代謝アップで減量・漢方を選んだ邦子の場合

幸井俊高執筆・・・薬石花房 幸福薬局(東京 帝国ホテル内の漢方相談薬局)の症例をもとにした漢方ストーリー


以下は、「食べなくてもやせない」悩みを解決したOLの物語です。薬石花房 幸福薬局の実際の症例をもとに、物語風に描きました。

同じようなお悩みでお困りの方は、あきらめず、どうぞお気軽に薬局までお問い合わせください。
(登場人物は実在の人物とは関係ありません。)


◆たくさん食べるわけではないのに太る


体重計に乗ったのは久しぶりのことだった。

それは学生時代の友だち数人と、一泊の温泉旅行に出かけたときのことだった。懐かしい仲間との久々の再会で、行きの電車の中からおしゃべりに花が咲き、おやつを食べたりビールを飲んだり、学生時代に戻ったように大はしゃぎだった。

宿に着き、さあ温泉につかるぞ、とウキウキした気分で大浴場に入ろうとしたとき、更衣室に置かれた体重計が目についた。せっかくだから、とその体重計に乗ったのはいいが、その体重計の示す数字を見て、驚いた。ふだんの生活で、それほど太ったという自覚はなかった。

でも鏡を見ると、たしかに学生時代より顔が丸みを帯びていた。お腹まわりも脚も、ゆるんだ感じになっている。ためしに自分のお腹の贅肉をつまんでみた。これはやばい、と思った。

年のせいかな、と思おうとした。しかし一緒に温泉に来ている春菜を見ると、たるんだ感じはしない。年のせい、という仮説は否定された。

運動不足のせいかもしれない、と思った。毎日、会社では座りっぱなしで一日じゅうパソコンに向かっている。学生時代にはテニスのサークルに入っていたが、社会人になってからは運動をする機会がめっきり減った。日ごろの運動不足がうらまれた。

「ねえ春菜、最近、運動してる?」

温泉に一緒に浸かっている春菜に聞いてみた。春菜は相変わらずウキウキ気分でにこにこしながら言った。「運動? ぜーんぜん」

運動しなくても、太らない人は太らないのか。運動不足説も、崩れ去った。

そうだ、食べすぎかもしれない。温泉に来るときの電車の中でぼりぼりと食べ続けたスナック菓子のことを思い出した。

でも待てよ。ふだんはそんなに間食していない。食事の量だって、多いほうではない。会社の昼休みに食べるお昼の量も、職場の仲間と比べると少ないほうかもしれない。

そんなにたくさん食べるほうではないのに、体重がじわじわ増えている、ということだ。このままいったら、どうなるのだろう。なんだか暗い気持ちになってきた。

これまでに何度かダイエットを試みたことはある。りんごダイエットとか、バナナダイエットとか、ダイエットが話題になると友だちと一緒にしたものだ。しかし目標を高く設定しすぎたせいか、いずれの場合も途中で挫折し、いつの間にかダイエットを中断していた。そして必ずリバウンドをして、もとの体重プラスαに戻った。

わたしはダイエットできない体質なのかしら。

浴衣に着替えて夕食の時間となった。新鮮なお刺身などがテーブルに並べられていった。

「わあ、おいしそうな海の幸。お腹ぺこぺこね」

春菜は相変わらずうれしそうな顔で、料理をながめながら言った。

「春菜はいいわよねえ。運動もしていないのに、ぜんぜん太らないで」

「あら、邦子だって、ぜんぜん太ってないわよ」

「それが、そんなことないのよ。さっき体重計に乗って、ちょっとあせっちゃった」

「気にしすぎよ」

「きょうは学生時代に戻ったみたいで楽しいけど、体重も学生時代に戻したいものだわ」

「でも新鮮なお刺身では太らないわよ。さあ、いただきましょう」

春菜の元気に背中を押されて皆で乾杯し、食事を始めた。

「そうだ邦子、"太りにくい体質"づくりっていうのは、どう?」

「"太りにくい体質"づくり?」

「そう。漢方薬で体質改善するのよ」

さっそく春菜が、自分が漢方薬を飲んで体質改善し、肌荒れと主婦湿疹を完治した話をしてくれた。

"太りにくい体質"か。ちょっと興味がある。春菜が通っていた漢方薬局に行ってみることにした。


◆代謝を高める漢方薬


漢方薬局では、体重だけでなく、食生活や運動などの生活習慣はもちろん、胃腸や生理の状態、冷え症かどうか、お通じやむくみはどうか、など、体調について細かく聞かれた。

聞かれてみると、腰や下腹など下半身が冷えやすいこと、お通じも便秘気味だったり下痢をしたりと安定しないこと、足がむくみやすいこと、生理が遅れやすいこと、朝から疲れている日が多いことなど、ちょっとした不調が意外とたくさんあることに気づいた。

先生に聞かれるままに答えるうちに、自分ではあまり意識していなかった自分自身の体調について知ることとなった。

いろいろとわたしの体調について聞いてくださったあと、先生がおっしゃった。

「邦子さんの場合は、代謝がよくない体質のようですね」

なるほど、代謝がよくない、そうかもしれない。

「そうなんです。あまり食べないのに、体重がじわじわと増えるんです」

「一般にいえることですが、とくにこういう体質の場合、無理なダイエットは、いけませんよ」

無理な食事制限をすると、からだに入る栄養分が急に減るため、からだが危機感を感じ、将来に備えて脂肪を体内に蓄えようとするそうだ。その結果、皮下脂肪が増えてしまうことになる。ダイエット中は食べる量が少なくなるので一時的に体重は減るが、これでは逆効果となる。

りんごやバナナばかり食べていても、栄養のバランスがよくないため、結局からだは危機感を感じ、同じように脂肪が増えてしまうことになるそうだ。

「つまり、無理なダイエットをすると、"やせにくい体質"になっていくのです」

なるほど、無理をすると、からだに負担がかかるようだ。

「そして、必ずリバウンドするのです」

たしかにわたしの場合もそうだった。

「一時的に体重が落ちても、みなさん必ず元の体重か、それ以上の体重に戻っていますよね。しかも肌が荒れたり、髪や爪の質が低下したり、生理が乱れたりします。からだに必要な栄養が不足するので、それらは当然のことです。漢方では、そのようにからだがいやがることを無理にするのではなく、漢方薬で"太りにくい体質"に向けて体質改善をすすめていくことで、ダイエットをしています。いきなり5キロ10キロの減量を目指すのではなく、少しずつ体質を改善して、徐々に"太りにくい体質"を作り上げていけばいいのですよ」

「からだに負担をかけずに、きれいにダイエットですね」

わたしもさっそく漢方薬を飲むことにした。わたしの場合は、代謝機能を補って(漢方道の必殺技①)、同時にからだに蓄積されている余分な脂肪や老廃物を捨てる(必殺技②)働きの強い漢方薬を飲むこととなった。

◆代謝がよくなればお肌もつるつる


漢方薬を飲み始めて3か月。先生指導の食生活を参考にしつつ、体重は2.5キロ減った。

うれしいのは体重の変化だけではない。漢方を飲むようになってから生理も安定し、お通じもよく、からだも温かい。脚のむくみも軽くなった。

そのことを漢方の先生に報告した。

「先生、食べる量は無理して減らしていませんが、体重が少しずつ減ってきました」

先生は、うれしそうにおっしゃった。

「順調に"太りにくい体質"になってきていますね」

「それに、体重だけでなく、肌のつやや張りも、よくなってきました」

「いま飲んでおられる漢方薬は、代謝をよくする処方です。代謝がよくなって体内の老廃物が減り、血液の流れがよくなれば、当然お肌の調子もよくなります。目覚めがよくなったり便秘も改善されたりします」

「無理なダイエットをして体調を崩してしまうのと正反対ですね」

漢方のおかげでお肌つるつる、たるみも減少。からだの中から元気に美しくなっていくのが実感できるこのごろだ。

これで自然な美と健康が得られそう。ふふ、次回の温泉旅行が今から楽しみだわ。

(幸井俊高執筆 「VOCE」掲載記事をもとにしています)

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そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

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