坐骨神経痛(体験談)

坐骨神経痛が漢方で治った体験談

(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高

坐骨神経痛が漢方薬で治った成功例を紹介します。漢方では、患者さん一人一人の体質に合わせて、処方を決めます。患者さん一人一人の体質に合わせて処方を決め、治療を進めるのが漢方治療の特徴です。

(こちらは症例紹介ページです。解説ページはこちら

血流の悪化と関係する坐骨神経痛を治療した症例

「お尻から太ももにかけて、足の後ろ側がぴりぴり痛みます。夜じっとしていてもお尻や足がじんじん痛くなって眠れないこともあります」

痛みは、午前中より午後になるにつれて悪化します。冷えのぼせがあります。月経痛が強く、毎回鎮痛薬を服用します。舌には、やや紫色の斑点が薄くみられます。

この患者さんは、血流が滞りやすい体質です。漢方で「血瘀(けつお)」といいます。血流の停滞により、坐骨神経痛が生じているのでしょう。夜間に痛みが増す、冷えのぼせ、月経痛、舌の紫色の斑点などは、この体質の特徴です。

この体質の場合は、血の流れを改善する漢方薬で血瘀を除去し、坐骨神経痛を治療します。この患者さんには、芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)などを服用してもらいました。服用を始めて1か月後、痛みが緩和されてきました。2か月後、痛みで夜に眠れないことはなくなりました。5か月後、坐骨神経痛はほとんど気にならなくなりました。月経痛も軽くなり、月経のたびに鎮痛薬を飲むこともなくなりました。

舌の紫色の斑点など血瘀の症状が顕著な場合は、芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)などを用います。

しびれが強いタイプの坐骨神経痛を漢方治療した症例

「太ももの裏側からふくらはぎにかけて、しびれます。長いあいだ立っていると、しびれがひどくなり、ときに痛みます」

疲れやすく、よく立ちくらみがします。頭がぼうっとすることがあります。手足や腰が冷えます。健康診断ではよく貧血を指摘されます。舌の色は白っぽく、その上に白い舌苔が付着しています。

この患者さんは、血液が持つ滋養作用を意味する血(けつ)の働きが弱い体質です。漢方で「血虚(けっきょ)」といいます。血の不足により神経や筋肉がじゅうぶんに滋養されないと、その部分が正常に機能できないため、痛みやしびれが生じ、坐骨神経痛となったのでしょう。

この体質の場合は、漢方薬で血(けつ)を補うことにより、坐骨神経痛を治療します。この患者さんには、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などを服用してもらいました。服用を始めて1か月後、手足や腰の冷えが緩和されてきました。しびれも軽くなってきました。4か月後には、しびれを感じることはほとんどなくなりました。

こわばりや重だるい痛みを伴う坐骨神経痛の漢方治療症例

「足全体に重だるい痛みがあります。腰もこわばったように痛みます。とくに朝起きたときなど動かし始めるときに痛みます」

梅雨などの湿度の高い季節や、低気圧の接近などで症状が悪化します。温めると痛みが少し軽減します。舌には白い舌苔がべっとりと付着しています。

この患者さんは、湿り気を伴った病邪(湿邪といいます)が坐骨神経に侵入することにより生じた坐骨神経痛のようです。漢方で「着痺(ちゃくひ)」といいます。重だるい痛み、こわばり、動かし始めの痛み、湿度の高い季節や低気圧の接近による症状の悪化、べっとりと付着する舌苔などは、この体質の特徴です。

この体質の場合は、漢方薬で湿邪を除去していくことにより、坐骨神経痛の治療にあたります。この患者さんには、五積散(ごしゃくさん)などを服用してもらいました。服用を始めて2か月後、朝起きたときの痛みが軽くなりました。3か月後、腰痛も軽くなってきました。半年後には、足全体の重だるい痛みがほとんど気にならなくなりました。

(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)

*執筆・監修者紹介*

幸井俊高 (こうい としたか)

東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI:ドラッグインフォメーション)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。

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