膝の痛み

◆つらい膝の痛みは漢方でも改善できる


当薬局では膝の痛みの漢方治療のご相談をお受けしています。

膝の痛みが改善した漢方治療の症例は こちら

ひざの痛みに悩んでいる方は少なくありません。痛みを引き起こす原因には次のような要因があります。

変形性膝関節症・・・関節のクッションの役割を果たす軟骨がすり減り、関節が変形
関節リウマチ・・・免疫機能の異常によって関節の組織が炎症を起こし、関節が変形
筋力の低下
習慣的な長時間の立ち仕事
体重の増加による膝への負担の増加
加齢に伴い膝の関節が脆弱になり、周りの筋肉が衰え、膝への負担が増した状態

西洋医学では筋力強化指導、装具の装着、注射、鎮痛薬などを用いて痛みを和らげ、改善しない場合には手術が行われることもあります。

接骨院、鍼灸治療院、リハビリ、各種トレーニングの専門家なども、それぞれの方法で膝の痛みに対処します。

自分に合った方法を見つけ、膝に無理な負担がかからないように体を変えていくことができれば痛みも出なくなっていきます。

しかしどうしても痛みが生じてしまう場合、漢方薬で痛みを和らげる方法があります。どのような考え方で痛みを改善できるのか、以下に解説します。

(漢方で膝の痛みが改善した症例紹介ページは こちら

◆気・血・津液の停滞や不足が痛みを引き起こす

漢方では、痛みは(けつ)・津液(しんえき)など人体の構成成分の流れと深い関係にあると捉えています。気は生命エネルギーに近い概念、血は全身を滋養する血液や栄養、津液は体内の水液を指します。

まず流れについては、中医学に「不通則痛(ふつうそくつう)」という言葉があります。「通じざれば、すなわち痛む」と読みます。体内での気・血・津液の流れがスムーズでないと痛みが生じる、という意味です。

気・血・津液が体内をさらさら流れていれば、私たちは健康ですが、それらの流れが悪くなると、痛みが生じます。

量については、「不栄則痛(ふえいそくつう)」という原則があります。「栄えざれば、すなわち痛む」と読みます。

人体にとって必要な気・血・津液が不足すると痛みが生じる、という意味です。気・血・津液の流れが悪い場合だけでなく、量の不足によっても痛みが発生することを表現しています。

エネルギーや栄養、潤いが十分供給されないと、その部分が正常に機能できず、痛みが生じます。

筋肉や関節にしびれや痛み、運動障害などが生じる証を、中医学で「痺証(ひしょう)」といいます。人体にくまなく分布している経絡(けいらく)が邪気によって塞がれて閉じ、気・血・津液の流れが妨げられ、筋肉や関節の疼痛やしびれが表れる証です(不通則痛)。

経絡は、人体の基本的構成成分である気・血・津液が運行する通路で、人体を1つの有機体として結びつけ、生命活動を機能させています。健康であるとき、経絡の流れは潤滑ですが、流れが滞ると、痛みが生じるなど、体調を崩します。

痺証は基本的に、気・血・津液が不足して経絡が空虚になっているときに生じやすい証です(不栄則痛)。痺証を引き起こす邪気には、風邪(ふうじゃ)、湿邪、寒邪、熱邪などがあります。


◆膝の痛みによくあるタイプ・・・あなたはどれ?

<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>

漢方の特徴は、鎮痛剤のように薬の力を借りて一時的に痛みを感じさせなくする対症療法ではなく、ひとりひとりの痛みの背景にある体質的原因を改善していくという点にあります。
したがって漢方薬は、鎮痛剤のように一律な使い方をするのではなく、同じ膝の痛みに対しても、背景にある個人個人の体質によって処方が異なってきます。
自分にベストの処方を選ぶには、専門家に相談することをお勧めします。


(1)「湿痺(しっぴ)」証

膝が重だるく、固定性のしびれや痛みが生じているようならこの証です。

湿邪(からだに害を及ぼす余分な水湿)による痺証です。湿邪が盛んなため、重く滞り停滞しやすく、固定性で重だるい痛みを呈するという湿邪の性質が表れます。

手足の重だるさ、動かしにくさ(関節の運動障害、こわばり)、むくみ、皮膚のしびれなどを伴います。関節に水がたまり(関節液)、腫れることもあります。

梅雨などの湿度の高い季節や環境、低気圧の接近などで症状が悪化します。朝起きたときなど、動き始めるときに痛むのも特徴です。湿痺のことを着痺(ちゃくひ)ともいいます。

→ 湿邪を除去する漢方薬で、膝の痛みを治します。


(2)「寒痺(かんぴ)」証

強い固定性の痛みがあり、特に冷えた環境などで痛みが悪化するならこの証です。

寒邪(からだに害を及ぼす寒気)が侵入することにより生じる痺証です。

寒邪は気血を凝滞させやすいため、固定性の激しい疼痛が生じます。局所や全身に冷えを感じます。

痛みは、寒い日や冷房の効いた場所などで冷えると強くなり、お風呂に入るなど、温めると楽になります。寒痺のことを痛痺(つうひ)とも呼びます。

→ 寒邪を除去する漢方薬で、膝の痛みの治療を進めます。


(3)「熱痺(ねっぴ)」証

患部の発赤、熱感、腫脹などが顕著ならこの証です。

熱邪(からだに害を及ぼす熱気)による痺証です。熱邪が強いため、発赤や熱感などの熱証が表れます。症状は冷やすと軽減します。

→ 熱邪を除去する漢方薬で、膝の痛みを治します。


(4)「風痺(ふうひ)」証

痛みが移動性で、あちらこちらと移動しやすい場合はこの証です。

風邪(風の性質を持つ邪気)による痺証です。

風邪が経絡をおかすため、疼痛、しびれ、運動障害などの症状は多発性で、その部位は遊走し、固定されません(これらが風邪の特徴です)。風痺のことを行痺(こうひ)とも呼びます。

→ 風邪を除去する漢方薬で、膝の痛みの治療を進めます。


(5) 「腎陽虚(じんようきょ)」証

加齢に伴い生じた膝の痛みならこの証です。

の陽気が不足している体質です。

腎は、生きるために必要なエネルギーや栄養の基本物質である精(せい)を貯蔵し、人の成長・発育・生殖をつかさどる臓腑です。また「水、骨、納気をつかさどる」臓腑として、体液の代謝全般の調節、骨の形成、呼吸(特に吸気)をつかさどる機能もあります。

従って、この証になり、腎の機能(腎気、腎陽)が衰えると、骨に異常が生じます。

加齢とともに生じやすい証ですが、加齢だけでなく、過労、生活の不摂生、慢性疾患による体力低下などによっても人体の機能が衰え、冷えが生じてこの証になります。

→ 腎陽を補う漢方薬で、膝の痛みの治療を進めます。


(6) 「血虚(けっきょ)」証

しびれ感や筋肉のひきつりなどの症状が顕著ならこの証です。

血虚は、血(けつ)が不足している証です。

血の不足により組織が十分に滋養されず、しびれや筋肉のひきつりが生じます。

→ 漢方薬で血を補って膝の痛みを治します。

◆膝の痛みに効果的な漢方薬


桂枝加朮附湯、桂枝加苓朮附湯、防已黄耆湯、薏苡仁湯、麻杏薏甘湯、疎経活血湯、白虎加桂枝湯、越婢加朮湯、防風湯、八味地黄丸、牛車腎気丸

あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。

自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。

どうぞお気軽にご連絡をください。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気を治し、症状を改善してくれる漢方薬は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要です。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や病状により、使う処方が異なるからです。

 

そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

あなたに最適の漢方薬に出会う秘訣は、信頼できる漢方の専門家の診察(カウンセリング)を受けることです。

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