鼻づまりは、通りをよくしてスキッと解消
幸井俊高執筆・・・薬石花房 幸福薬局 の症例をもとにした漢方ストーリー
以下は、鼻づまりで悩んでいた女性が漢方で回復していく話です。薬石花房 幸福薬局の実際の症例をもとに、物語風に描きました。
同じようなお悩みでお困りの方は、あきらめず、どうぞお気軽に薬局までお問い合わせください。
(登場人物は実在の人物とは関係ありません。)
■■鼻がつまって仕事にならない■■
本社の受付に配属されてから約1年が経つ。常に礼節を保ち、笑顔でお客様をお迎えする。失礼のないように迅速かつ丁寧に応対する。
受付というと華やかな仕事のようなイメージがあるが、そうでもない。スムーズに接客できないとすぐに怒られるし、横柄な態度のお客様に対してもにこやかに接する必要がある。ストレスがたまる。
冬には玄関扉の開閉のたびに外の冷気が入り込み、足腰が冷える。冷え性がひどくなって体調を崩した先輩もいる。
受付嬢というとみな美人だと思われがちだが、そんなに美人でもない。合コンで相手の男性にがっかりされたことも何度もある。そちらで勝手に作り上げたイメージなのに、こちらがわるいことをしているかのような気になってしまう。こんなこともストレスになる。
とにかくどんな状況でも丁寧で適切な接客が求められる。そして常に笑顔で接することを強いられる。
でも疲れたとき、ストレスでいらいらしているとき、それに生理中などは、疲れや感情が顔や態度に出るらしく、上司に叱られることがある。
「美代子さん、調子のよくない日があるのはわかるわ。でも顔や態度に現してはだめよ」
直属の上司は女性である。いまは管理の仕事が中心だが受付のご経験も長い。いつも凛々しく、社内でも笑顔を絶やすことなく背筋を伸ばし、てきぱきと仕事をこなす。みんなのあこがれである。
「わたしだって女だから生理前にはいらいらしたり落ち込んだりすることはあるわよ。だから美代子さんの気持ちはよくわかる。会社の中なら、ある程度は大丈夫。みんな仲間同士だから、つらいときは助け合えばいい。でも外部の方々に対しては、そうはいかないのよ」
心の中ではわかっている。でも上司のように切り替えができない。
上司が続けて話された。
「受付という仕事は、この会社の最前線よ。お客様と対面した瞬間に、あるいはお客様からの電話を受けた瞬間に、あなたは会社の代表、いわば会社の顔となるわけ。会社の看板を背負っている存在といってもいいわね」
たしかにわたしもデパートやブティックに問い合わせの電話をしたときに、たまたまそのときに電話に出た人の印象で、買うのをやめたこともある。受付の責任の重大さはわかる。
「だから美代子さんも頑張ってね」
上司に気にかけていただいていて、ありがたい。この上司のような余裕のある人に早くなりたい。
わたしには、もうひとつ悩みがある。季節の変わり目や寒い時期に、よく鼻がつまるのだ。
鼻がつまると、とくにマ行がうまく発音できず、困ってしまうことがある。少々お待ちください、ご面倒をおかけいたします、など、マミムメモがうまく言えなくなる。
ある日、上司がアドバイスをくれた。
「美代子さん、自然な笑顔で接客できるようになってきたわね。でも鼻がつまっていては少し困りものね。一度漢方薬で体質改善してみたらどうかしら」
上司の話によると、妹の路子さんが漢方薬で慢性的な頭痛を根本的に治したとのことだ。さっそく路子さんが通っておられた漢方薬局に行ってみることにした。
■■鼻の通りをよくする漢方■■
その漢方薬局は完全予約制で、ひとりひとりに対してじゅうぶん時間をかけて相談に乗り、漢方処方を考えてくれるところだった。わたしの場合も、どういうときに鼻がつまるか、どのようにつまるか、昼と夜のつまり方に違いはないか、嗅覚は衰えていないか、など自分でも考えたことのないようなことまで聞いてもらえた。初回のカウンセリングには、結局かれこれ1時間ほどかけてくださった。
カウンセリングの結果、わたしの鼻づまりにはストレスと冷えが深く関係しているようだ、と先生が説明してくださった。ストレスや冷えの影響で体内の気や血の流れがわるくなり、その結果、鼻の通りが阻害され、鼻づまりになっているとのことだった。
さっそく鼻の通りを改善する漢方薬をしばらく飲むことになった(漢方道の必殺技③)。
それにしても、この漢方薬局、受付から待合室での対応、先生のカウンセリングから最後の会計まで、とても感じがよく、薬局の皆さん全員で患者さんひとりひとりに丁寧に向かい合っている印象を受けた。業種は異なるが、仕事としてたいへん参考になることが多かった。
何度目かに薬局に行ったときに先生に伺ってみたことがある。
「先生はいつも穏やかでお元気ですね。なにか秘訣があるのですか?」
先生は、わたしからの意外な質問に対して少し考えられたあと、こうおっしゃった。
「当たり前のことですが、その日たまたま自分が疲れているからといって手を抜くようなことがあってはいけませんよね。人との出会いは一期一会、つまり二人にとってはその瞬間がすべてです」
「なるほど、わたしの受付の仕事にも同じことが言えますね」
「我々は毎日カウンセリングをしていますが、患者さんにはその時間しか漢方の相談をするタイミングがないわけです。ですから、すべてのカウンセリングが真剣勝負です。自分のもつすべての力を尽くして対面するのは、我々の当然の責任です。元気がない、やる気がない、という状態は許されません。美代子さんから見て、わたしがいつも元気なのは、そういうことかもしれませんね」
先生によると、漢方薬にも同じような一面があるそうだ。
「漢方には、まず今の自分の状態を認め、そこからベストを尽くして一歩ずつ自分自身を改善していこう、という考え方が根底にあります」
「なるほど、一時的に症状を抑える対症療法とは異なるわけですね」
「鼻づまりの場合も、薬の作用で一時的に鼻の通りをよくするのではなく、鼻づまりの根本的な原因や体質から改善していこうというのが漢方思考です」
「体質改善ですね」
「日常生活では、春菊など香りのよい野菜を積極的にとり、適度に運動を心がけ、からだを冷やさないように注意してください。薬も養生も、常に体質を少しずつ改善し、安定させていくために全力を傾けてくれているのです」
漢方って、効き目は地味そうだけど、継続することで体質を改善し、結果的にわたしの強い力となってくれるように思った。
■■常にベストを尽くして■■
悩みの鼻づまりは、驚くほど順調に改善していった。鼻炎薬を飲んだときのような不快な乾燥感や眠気もなく、3か月ほどで自然に鼻が通るようになった。
ある日、上司が野球の王貞治さんの話をしてくれた。
「わたしは昔から王貞治さんが大好きなの。とても努力家なのよ。選手時代はほかの選手が寝てからも一人で素振りをしていたらしいわ。でもそれを表に現すことなく、いつも穏やかな雰囲気のまま超人的な成果をあげ、記録を塗り替えておられたのよ」
「野球は詳しくありませんが、わたしも王さんには、優しくて厳しい父親のような好感を持っています」
「王さんは監督時代によくこんなことを言っておられたそうよ。『我々は毎日試合をしているが、お客さんにはその一試合しか見られない人がいる。だから人気選手には、毎試合に出る責任がある』と」
「常に全力を尽くす、ということですね」
「そう、その日の体調や気分に関係なく、ね」
上司はにっこり笑ってご自分の席に戻られた。わたしの成長を見守ってくださっている気持ちがありがたかった。
上司の話、王さんの話、そして漢方、どれも常にベストを尽くすことで社会に役立つということで共通している。わたしもあんまり甘えていないで元気な笑顔で目の前の仕事に全力で取り組もうと思った。
(幸井俊高執筆 VOCE掲載記事をもとにしています)
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