ドライアイ
漢方は目の潤いを「体の中から」補って、ドライアイを改善
ドライアイは、涙の分泌量や質の低下によって、目の表面の潤いや滑らかさが損なわれ、目の不快感や視力低下など視機能の異常が生じる疾患です。
当薬局ではドライアイの漢方治療のご相談をお受けしています。
漢方でドライアイが治った症例紹介ページは こちら
ドライアイの症状
涙の分泌量が減る→目の乾燥 |
涙の質が低下して目の表面が滑らかでなくなる→目がごろごろする異物感、目の痛み、まぶしさ |
涙による目への酸素や栄養の供給が不十分になる→目のかすみ、目の疲れ、視力低下 |
ドライアイを悪化させる要因は?
パソコンやスマホのモニターを見続ける、それに伴うまばたきの回数の減少 |
コンタクトレンズの装用 |
エアコンの使用 |
長時間の運転 |
加齢 |
夜更かしや睡眠不足 |
たばこの煙 |
シェーグレン症候群などの疾患 |
ある種の薬の副作用 |
ドライアイの治療・・・西洋薬は外から、漢方は中から潤す
西洋医学では
目の表面は、目の粘膜の上を涙の成分である水分や粘液性の物質(ムチン)が覆い、さらにその外側を油層が覆っています。
西洋医学では、涙に近い成分で潤いを持たせたり粘膜を保護したり保水したりする点眼薬を使い、症状を緩和させます。目頭にある涙の排出口(涙点)をシリコンなどでふさぐ治療法が行われることもあります。
漢方では
中医学では「肝(かん)は目に開竅(かいきょう)する」といい、目を五臓の肝と関係が深い器官として捉えています。
さらに「涙は肝液である」ともいい、涙は眼を潤し、目に開竅する肝と深い関係にある津液(しんえき)と捉えています。津液とは、人体の正常な生理活動に必要な水液のことです。
従って漢方では、漢方薬の服用によって体の中から、主に肝の血(けつ)や津液を補うことにより、ドライアイの治療をします。
血とは、全身を滋養する作用、およびその物質的基礎のことです。血液や、血液が運ぶ栄養、あるいは循環に近い概念です。
ドライアイの主なタイプ・・・あなたはどれ?
<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>
「肝血虚(かんけっきょ)」証
目がごろごろする異物感が強いようなら、この証が考えられます。
五臓の肝において必要とされる血液や栄養(肝血)が不足している体質です。涙を構成する成分の不足や栄養障害により、涙の質が低下し、目の表面が滑らかでなくなり凸凹している可能性があります。
目のかすみ、まぶたがピクピクする、などの症状もみられます。
→ 肝血を補う漢方薬を用います。
「肝陰虚(かんいんきょ)」証
目の乾燥が顕著なようなら、この証が考えられます。
肝の陰液(肝陰)が不足している体質です。陰液は、人体の構成成分のうち血・津液・精を指します。
慢性疾患や、ストレス、緊張の持続、激しい感情の起伏などの影響で陰液が消耗すると、この証になります。
目の痒み、目のかすみ、目がちくちくする、めまい、耳鳴り、頭重感などの症状もみられます。
→ 肝の陰液を補う漢方薬を用います。
「腎陰虚(じんいんきょ)」証
加齢に伴い生じたドライアイなら、この証が考えられます。
腎は五臓の1つで、生きるために必要なエネルギーや栄養の基本物質である精(せい)を貯蔵し、人の成長・発育・生殖、並びに水液や骨をつかさどる臓腑です。この腎の陰液(腎陰)が不足している体質が、腎陰虚です。
加齢や過労、不規則な生活、大病や慢性的な体調不良、性生活の不摂生などによって腎陰が減ると、この証になります。
のぼせ、寝汗などの熱証がみられます。
→ 腎陰を補う漢方薬を用います。
「肝腎陰虚(かんじんいんきょ)」証
ドライアイに視力低下を伴うようなら、この証が考えられます。
腎は精をもとに血を生み出す臓腑であるため、「腎は血を生ず」といい、血に関して腎と肝とは深い関係にあります。そしてこれら肝と腎の陰液が不足している体質が、この証です。
過労、生活の不摂生、大病や慢性的な体調不良、加齢などにより、肝腎両方の陰液が減ると、この証になります。目の充血もみられます。
→ 肝腎の陰液を補う漢方薬を使います。
「肝火(かんか)」証
精神的なストレスや感情の起伏などが引き金となって生じたと思われるドライアイなら、この証が考えられます。
五臓の肝の機能(肝気)が、ストレスなどの影響によりスムーズに働かなくなり鬱滞し、肝鬱気滞(かんうつきたい)証となって熱邪を生み、それが涙を蒸発させ、ドライアイを生じさせます。
強い熱邪の影響で、耳鳴り、のぼせ、頭痛、怒りっぽい、興奮しやすい、などの熱証を伴います。
→ 肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、肝火を鎮める漢方薬を用います。
◆ドライアイに効果的な漢方薬
四物湯、温清飲、滋陰降火湯、竜胆瀉肝湯、六味地黄丸、杞菊地黄丸
あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。
自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。
どうぞお気軽にご連絡をください。
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