前立腺炎

慢性的な前立腺炎には漢方の体質改善が効果的

当薬局(東京・帝国ホテル内 薬石花房 幸福薬局)では前立腺炎の漢方治療のご相談をお受けしています。

(前立腺炎の漢方治療の症例紹介ページは こちら

前立腺炎は、男性特有の臓器である前立腺に炎症が生じた疾患で、30〜40歳代に多くみられます。

前立腺は、膀胱の出口で尿道を取り巻くように位置している、栗くらいの大きさの男性生殖器官です。乳白色の前立腺液を分泌して精液を形成し、精子の運動を活発にします。

前立腺の種類
細菌性前立腺炎 尿道からの細菌感染により生じるもの(大腸菌やクラミジアなどに起因)
非細菌性前立腺炎 長時間のデスクワークや乗り物などでの座った姿勢・自転車やバイクなどの前立腺への機械的な刺激・疲労・ストレス・飲酒・冷え・前立腺への尿の逆流・自律神経活動の亢進などにより生じるもの


◆西洋医学では

西洋医学では、細菌性の場合は抗菌薬を用い、非細菌性の場合は抗炎症薬などを用いて治療します。

細菌性のものが抗菌薬で根絶できなかった場合は、慢性化します。


◆漢方では

漢方では前立腺炎を、「病邪」の侵入と、免疫力の低下の両方面から検討していきます。病邪とは疾病を発生させる発病因子のことです。

また免疫力など人体が持つ生命力や抵抗力のことを「正気(せいき)」といいます。この正邪(正気と病邪)のバランスにおいて、正気が充実していれば疾病は発生しません。逆に病邪が強く、正気の隙を縫って体内に侵入してくると疾病となります。

この関係において疾病を治療するためには、正気を補う方法と、病邪を除去する方法とがあります。前立腺炎における代表的な病邪は湿熱邪であり、発病を許すおもな正気は五臓の(じん)です。漢方薬で湿熱邪を除去したり腎を強めたりして前立腺炎を治療します。

漢方薬は、おもに慢性前立腺炎に活用されています。詳細は、以下のとおりです。

◆前立腺炎によくあるタイプ・・・あなたはどれ?

<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>

(1)「膀胱湿熱(ぼうこうしつねつ)」証

細菌性前立腺炎でよくみられる証です。

湿熱邪が膀胱に凝集し、膀胱の機能を障害している状態です。

前立腺は膀胱ではありませんが、五臓六腑の腎・膀胱に含まれる臓器です。湿熱は体内で過剰な湿邪と熱邪が結合したものです。

細菌の尿路への侵入などにより、この証になります。

湿邪により頻尿や尿意促迫が、そして熱邪により排尿痛や排尿時の尿道灼熱感が生じます。排尿困難や尿失禁が生じる場合や、尿が赤くなることもあります。

→ 膀胱の湿熱を除去する漢方薬で、前立腺炎の治療をします。

(2)「腎陰虚(じんいんきょ)」証

前立腺炎が慢性化しており、排尿痛、残尿感、尿道の灼熱感、腰がだるい、などの症状がみられるならこの証です。

腎の陰液(腎陰)が不足している体質です。腎は、生きるために必要なエネルギーや栄養の基本物質である精(せい)を貯蔵し、人の成長・発育・生殖をつかさどる臓腑です。

陰液とは人体の基本的な構成成分のうちの血・津液・精のことです。

過労、不規則な生活、性生活の不摂生などによって腎陰が減ると、この証になります。

陰液の不足により相対的に陽気が優勢となり、熱証が表れます。尿道の灼熱感のほか、尿は色が濃く少量で、ときに血尿や白濁した尿が出る、などの症状も熱証です。

→ 腎陰を補う漢方薬で前立腺炎の治療をします。

(3)「腎陽虚(じんようきょ)」証

同じく慢性前立腺炎で、頻尿、とくに夜間の頻尿が顕著で、尿の勢いがなく、排尿痛は軽いようならこの証です。

腎の陽気(腎陽)が不足している体質です。陽気とは気のことで、人体の構成成分を陰陽に分けて考える場合、陰液と対比させて気のことを陽気と呼びます。

加齢とともに生じやすい証ですが、加齢だけでなく、過労、生活の不摂生、慢性疾患による体力低下などによっても人体の機能が衰え、冷えが生じてこの証になります。

陽気の不足により、下半身や手足の冷え、寒がりなどの寒証がみられます。頻尿は寒証のひとつです。日中は排尿困難となる場合もあり、尿失禁や腰痛もみられます。

→ 腎陽を補う漢方薬で、前立腺炎の治療をしていきます。

(4)「心火(しんか)」証

排尿時に灼熱感を伴う痛みがあり、色の濃い尿が出るようならこの証です。

は、心臓を含めた血液循環系(血脈)と、人間の意識や判断、思惟などの人間らしい高次の精神活動をつかさどります。自律神経系と深い関係にあります。

この心に、過度の心労、思い悩み過ぎ、過労が続くことなどにより負担がかかり、心の機能(心気)が過度の刺激を受けて亢進すると、この証になります。

排尿困難や尿失禁も生じます。

→ 心火を冷ます漢方薬で、前立腺炎を治療します。


◆前立腺炎に効果的な漢方薬

竜胆瀉肝湯、猪苓湯、五淋散、知柏地黄丸、清心蓮子飲、牛車腎気丸

あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。

自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。

どうぞお気軽にご連絡をください。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気を治し、症状を改善してくれる漢方薬は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要です。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や病状により、使う処方が異なるからです。

 

そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

あなたに最適の漢方薬に出会う秘訣は、信頼できる漢方の専門家の診察(カウンセリング)を受けることです。

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