目の疲れ、眼精疲労の症例
(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高)
薬石花房 幸福薬局 の漢方治療で 目の疲れ・眼精疲労が改善した症例
こちらは症例紹介ページです。目の疲れの解説ページは こちら へどうぞ
■症例1「毎日ずっとパソコンに向かって仕事をしているので、目が疲れます。最近それがひどくなり、目がじんじんと痛んだり、こめかみのあたりが痛んだりします」
経理の仕事なので間違いが許されず、いつも緊張しています。隣のデスクの人との関係がぎくしゃくしており、ストレスも強く感じます。そのせいか、いらいらしやすくなりました。思わずため息もよく出ます。生理痛も強くなりました。赤い色の舌をしています。
この人の証は「肝鬱気滞」です。
ストレスや緊張の影響で肝気の流れが滞り、視神経、血行、眼球や目のまわりの筋肉運動の制御などが失調し、目の疲れや痛みが生じています。いらいら、ため息、生理痛、赤い舌などは、この証の特徴です。休日は痛みが生じない場合もあります。
この証の人に対しては、肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにしていく漢方薬で目の疲れを改善していきます。服用を始めて2カ月ほどで、目の痛みや頭痛がなくなりました。3カ月後には目の疲れも解消し、生理痛も軽くなりました。
■症例2「眼精疲労です。病院で目薬を処方され使っていますが、最近はあまり効き目を感じません」
目がかすみ、ドライアイもあります。頭がぼーっとします。足腰がだるく、めまいや耳鳴りも生じます。微熱っぽいような不快感があり、夜は足を布団から出して寝ています。寝汗もかきます。舌は赤く、舌苔はほとんど付着していません。
この人の証は「肝腎陰虚(かんじんいんきょ)」です。
腎は五臓の一つで、生きるために必要なエネルギー(気)や栄養(血)の基本物質である精(せい)を貯蔵し、人の成長・発育・生殖、並びに水液や骨をつかさどります。精を基に血を生み出す臓腑であるため、「腎は血を生ず」といい、血に関して腎と肝とは深い関係にあります。そしてこれら肝と腎の陰液が不足している体質が、この証です。
このような体質の場合は、肝腎の陰液を補う漢方薬を使います。この人は漢方薬を服用し続け、半年ほどで眼精疲労を治しました。めまいや耳鳴りもなくなりました。
■症例3「眼精疲労です。まぶたがピクピク痙攣するのも気になります」
目がかすんで、目の乾燥感や、ごろごろとした異物感があります。生理中に悪化します。爪がもろく、肌のくすみも気になります。唇は乾燥し、荒れやすい状態です。舌は淡紅色をしています。
この人の証は「肝血虚(かんけっきょ)」です。
五臓の肝において必要とされる血液や栄養(肝血)が不足している体質です。
目や視神経に供給される血液量の不足や栄養障害により、目が疲れやすくなっています。まぶたの痙攣、目のかすみ、目の乾燥、生理中に悪化する、爪がもろい、肌のくすみ、唇の荒れ、淡紅色の舌などは、この証の特徴です。光がまぶしい、髪の毛が抜けやすい、夢をよく見る、などの症状を伴う場合もあります。
この場合は、肝血を補う漢方薬を用いて眼精疲労を改善します。服用を始めて4カ月で、眼精疲労の諸症状が改善しました。
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毎日酷使する目の健康を保つには、ふだんの生活での配慮も必要です。パソコンに向かって作業を続けているときは、まめにパソコン画面以外のものに目を移して目を休ませたり、夜は十分睡眠を取ったりして、目をいたわりましょう。パソコンに向かうときに正しい姿勢を保つことも大切です。
(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)
*執筆・監修者紹介*
幸井俊高 (こうい としたか)
東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。
あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの証(体質や病状)により異なります。自分に合った漢方薬を選ぶためには、正確に処方の判断ができる漢方の専門家に相談することが、もっとも安心で確実です。どうぞお気軽にご連絡ください。
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