「リバウンドの女王」が漢方で汚名返上
(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高)
以下は、リバウンドを繰り返すダイエットの悩みを解決したOLの物語です。薬石花房 幸福薬局の実際の症例をもとに、物語風に描きました。
同じようなお悩みでお困りの方は、あきらめず、どうぞお気軽に薬局までお問い合わせください。
(登場人物は実在の人物とは関係ありません。)
◆「太りにくい体質」になりたい!
「やっぱりおいしいわね、このレストラン」
良恵が勤める会社の近くにあるこのイタリアンレストランは、夜は高級で週末には予約が必要なほどの有名店であるが、ランチタイムにはリーズナブルな値段でおいしいパスタセットやランチメニューを出してくれる。店の人たちも元気で気持ちがいい。良恵はここのクリームソースのスパゲッティが大好きだ。
きょうは同期の麻美と久しぶりにこのレストランにお昼を食べにやってきた。
「ほんと、おいしいわね。良恵、相変わらずしょっちゅう来てるの?」
「ううん、全然よ。きょうも2カ月ぶりくらいかな。元気で健康で、太る心配もなく、おいしいものを食べられるっていうのは幸せなことね」
2年前の良恵は、身長159センチで体重が62キロ。学生時代は50キロ台前半だったのに、就職してから体重がじわじわと増加した。
大学時代から一人暮らしというせいもあり、食事の内容はあまり自慢できるものではなかった。まず朝はあまり食べないで家を出ることが多かった。 昼は外食がほとんど。営業で外に出ているときはひとりでファストフード店で済ますことも少なくなかった。
夜も残業の関係で、会社の仲間と外食で済ませたり、コンビニなどでお弁当を買って帰って自宅で食べることも多かった。
間食も多かった。夜ひとりで自宅にいるときは、寝る前についつい甘いものを食べてしまう生活だった。会社の引き出しには、おやつが豊富に入っていた。
もちろんダイエットにも何度も挑戦した。しかし一時的に体重が落ちることはあっても必ずリバウンドし、友だちからは「リバウンドの女王」と呼ばれるありさまだった。そして気がつけばその体重になっていた。
そんなある日のことだった。一緒にランチにパスタを食べていた麻美がわたしにこう言った。
「良恵って、ダイエットをするたびに、太りやすい体質になってきてるんじゃない?」
がーん。
そうかもしれない。
「良恵も体質改善したほうがいいかもよ」
当時、麻美は漢方薬を飲んで体質改善し、見事にPMSを改善したところだった。
さっそく麻美に漢方薬局を紹介してもらい、カウンセリングに出かけた。
漢方の先生の前に座って、わたしは言った。
「先生、太りにくい体質になりたいんです」
◆間違ったダイエット法では必ずリバウンドする
先生は、まあまあ落ち着いて、という穏やかな笑顔でわたしに質問を始めた。
「体重が増え始めたのは就職してからですね」
「はい、そうです。いろいろとダイエットもしたんですが、必ずリバウンドして、うまくいきません。なんとか漢方で体質改善できないかなと思いまして」
「漢方を飲んでも、食べすぎで運動不足では、なかなかやせませんよ。なにも極端な食事制限や激しい運動を取り入れる必要はありませんけどね。でもある程度は食事に気を配らなくてはなりませんよ」
大好きなクリームソースのスパゲッティや、食べる機会の多いファストフード、コンビニ弁当、甘いおやつや菓子パンなどが頭のなかに浮かんだ。
「ところで、これまでどのようなダイエットをしてきましたか?」
「えっと、りんごダイエットとか、こんにゃくダイエットとか」
「ああ、そればっかり食べる、いわゆる単品ダイエットですね」
「はい、そうです」
「単品ダイエットの場合、一時的に体重が減ることはありますけど、栄養のバランスが悪くなりますので、からだがみずから脂肪をためこみやすいかたちに変身して体脂肪率が増えます。だからリバウンドしやすいのです。栄養状態がわるいので、肌荒れやむくみの原因にもなりますよ」
「そういえば、ダイエットするたびに肌荒れがひどくなったり、むくみが取れにくくなったりしました。体質がどんどんわるくなっているような感じで」
「そうでしょ。ちゃんと食べないと、きれいにやせませんよ。ほかにはどのようなダイエットをしましたか?」
◆過激なダイエットは禁物
「食事の量を極端に減らして体重を落とそうともしました。1カ月で6キロやせたときはうれしかったですけど、食事制限を続けることができずにダイエットをやめたら、体重はあっという間に戻って、もとの体重よりも増えてしまいました」
「食べる量を減らせば体重が減るのは当たり前です。でも長続きしませんよね。それに大事なことですが、栄養の摂取量が少ないと、からだは少ない栄養で活動できるように、みずから基礎代謝を減らす方向に変化します」
基礎代謝が減るということは、消費カロリーが少なくなるということである。
「つまり過激な食事制限を続けると、脂肪がつきやすく、太りやすい体質になるのです。逆効果ですね」
「なるほど。ほしいのは、太りにくい体質ですものね」
「そうです。そのためには過激なダイエットではなく、ちゃんと食べて基礎代謝を高め、脂肪が燃えやすいからだを作る必要がありますね。それに、からだに必要な滋養分をちゃんととるようにしないと、からだのいろいろな機能が落ちて、弱々しい体質になってしまいますよ。たとえば肌は老化しますし、外からは見えませんが内臓も老化が早まります。生理不順になったり、髪の毛の質が弱くなったりします」
「先生、そういえば過激なダイエットをしたあと、生理が止まりました」
「そうでしょ。よくある話です。無理なダイエットは、一時的に体重は落ちますが、長い目でみると絶対よくないですよ」
「そういうことですね」
「植物だって、きれいな花を咲かせるためには、ちゃんと栄養をあげないとだめでしょ。それと一緒で、『きれいにやせる』ためには、きちんと食事をとることが大事ですよ」
わたしの場合、ダイエットを繰り返してきた結果、代謝能力を含め、からだの機能が低下したままになっているそうだ。だから、そんなに食べすぎているわけではなくても体重が増えてしまうとのことだ。
こういう場合は、漢方薬でからだに元気を補って代謝などの機能を高めることにより(漢方道の必殺技①)、余分な脂肪をどんどん分解していくことのできる体質をつくる。
いわば「太りにくい体質」をつくる漢方薬である。
「でも先生、きちんと食べるとはいっても、量には気をつけて、ということですよね」
「そうですよ、食事の質も量もきちんと、です。基本は、米をしっかり食べることです。ハンバーガーなどのファストフードや菓子パンではなく、ご飯です。できれば玄米」
「おかずは、カロリー少なめ、ですね」
「そう、お味噌汁と野菜の煮物など、和食を食べるようにしておけば、まず間違いないですよ。あとは、よくかんで食べること、間食はしないこと、などですね。運動も、歩くだけでもいいので、なにか始めるといいでしょう」
「わかりました。せっかく漢方を始めるので、がんばってみます」
そうですね。コツとして、毎日体重を量るといいですよ。ついつい気がゆるみがちなダイエットも、体重計と向き合うことで継続できます。記録したりグラフにしたりするといいでしょう」
◆大好きなものを食べるためにも
さらに具体的な「太りにくい体質」づくりの方法の参考に、と先生が薦めてくれた本を見ると、「短期間少食法」という方法が載っていた。2週間と期間を決めて、からだの機能を回復させる方法のようだ。
「まずはその短期間少食法で、本来の食生活を思い出してください」
その後、わたしは漢方薬と生活習慣の改善を続けた。クリームソースのスパゲッティも、しばらく我慢することにした。
そのかいあって、1年後には体重が52キロになった。一年で10キロのダイエットができた。
減量だけではなく、肌の調子もよくなった。
「先生、体重だけではなくて、からだ全体の健康が大事ですね。漢方を飲み始めて、よくわかりました。もうちょっと体重を落としたい気もしないではないですが、からだが重い感じもないし、肌の調子もいいし、生理もきちんと来ているので、このくらいがベストかな、って思っています」
「よかったですね。一年前よりもずっと若々しいですよ。もう体質改善できたでしょうから、大好きなクリームソースのスパゲッティをときどき食べても大丈夫ですよ。好きなものを食べることは、心の栄養にもなりますからね」
「ありがとうございます。おかげさまで、『きれいにやせる』ことができました」
その後、漢方薬の服用はやめたが、体重のリバウンドは起こっていない。これで「リバウンドの女王」の汚名も返上だわね。
★ 漢方道・四つの必殺技 ★
| ① 補う | 足りない元気や潤いは、漢方薬で補いましょう |
| ② 捨てる | 体にたまった余分なものは、漢方薬で捨てましょう |
| ③ サラサラ流す | 漢方の力で血液や気をサラサラ流し、キレイな体内を維持しましょう |
| ④ バランスを調える | 内臓機能のバランス・心身のバランス・ホルモンのバランス - 漢方の得意技はバランスの調整にあり |
(出典:講談社「VOCE」連載コラム「ビューティ漢方道」幸井俊高(薬石花房 幸福薬局)著)
*執筆・監修者紹介*
幸井俊高 (こうい としたか)
東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。
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