やる気を妨げるPMSを漢方で見事克服

幸井俊高執筆・・・薬石花房 幸福薬局 の症例をもとにした漢方ストーリー 

普段はやる気一杯なのに生理前だけPMSで不調になってしまうOLが、漢方薬を服用して3回目の生理からPMSがなくなった例を物語風に描いています。症例は筆者の経験をもとにしていますが、登場人物は実在の人物とは関係ありません。


■■トーンダウンの生理前■■

「よし、わたしも頑張ろう」

 オリンピックの競技をテレビで観戦しながら、千鶴は、体内でみなぎる自分の熱い血を感じていた。 

 毎日の地道な訓練で自らを鍛え上げ、持てる力を最大限に発揮できるような体力や精神力をつちかってきたのだろう。試合に負けた直後は悔しさに涙しても、一夜明ければメダリストたちとの実力差を受け入れて笑顔を見せる選手たちがまた感動を呼ぶ。

 簡単にまねできるものではないと思う。テレビを観ていて、選手たちのことを素直に美しいと感動する。わたしはのんびりテレビの前に寝転がっていていいのだろうか。わたしも頑張らなくては、という気持ちが奮い立つ。

 千鶴はもともと仕事を丁寧にしっかりとこなすタイプで、自宅でも仕事関係の勉強をしている。そこにオリンピック選手からの刺激を受けて、ますます張り切ることとなる。

 しかし、その情熱を長く続けるのがなかなか難しい。

 原因のひとつはPMS(月経前症候群)。生理前になると体調がわるくなり、仕事も思うようにできなくなる。イライラしたり、悲しくなったりする友だちもいるが、千鶴の場合は倦怠感に襲われ、やる気や集中力が低下してしまう。

 せっかくオリンピック選手にもらったプラスのエネルギーも、こうしてしぼんでしまう。あんなに張り切っていたのに、と自己嫌悪に陥る。生理前でもトーンダウンしないで元気よく仕事をしたい。

 そんなある日、先輩の奈津子から飲み会のお誘いがあった。奈津子は人付き合いが好きで、仕事のあとによく会社仲間を飲みに誘う。千鶴は奈津子にとって、付き合いがいい大事な後輩のひとりだ。

「千鶴さん、オリンピック観てる?」奈津子がビールを飲み干しながら聞いてきた。

「はい、もちろん。感動しますよね」

「元気をたくさんもらうわね。ついつい惰性で毎日仕事をしているところに、ああいう刺激って好きだわ。さあ、わたしも頑張らなくちゃねって」

 奈津子も千鶴と同じような気持ちでテレビを観ているようだ。

「仕事って、スポーツ選手も同じだろうけど、お金を出してくれる人がいて、それでやっていけるのよね。うちの会社の製品を買ってくれるお客さんがいるからこそ、お給料がもらえるんだものね」と奈津子が続けた。

「ありがたいことですね。そう思うと全力投球しないとだめですね」

「楽な仕事がしたいとか、いまの仕事はつまんないとか、この仕事はしたくないとか、そんなことを言ったらバチが当たりそうね」

「仕事が楽しくないのは上司や職場環境がわるいからとか、業績が伸びないのは部下の働きがよくないからとか。言い訳は簡単にみつかりますけど、自分は全力投球もせずに、言い訳を探すようでは恥ずかしいですね」

「少なくとも働いている時間は、自己中心主義になってはだめね。真摯に仕事をしなくちゃ」

 そんな流れで前向きなおしゃべりが続き、二人で楽しく飲んでいた。千鶴はPMSについても奈津子に相談してみた。

「でも生理前だけは、どうしても集中力ややる気が低下してしまって」

 そのとき奈津子が提案してくれたのが漢方薬だった。奈津子は甲状腺機能低下症を漢方薬で治した話を千鶴にした。

「甲状腺機能もPMSもホルモンバランスとの関係が深いから、きっと漢方薬で千鶴さんの体調も良くなるわよ」

 さっそく漢方薬局に行ってみることにした。


■■漢方でホルモンバランスを調えて■■

 漢方薬局では、生理前の症状だけでなく、便通やむくみ、冷え症かどうかなど、さまざまなことを聞かれた。

 千鶴の場合は、生理前に集中力ややる気が低下し、疲労倦怠感に襲われるほかに、むくみやすくなる、胸が少し張る、便通がわるくなる、などの症状がある。ほかに、ふだんから胃腸があまり丈夫でない、冷え症、などの症状もある。

 漢方の先生によると、「千鶴さんは五臓六腑のバランスがよくない体質で、その体質が原因でPMSが生じているのでしょう」とのことだ。

 PMSは、生理前の高温期にさまざまな症状が現れ、生理が始まれば消えていく症候群である。月経前緊張症ともよばれる。西洋医学的には、女性ホルモンの変動や自律神経のバランスが影響していると考えられている。

 現れやすい症状は、イライラ、怒りっぽい、憂うつ感、焦燥感、不安感、集中力の低下、やる気の低下、無気力、悲しくなる、緊張、疲労倦怠感、胸の張りや痛み、腹部膨満感、腹痛、むくみ、頭痛、食欲増進、肌荒れ、肩こり、腰痛など多岐にわたる。

「PMSになりやすい女性には、おもに4つの体質があります。漢方では、それぞれの体質に合わせてPMSを体質から改善していきます」

 漢方の先生によると、一つ目の体質は「気」の流れがわるいタイプで、イライラ、怒りっぽい、胸の張りや痛みが現れやすい 。

 二つ目は五臓六腑のバランスを崩して熱っぽくなりやすい体質で、生理前に頭痛や不眠、ニキビに悩まされることが多い 。

 三つ目も五臓六腑のバランスが崩れている体質だが、こちらは冷えてしまうタイプ。「千鶴さんはこの体質です」とのことで、集中力ややる気の低下、疲労倦怠感、むくみ、下痢などがみられやすい。

 四つ目は「気」が足りない体質で、生理前になると抵抗力が弱まって風邪を引いたり湿疹などの肌荒れを起こしたりする 。

「わたしの場合、五臓六腑が強くなるのですね」

「違います。強くなるのではなく、バランスがよくなるのです」

 なるほど、漢方ではバランスを大切にすると聞いたことがある。

「頑張りすぎてもよくないのです。ひずみが生じてバランスを崩す結果になります。強ければいいというのではなく、全体のバランスが調って機能したほうが結果的に早く体質改善ができるのです」

 千鶴は、五臓六腑のバランスを調整して、PMSを治してくれる漢方薬を飲むことになった 。


■■生理前でもパワー全開■■

 漢方薬を飲み始めて最初の生理とその次の生理のときは、いつものようにPMSがあった。生理も重かった。

 ところが3度目の生理は、なんの前触れもなく「あれっ」という感じで始まった。生理前の胸の張りや集中力の低下がまったくなかったので、びっくりした。生理周期はいつもと同じ28日で、生理痛も軽く済んだ。

 次の生理もPMSに悩まされることなく過ごせた。漢方の先生が「半年くらい漢方を飲むといいでしょう」と言うので、千鶴はもうしばらく漢方を続けることにしている。

 また奈津子と飲みにいったときに、漢方薬が効いてPMSの悩みが解消されたことを報告した。

「よかったわね。でもあんまり張り切りすぎて無理をしてはだめよ」

 千鶴の性格をよく知っている奈津子がこうアドバイスをしたところ、千鶴は少し不満そうに答えた。

「でもオリンピック選手もあんなに頑張っていたのですから、わたしも全力投球しないと、と思っているのですが」

「オリンピックに出る選手は、ほんの数人。その前に怪我をして脱落していった人たちもたくさんいるのよ。プロのスポーツ選手だって無理をしすぎて病気や怪我で現役を退いていく人は少なくないでしょ。千鶴さんの言うように、やれるだけのことをやるのはとても素敵。でもそれを長く続けることも、同じように大事だと思うわ」

 漢方の考え方と同じだな、無理をして頑張りすぎてもよくないんだ、と感心しつつ、「なるほど、そうですね。ありがとうございます」と奈津子に礼を言った。

 いい先輩に恵まれて、千鶴はうれしい。きょうは、もう少し一緒に飲んでから帰ろうかな。今夜は自宅で勉強するのはサボろう。そして奈津子ともう一軒、飲みにいくことにした。

「あら、帰って勉強するんじゃないの」

「大丈夫です。その分あした頑張りますから」

「その調子、その調子」

(幸井俊高執筆 VOCE掲載記事をもとにしています)

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あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。

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★ 漢方道・四つの必殺技 ★

「補う」・・・ 足りない元気や潤いは、漢方薬で補いましょう。
「捨てる」 ・・・体にたまった余分なものは、漢方薬で捨てましょう。
「サラサラ流す」 ・・・漢方の力で血液や気をサラサラ流し、キレイな体内を維持しましょう。
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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気を治し、症状を改善してくれる漢方薬は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要です。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や病状により、使う処方が異なるからです。

 

そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

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