお悩みでお困りの方は、あきらめず、どうぞお気軽に薬局までお問い合わせください。
(登場人物は実在の人物とは関係ありません。)

■■なかなか消えない頑固なニキビ■■


勤務時間が不規則なので、帰る時間が遅くなることが多い。夜遅くにひとりで鍵を開けて真っ暗な一人暮らしの部屋に帰ることも少なくない。部屋の空気が冷えきっている夜など、寂しいものである。

でもきょうは違う。母がうちに来ている。久しぶりに東京に来て、うちに泊まっている。帰宅は夜9時を回っていたが部屋に明かりがついていて、呼び鈴を鳴らすと、母が、野菜の煮えるおいしそうな匂いとともに玄関から出てきた。

「友紀菜ちゃん、おかえり」

「ただいま、お母さん。やっぱり、いいなあ、こういうの」

ヒールを玄関で脱ぎ捨ててソファに直行し、そこでごろんと横になった。台所からコトコトという鍋の蒸気の音がしている。部屋の湿度が上がって肌にやさしく感じる。母が玄関の鍵を閉め、そこに置いたままのキャリーバッグを抱えて居間に戻ってきた。

「けっこう重いのね、これ。たいへんね、スチュワーデスって」

「お母さん、持ってこなくていいのに。ありがとう」

さっそく部屋着に着替えて缶ビールを開け、母と二人で乾杯し、食事を始めた。

「お父さんは、元気?」

「うん、元気よ。でも部下がなかなか成長してくれないって、このごろ言っているわ。教えたことは一応できるようになるけど、その先の伸びがないって。やる気というか、心というか、精神的な才能が最近の若い人には伝わらない、ある程度のレベルから伸びないって、お父さん、よく嘆いているわよ」

「うちの会社も、そういう人が多いかも」

「話は変わるけど、友紀菜ちゃん、ニキビ増えたんじゃない?」

さすが母である。社会人になって一人暮らしを始めてからニキビが増えた。

学生時代にも髪の生え際やほほに小さいのが少しあったが、いまは場所が変わってフェースラインにたくさんある。こめかみから耳の前あたり、それからあごの線に沿って、赤く大きいニキビができる。ニキビのできる場所が下にさがってきている感じで、年齢を感じてしまう。

仕事の関係もあるのか、肌は乾燥している。くすみや目のくまも気になる。ニキビ跡も消えにくく、いつまでも残っている。  皮膚科で塗り薬や抗生物質などを使った治療をすると、そのときはある程度改善されるが治療をやめるとまた元のようにニキビができてしまう。

仕事中は髪を後ろに束ねるので、ニキビが目立つ。いつもお客様にニキビを見られているような気がして、ニキビのことばかりが気になる。その結果、のびのびと業務に集中できず、笑顔もぎこちなく作ってしまうことになる。

お父さんの言うように、上司に言われたことだけをするのではなく、自分から理想とする客室乗務員の姿に近づこうと思うのだが、仕事に集中できない状況だ。

「あまり気にしなくていいわよ、友紀菜ちゃんが心配するほど目立たないわよ」

「ありがとう、お母さん」

きょうは久しぶりに野菜たっぷりの夕食をいただいた。からだが温まり、胃も調子よく、心地よい。こういう食事をしていれば、ニキビも早く治るだろうに。

「そういえば、お隣の涼子ちゃん、一時体調を崩していたのが漢方薬で元気になって、なんだかお仕事も順調にいくようになったみたいよ。友紀菜ちゃんも漢方、試してみれば?」

そういえば漢方薬を飲んでいる先輩も多い。さっそく漢方薬局に行ってみることにした。


■■漢方薬でデトックス■■


漢方薬局では30分くらい時間をかけて、先生がニキビのことだけでなく、それ以外の体調についても詳しく聞いてくださった。ニキビが赤く大きく、しかも化膿しやすいこと、それにむくみやすいこと、お通じの調子が良くないことなどから、わたしは"ため込みやすい体質"とのことだった。

「漢方は"捨てる医学"といわれることもあるくらいで、元気や栄養を補うことと同じくらい、体内にたまった余分なものを捨てることも重視しています。友紀菜さんのように"ため込みやすい体質"を改善していくのに、そういう漢方の"捨てる"力が効果を発揮します」

「漢方薬でデトックス、ということですね」

「漢方には"解毒"という概念が古くからあり、これがまさに現代のデトックスに相当します。からだにたまった余分なものをデトックスしていきましょう」

「ニキビもデトックスで治っていくのですね」

「友紀菜さんのように赤く大きく化膿しやすいニキビの場合は解毒、つまりデトックスをメインに考えるといいでしょうね。便秘やむくみもデトックスで改善していきましょう」

そもそもニキビは毛穴に皮脂がたまり、そこで慢性的な炎症が生じている状態とのこと。毛穴にはアクネ桿菌などの細菌がいつも住んでおり、そこで皮脂の分泌が盛んになったり、肌の角質層が硬くなって毛穴がふさがったりすると、ニキビができる。

とくに皮脂の分泌が多く、そこで細菌の活動が活発になると、炎症が起こってニキビが大きく赤くなる。乾燥肌の場合は角質層が硬くなっているので毛穴の出口が狭くなっているために毛穴から皮脂が出にくくなっており、その結果、毛穴に皮脂がたまりやすく、乾燥肌でもニキビができるのだそうだ。

「薬に任せっきりにするのではなく、日常生活の改善も大切ですよ。暴飲暴食、たばこ、夜更かし、運動不足、といった生活を続けているようでは、どんな薬を使っても、ニキビを根治することはできないでしょうね」

「病気を治したい、という意識が大切ですね」

「慢性的な病気を治すには、精神的な部分が大事になります。自分で病気を治すんだ、という気持ちですね」

なんだか、父の言っていることと同じだ。

さっそく余分なものを捨てるデトックス漢方薬を飲むこととなった(漢方道の必殺技②)。


■■ニキビ跡もきれいに消滅■■


ニキビは、漢方薬を始めて4か月目くらいから減り始めた。さらに数か月後には、ニキビ跡も残りにくくなり、きれいになった。

ニキビだけでなく、むくみも気にならなくなり、おまけに体重も減ってスマートになった。お通じの調子もいい。とくに運動するようになったわけでもないので、これらも漢方のデトックスの効果なのだと思う。

仕事でも、ニキビのことがいつも気になっていたのが、いまではそんなコンプレックスもなくなり、自然な笑顔でお客様に接することができる。愛される客室乗務員になってお客様に満足していただきたい、という気持ちにまっすぐ集中できる気がする。  先日、久しぶりに実家に帰ったときに、父に言われた。

「友紀菜、ずいぶん社会人らしくなったな」

「お父さん、ありがとう。最近、仕事に対する前向きな気持ちがふくらんできた気がするわ。同じ仕事をするのでも、気持ち次第でずいぶん違うわね。お客様の反応もいいし、自分も仕事が楽しいし、とても充実しているわ」

「それはよかったな」

父はうれしそうに目を細めて、うなずいてくれた。

母も、言ってくれた。

「友紀菜ちゃん、このまえ会ったときと比べて、ニキビがずいぶん目立たなくなったわね」

「あれから漢方を飲んでいるの」

「あら、よかったわね。お母さんにしてみれば、あのくらいのニキビ、まだ学生のときの友紀菜ちゃんみたいで可愛かったんだけど」

「ありがとう、お母さん。でも漢方薬がよく効くみたいで、せっかく可愛いって言ってくれるニキビだけど、今度帰ってくるときには、すっかりなくなっていると思うわよ」

(幸井俊高執筆 「VOCE」掲載記事をもとにしています)

あなたに合った漢方薬がどれかは、あなたの体質により異なります。自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶようにするのがいいでしょう。→当薬局について

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★ 漢方道・四つの必殺技 ★
「補う」・・・ 足りない元気や潤いは、漢方薬で補いましょう。
「捨てる」 ・・・体にたまった余分なものは、漢方薬で捨てましょう。
「サラサラ流す」 ・・・漢方の力で血液や気をサラサラ流し、キレイな体内を維持しましょう。
「バランスを調える」・・・内臓機能のバランス・心身のバランス・ホルモンのバランス - 漢方の得意技はバランスの調整にあり。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気を治し、症状を改善してくれる漢方薬は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要です。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や病状により、使う処方が異なるからです。

 

そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

あなたに最適の漢方薬に出会う秘訣は、信頼できる漢方の専門家の診察(カウンセリング)を受けることです。

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