美白の基本は代謝力アップにあり   

幸井俊高執筆・・・薬石花房 幸福薬局(東京 帝国ホテル内の漢方相談薬局)の症例をもとにした漢方ストーリー

以下は、仕事の忙しさが肌に表れ、しみが濃くなってきたOLが漢方で不調を治していく話です。薬石花房 幸福薬局の実際の症例をもとに、物語風に描きました。
同じようなお悩みでお困りの方は、あきらめず、どうぞお気軽に薬局までお問い合わせください。
(登場人物は実在の人物とは関係ありません。)


■■疲労の蓄積でしみが濃くなった■■


うちの会社は残業が多い。とくにこの部署は、取引先との関係で、遅くまで仕事をしている人が少なくない。まあ、それだけ仕事があって、職場に活気があることはいいことかもしれない。でも、同じ会社のなかでも、比較的余裕のありそうなところもあるのに、うちの部は特別だ。

とくに部長が変わってから、仕事の量がさらに増えた。いろんな仕事がわたしに振られてくる。昼休みもゆっくり取れない日もある。同期会があっても、7時スタートには当然間に合わず、二次会から参加するありさま。

そんなわけで平日は睡眠不足ぎみで、夕食の時間も不規則になりがちだ。休みの日は家でぐったりしていることも多い。

肌の調子もあまりよくなく、乾燥しがちで、肌の張りが衰えてきた。しみも増えて、濃くなってきたように思う。美白化粧品を使ってはいるが、お風呂上がりに素顔を鏡に映すと、やっぱり疲れた肌をしている。

きょうもお風呂上がりに肌の手入れをしながら会社の愚痴を夫に話していた。

「ああ、きょうも疲れたわ。部長が変わってから仕事量や残業が多くてたいへんだわ」

「毎日忙しそうだな。でも佳代子、それって会社に期待されている、ってことじゃないのかな」

「でも同じお給料でわたしだけ仕事が多いって、なんだか不公平な感じがするわ」

「そうかなあ。もちろんお金も大事だけど、今みたいに集中して仕事をする時期があってもいいんじゃないのかな。同期より仕事量や残業が多いことを嘆くのか、それとも仕事を覚える絶好のチャンスと捉えて取り組むのか、考え方次第で仕事の楽しさや疲れ方まで、ずいぶん変わってくると思うよ」

「どちらの考え方をするかは、その人の自由ってことね」

「そう、それが人間のおもしろいところだよね」

「考え方次第で前向きに捉えられるものね。でも最近めだってきたこのしみも、考え方次第で薄くなってくれるかしら」

「しみだって、いやがって隠してばかりいないで、たとえば体質変化の兆候と捉えたらどうだろう。そして体質改善する絶好のチャンスと考えてみるとか」

そういえば同期の由貴ちゃんがこの前、子宮内膜症の悩みを漢方薬で改善した、と言っていた。そのときにたしか漢方薬にはからだの中から体質改善する力があるって聞いたのを思い出した。  夫は興味深そうにその話を聞いてから言った。

「佳代子、いいんじゃない、漢方薬。最近、疲れもたまっているみたいだし、一度体質改善してみれば?」


■■漢方薬で代謝力をアップ■■


さっそく由貴ちゃんが通っていた漢方薬局に行き、カウンセリングを受けた。しみの状態がわかるように、お化粧をしないで行った。

漢方の先生は、しみの状態を見て、いつごろからどんな感じでできてきたのかなど聞いたあと、それ以外の体調についても詳しく聞いてくださった。疲れやすいことや、胃腸の調子がよくないこと、足が冷えることなど、いろいろ話すことができた。なるほど漢方ではこうやって、しみだけを見て治そうとするのではなく、からだ全体の様子を見て体質から治していくのだわ、と思った。しみが濃くなってきた原因として何か思い当たることは、と聞かれたときは、疲れがたまったりストレスを強く感じたりすると濃くなるように感じる、と答えた。

結局30分近くかけてカウンセリングをしてくださったあと、先生が体質としみの話をしてくださった。

「佳代子さんの場合は、皮膚の代謝力が低下してきているのが、しみが濃くなりやすい原因のようです」

しみは、皮膚に沈着したメラニン色素である。メラニンは紫外線の害から身体を守るために皮膚に備わっている。しかし長年にわたり必要以上の紫外線にあたっていると、メラニンが常に皮膚に沈着した状態になる。しみが濃くなり消えにくくなる。

メラニンは、皮膚に存在する色素細胞メラノサイトで作られる。皮膚に紫外線が当たるとメラノサイトや酵素・ホルモンが活性化し、メラニンが作られる。しみが消えなかったり濃くなったりするのは、このメラニンの工場ともいうべきメラノサイトが活発に活動を続けることと関係が深い。

しみが消えない主な体質原因は以下のとおり:

  a皮膚の代謝力の低下

  bメラニンの滞留

  c気血の流れの停滞

  dホルモンバランスの乱れ

「この、しみの原因abcdが改善されれば、しみは薄くなっていきます。そしてこのabcdは、漢方道の必殺技①②③④と、ぴたりと対応します。だから漢方薬で体質改善をすすめることにより、からだの中から美白をしていくこともできるのです」

なるほど皮膚の代謝力が低下している場合(a)は代謝機能を補い(必殺技①)、過剰なメラニン色素の滞留があれば(b)捨て去り(必殺技②)、血行がわるければ(c)改善し(必殺技③)、ホルモンなどのバランスがわるければ(d)調えればいいわけだ(必殺技④)。

カウンセリングの結果、私の場合は代謝力を高める漢方薬で、しみを薄くしていくことになった


■■美しい蝶になるための、さなぎの修行■■


「佳代子、さなぎの話、知ってる?」

夫がお風呂上がりのビールを飲みながら聞いてきた。

「さなぎって、青虫が蝶になる前になる、あれ?」

「そう。外から見ると枝にくっついてじっとしているようだけど、青虫から蝶へと、かたちが全然ちがう生き物に変わるために、さなぎの中では着々と変化が進んでいるわけだ」

「なるほど。さなぎの中で蝶がもがいて、がんばっているわけね」

「さなぎの中で、もがいているのは、端から見ると苦しんでいるみたいだし、実際そのときはつらい思いをしているのかもしているかもしれない。でもそれは将来、美しい羽をもつ立派な蝶になるために必要な過程であって、それを簡単にやり過ごしたり省略したりすると、ちゃんとした蝶になれないわけ」

「だからわたしも今の忙しさや残業を、そういうふうに将来のためだと思って過ごせば、そのときはつらいかもしれないけれど、将来は美しい蝶になれるってことね」

「そのときつらいからといって投げ出したり手を抜いたりしてはいけないんだよね。毎日疲れて帰宅してくるのを見て、たいへんそうだなと思うけど、それって佳代子にとってプラスになっていくもののように感じるんだよね。佳代子の、いってみればプラスの苦行をおこなう権利を奪ってはいけないと思うんだな」

「なるほど、与えられた現状を素直に受けとめるところから始まるわけね」

「漢方薬も、しみがくれた体質改善の機会だとプラスに捉えて、しばらく続けてみるといいんじゃないかな」

約1ヵ月後、気がつけばハードな仕事も明るく自らすすんで取り組む自分がいた。自宅で会社の愚痴を言うこともなくなった。漢方薬も、せっせと飲み続けた。

半年もすれば、少しずつではあるけれども新しい仕事もこなせるようになってきた自分のことが嬉しくなってきた。

部長がわたしのデスクに近づいてきて、うれしそうに言った。

「最近がんばっているね」

「もちろんです、部長。なんでもプラス思考ですね」

お風呂上がりに翌日の仕事の段取りなどを頭の中で整理しながら肌のお手入れをしていると、夫が近づいてきて言った。

「佳代子、最近すっかりしみが薄くなったなあ」

そういえば仕事が楽しくなって、あまり気にしなくなっていたしみが、鏡で見ると半年前と比べて見違えるほど薄くなっている。しみだけでなく、疲労倦怠感や胃腸の不調も感じなくなっている。これらは全部、漢方薬で代謝力をアップできたおかげにちがいない。

夫もうれしそうにわたしを見ている。しみも体質悪化の警告だったと前向きに捉えて漢方薬で体質改善を続けてよかったと思った。

(幸井俊高執筆 「VOCE」掲載記事をもとにしています)

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そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

あなたに最適の漢方薬に出会う秘訣は、信頼できる漢方の専門家の診察(カウンセリング)を受けることです。

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