喘息の症例
薬石花房 幸福薬局 の漢方薬で喘息が改善した症例
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■症例1「子どものころから、気管支喘息です。中学のころに一旦治りましたが、20代になってから、また発症しました。疲れやすく、あまり元気がありません」
小さいころから疲れやすく、おとなしい子でした。食が細く、軟便気味です。白い痰が出ます。疲れがたまったときや、季節の変わり目などに、息が苦しくなり、喘鳴が生じます。ぽってりと大きめの白い舌の上に、白い舌苔がべっとりと付着しています。
この人は、飲食物を消化吸収して気・血・水液を作り出す五臓の「脾」の機能が弱いため痰が生じているタイプです。その痰が肺に溜まって、喘息体質になっていると考えられます。
疲れやすい、元気がない、食欲減退、軟便、白い痰、白くて大きめの舌、べっとりとした白い舌苔などが、よくある特徴です。小児喘息に比較的多いタイプです。声に力がない、排便の回数が多い、などの症状もしばしばみられます。
このタイプにはを強めて消化吸収機能を向上させ、痰を除去していく漢方薬を用います。この人は漢方薬を服用して2カ月目くらいから痰があまり出なくなってきました。次第に食欲も出てきて、便の形もよくなり、翌年には季節の変わり目でも喘息の症状が出なくなりました。
■症例2「季節の変わり目などに、咳や喘鳴など、喘息の症状が出ます。寒がりで、すぐかぜを引きます。かぜを引いた後も、喘息の症状だけが長く残ります」
息が浅く、よく息切れをします。痰は粘り気があり、あまり出ません。舌は乾燥気味で、舌苔はあまり付着していません。
この人は、五臓の「肺」の機能(肺気)が不足している喘息体質です。肺には、気と水液を全身の隅々に散布し、さらに呼吸を調えて水液を次第に下方に押し進める機能があります。これらの体液調節機能が衰え、痰が肺にたまり、喘息体質になっていると考えられます。
このタイプの場合は、肺気を補う漢方薬で水液の流れを正常化させ、喘息を治します。
この人の場合は、痰が粘る、舌が乾燥している、舌苔が少ないなど肺の潤い不足の傾向もみられたので、肺気と同時に肺の潤いも補う漢方薬を用いました。半年後には、かぜを引きにくくなってきました。1年後には、季節の変わり目でも、喘息の症状が出なくなりました。
■症例3「30歳になってから喘息になりました。無理して活動すると、息が苦しくなります。疲れやすく、寒がりです」
社会人になってから、昼も夜もなく猛烈に働き続けました。そして気が付くと、疲れ果て、体力がなくなっていました。寒がりにもなってしまいました。喘息だけでなく、自律神経失調症にもなり、会社に相談して仕事の量を減らしました。自律神経失調症は治りましたが、喘息は続いています。耳鳴りや、足腰のふらつきもあります。舌も舌苔も白く湿っています。
この人は五臓の「腎」が衰えたです。腎は、生きるために必要なエネルギーや栄養の基本物質である「精(せい)」を貯蔵し、人の成長・発育・生殖をつかさどる臓腑です。体液の代謝全般の調節も担います。この腎が、過労により弱ってしまっています。その結果、体液代謝の調節機能が衰えて痰がたまり、喘息体質になったと考えられます。
疲れやすい、寒がり、耳鳴り、足腰のふらつき、白く湿った舌や舌苔などがよくみられます。頻尿、むくみなどの症状がみられる場合もあります。
このタイプには、腎の機能を補い、体液代謝のサイクルを正常化する漢方薬を用います。この人は、漢方薬を服用して1年後には、ある程度無理をしても喘息の症状が出なくなりました。体調が良く、丈夫で元気になってきたので、その後も漢方薬を服用しています。
■症例 4 「32歳の女性で、季節の変わり目を中心に軽い喘息症状が出ます。毎日というわけではありませんが、低気圧が近づいているときや電車で強い香水のにおいをかいだときなどに突然咳き込んで止まらなくなり、ヒューヒューという呼吸になります。」
この女性の場合は体質的に呼吸器系がもともと弱く、ややアレルギー体質でもありましたので、半夏、陳皮、麻黄、杏仁、桑白皮などの生薬が適していました。
軽症のうちに漢方薬で体質改善を始めたため4ヶ月間の服用で症状はまったく出なくなり、その後3年経ちますが経過は順調です。喘息は軽い症状でも長い年数のうちに重症化し慢性化していく可能性が高いので、早目から体質改善などをしたほうがいいでしょう。
■症例5 「35歳の男性の例です。10年来の慢性的な気管支喘息で、気管支拡張剤の吸入と内用薬が手放せません。疲れがたまったり、冷気にふれたりすると、呼吸が苦しくなります。薬の服用をおこたると、喘鳴とともにあえぐように肩で息をするような状態です。横になると呼吸が苦しいために夜中でも起き上がることがあります。」
このかたは顔色が悪く手足の冷えもあり、基礎的な体力や抵抗力も衰えている状態でした。熟地黄や黄耆、麦門冬、五味子などの漢方生薬で精力や呼吸器系の機能の改善を続けた結果、一年後には、必要とされる気管支拡張剤の量や服用回数がおよそ半減しています。
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以上の症例は「日経DIオンライン」に幸井俊高が執筆した以下の記事にも掲載しています。
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