肌荒れ・冷え症・生理不順、原因は同じ?!
幸井俊高執筆・・・薬石花房 幸福薬局 の症例をもとにした漢方ストーリー
以下は、肌荒れ・胃痛・冷え・生理不順・便秘や下痢など、様々な不調を抱えていたOLが漢方で体質改善を目指す話です。薬石花房 幸福薬局の実際の症例をもとに、物語風に描きました。
同じようなお悩みでお困りの方は、あきらめず、どうぞお気軽に薬局までお問い合わせください。
(登場人物は実在の人物とは関係ありません。)
■■会社の不景気とわたしの肌荒れ■■
うちの会社は半導体部品の一部を製造するメーカーで、海外への輸出も多い。しかし、このところ会社の業績がふるわない。
世間一般に不景気ではあるが、需要の低迷、円高などの要因が大きく影響しているのを感じる。とくに、うちのような中小企業では不景気のしわ寄せが大きく、得意先からの支払いの遅延などの事態も生じているようで、社長をはじめ役員たちは会社の維持にたいへん努力をしているようだ。それでも業績の回復には至らない。
最近では正社員のリストラの噂や、来期の新入社員の採用取り消しの噂まで流れている。わたしは正社員だから大丈夫、と気楽に考えていたが、そんな噂を耳にすると、さすがのわたしも心配になる。今回の不景気はかなり深刻なようだ。
親しい先輩の千賀さんとのランチのときも、最近ではそんな暗い話になることもある。
「ねえ千賀さん、うちも来期は数人の新入社員が入る予定だそうですど、本当に採用取り消しなんてことになったら、その子たち、かわいそうですね」
「たしかにね、気の毒よね」
「わたしがそんな目にあったら、きっと会社に文句を言うと思います」
「あら、春菜さん、わたしだったら感謝するわ」
「え、感謝ですか」
「だって、つぶれそうな会社が、うちはつぶれそうだから来ないでって正直に言ってくれているようなわけでしょ。そういう大事なことを言わないで黙って新入社員を採用して、結果的に経費がかさみ、それでますます業績が悪化して倒産してしまうほうが、よっぽどひどいのじゃないかしら」
なるほど、そういう考え方もあるか。
「急なトラブルが生じて沈む危険の高まった船が、乗船の予約を受け付けていたからといって次の港で新たに人を乗せるのは変よね」
「正社員のリストラについては、どうお考えですか、千賀さん」
「今度は急なトラブルが生じて、重量を減らさなくてはならなくなった船の場合ね」
「そういうことですね」
「その場合は、誰かに船から降りてもらう、というのは最後の手段かしら。その前に、不要な荷物を海に捨てたり、急なトラブルの原因を探して修理したり、そういうことを船に乗っている人たち全員でやっていくことが大事でしょうね」
「会社が不景気で困っているときは、社員が一丸となって会社を守っていく必要がある、ということですね」
「そういうことをしないでいて会社が倒産して全員解雇、なんてことになっては一番困るものね」
千賀先輩によると、うちの会社の業績が悪化した結果、人件費率が上がって経営を苦しめている、という経営分析データが役員会で議論になっているそうだ。
「でも、だからといって人件費を削ればいい、という単純な問題ではないと思うわ。人件費率が上がったのは、人件費だけの問題ではないはずよ、きっと。うちの社長なら、リストラや新入社員の採用取り消しではなく、もっと本質的な方向に進めるはずよ」
千賀先輩は、いつも前向きで素敵だと思う。
それに引き換え、わたしはリストラの噂や会社の不景気が心配で、最近は胃が痛く、肌荒れもひどく、両手の主婦湿疹も悪化している。千賀先輩も心配そうにわたしの手を見てくださった。
「春菜さん、漢方薬を飲んでみたらどうかしら」
そういえば千賀先輩は、じんましんなどのアレルギー体質を漢方薬で改善したのだった。わたしもさっそく漢方薬局に行くことにした。
■■皮膚のトラブルの原因は、からだの内側に■■
漢方薬局では漢方の先生が、肌荒れや主婦湿疹の状態だけでなく、その他の体調についても詳しく話を聞いてくださった。
冷え症で、とくに手足の先が冷えやすい。生理不順で、最近とくに遅れることが多い。量も若い頃より少なくなった。胃は朝から重い感じで痛みやすく、ストレスで悪化する。お通じは便秘をしたり下痢をしたりする。
「肌荒れは、肌だけの問題ではありませんよ」
漢方の先生がおっしゃった。
「春菜さんの場合は、内臓の疲れや血行不良が根本にあり、そこに寝不足やストレス、家事で使う洗剤などが刺激となって、肌のトラブルが生じているようです。からだに必要な栄養や潤いが不足しており、それが冷え症、生理不順、そして肌の症状として出てきているのでしょう」
「からだの中に原因があるのですか?」
「主婦湿疹も、からだの中のトラブルが皮膚に現れてきているのです。皮膚の病気や肌荒れは、極端ないいかたをすれば"見せかけ"の症状といえるかもしれません。根本には、内臓の調子とか、血行の悪化とか、そういった体内の不調が存在します」
「そういう根本的なところを改善していかないと、皮膚の病気も肌荒れもよくならないということですね」
「いくら軟膏を塗って一時的に湿疹を抑えても、軟膏を塗るのをやめればそのうちまた再発します。根本的な原因が体内に残っているからです。つらいときには軟膏で症状を抑えることも必要ですが、からだの中から体質改善をしていかないと、本当の意味での治療とはいえませんよね」
たしかに軟膏やクリームを塗れば一時的に症状は改善する。しかしそれで治ったと思って薬を塗るのをやめると、またしばらくすると湿疹ができる。
"見せかけ"のトラブルにばかり注目せず、しっかりと根本的な部分を改善していかないといけないということのようだ。
さっそくわたしも、からだに必要な栄養や潤いを補う漢方薬をしばらく続けて体質改善をすることにした(漢方道の必殺技①)。
■■見せかけに惑わされず、全体の改善を■■
結局、うちの会社の社長は、リストラもせず、新入社員の採用取り消しも行わないという決断をした。ただし、今のままでは業績の悪化は目に見えているので、徹底的な経費の節減とともに、技術力の強化が重点課題となり、同時に全社員の給料が一時的に数パーセント削減されることとなった。役員はボーナスもしばらくゼロとなるようだ。
「社長は、とにかく社員を守り、この会社のもつ技術力を守り、社会貢献を続けていくことを最優先と考えてくださったようね」
千賀先輩が、ランチでご一緒のときにおっしゃった。
「そうですね。お給料が少し減るけど、わたしたちの会社の、世界に通じる技術を途絶えさせるわけにはいきませんものね。この技術を人々の生活に活かしてこそ、本当の仕事のやりがいになると思っています」
「役員の方々も、自社の技術が必ず人々の役に立つと信じて、後継者を育てる道も途絶えさせない決断をしたということね。しばらく辛抱すれば、またお給料があがるわよ、きっと」
実際には、自分のお給料のことだけを考えて、今回の賃金カットで会社を辞めた人も数人いる。でもほとんどの社員は、この不況を乗り越えるまで皆で助け合ってがんばろうという気持ちになり、この会社に残ることにした。
これからしばらくつらい時期が続く。でも、この不況のおかげで会社全体の結束力が強まったように思う。社内のむだも省かれ、士気も向上していくことだろう。
「人も会社も、つらいときこそ体質改善ね」
千賀先輩もそうおっしゃって、にっこり笑われた。
会社は人件費率の上昇というデータ上の弱点を、一時的に"見せかけ"の応急処置でやり過ごすことなく、この機会に会社全体の見直しと改善に向けて動き出した。
わたしの肌のほうも、主婦湿疹や肌荒れといった"見せかけ"のトラブルを軟膏で一時的に抑えるのではなく、この際、漢方薬でからだ全体の調子を改善していくこととなった。その結果として徐々に湿疹を治し、美肌を取り戻していきたい。
わたしは、いい会社と先輩と漢方薬局に出会えたのかもしれない。短期的なことや表面的なことにとらわれすぎずに自分を磨き、これからも社会に役に立つ仕事をしていきたいと思う。
(幸井俊高執筆 VOCE掲載記事をもとにしています)
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