「緊張型頭痛」性格変えなきゃ治せない?

幸井俊高執筆・・・薬石花房 幸福薬局 の症例をもとにした漢方ストーリー

緊張型頭痛と診断され、対症療法に納得がいかないOLが漢方で悩みを解決した話です。薬石花房 幸福薬局の実際の症例をもとに、物語風に描きました。

同じようなお悩みでお困りの方は、あきらめず、どうぞお気軽に薬局までお問い合わせください。
(登場人物は実在の人物とは関係ありません。)


■■緊張から生じる体調不良■■


友子は小さいころから緊張しやすいほうだった。運動会や遠足の前の夜はなかなか眠りにつけなかったし、日直当番のときには前の日からどきどきしていた。緊張しすぎておなかをこわし、学校を休んだこともあった。

高校生のときに一度、自律神経失調症といわれて病院に通っていた時期もあった。食欲不振や吐き気が続き、便の状態も不安定で便秘と下痢を繰り返していた。そのうち動悸やめまいも生じるようになり、親も心配になって病院に連れて行かれた。

検査をしたが、異常はどこにも見当たらなかった。

「思春期の女性には、ときどきみられる症状です。心配ないですよ。そのうち治るでしょうから」

と病院の先生に言われた。処方された薬を飲んでいれば少し落ち着く気もするが、薬を飲むのをやめると症状は再発した。

わたしの場合、べつに思春期になってから生じた症状でもないのになあ、と納得がいかないまま年月がたった。

大学を卒業して社会人になってからは頭痛に悩まされるようになった。ヘルメットを一日中かぶらされているような重い鈍痛が続くこともあれば、孫悟空の頭にある輪で締めつけられるような激痛をともなうこともあった。

痛みがあまりにひどいので脳のCTスキャンまでとって検査をしてもらったが、異常はなかった。

「原因はストレスか何かですよ。あまり細かいことを気にせずにいれば治りますよ」

と言われた。

細かいことを気にしないでいる、そんなこと、わたしには無理。細かいことが気になるのがわたしの性格だもん。それを無理して気にしないふりをしても、かえってストレスになるだけです。

病名は「緊張型頭痛」。

なんだか、わたしのためにあるような病名で、がっかりした。処方されたのは鎮痛剤と抗不安薬だった。ますます落ち込んでいくような薬の組み合わせだった。

じつは本社の経営企画部で仕事がしたかったけど、残業が多くストレスも多いといわれるその部でやっていくだけの、肉体的・精神的な自信がぜんぜんなかった。

「友子、だいじょうぶ?」

この前、その緊張型頭痛に襲われたのは、友人の真紀と一緒に食事をしていたときだった。頭痛のつらさを紛らわそうと右手でこめかみを押していると、真紀が心配そうに聞いてくれた。

「うん、だいじょうぶ。ありがとう。最近ときどき頭が痛くなっちゃって。検査をしてもどこもわるいところはないらしいんだけど」

「疲れているんじゃないの?」

「うん、それもあると思うけど、子どものころから気が小さいというか緊張しやすいタイプで、それで人より余計に疲れちゃうみたい」

そう、わたしは気を遣ってとりこし苦労ばかりして、それでくたくたになっちゃう。なんだか損な性格じゃないのかな、なんて思いながら、真紀が取り分けてくれた「羊肉入り茄子炒め」を食べた。うーん、おいしい、このレストラン。

「そういえば、友子、この茄子には血行改善の働きがあるっていうわよ。頭痛にもいいかもよ」

真紀は最近、料理に凝っている。漢方薬で元気になって、肌もきれいになってから、漢方や薬膳に興味がわいたみたい。

薬で痛みを抑えこむだけの対症療法ではなく、漢方や食事でからだの中からじっくりと改善していくって、自然でいいと思う。それに、からだにいいって感じながらおいしく食事ができるって、気持ちがいいわ。

よし、わたしも鎮痛剤と抗不安薬なんていうのではなく、痛みを根本原因から改善してみたい、と思った。


■■緊張とストレス病■■


「緊張が原因で体調をくずすことは、よくあることですよ」

真紀の紹介でカウンセリングに行った漢方薬局で、先生はそうおっしゃった。

「緊張すること自体は、決してわるいことではありません。だれでも緊張はします」

そうよね。でもわたしの場合は、ちょっと緊張しただけで頭が痛くなったり、咳が出たりしちゃうのよ。

「緊張してもふつうは、一時的にからだのバランスが不安定になり、そのときにどきどき動悸がしたり汗をかいたりするだけで済みます。でも緊張しやすい人の場合は、そのバランスの不安定が慢性的になり、体調の悪化に結びつきやすいのです」

なるほど。緊張という精神的なことが体調に影響を及ぼすわけね。

「過度の緊張が持続すると、からだが硬くなります。気がつけば手に力が入っていたり、肩や首がこっていたりするものです。それと同じようなことが体内のいたるところで起こります。そうすると環境変化やストレスに対して柔軟に対応できなくなります。いったん崩れたからだのバランスはなかなか元に戻りにくく、その結果、自律神経失調症などの病気にかかります。ホルモンバランスの乱れからくる生理不順、それに不妊症などもよくみられます」

「自律神経やホルモンといったバランスが失調して病気が起こるわけですね」

「そうです。でも緊張から引き起こされる病気は、それだけではありません」

「ほかにはどんな病気があるのですか?」

「緊張であちこちがこわばるわけですから、漢方でいう気や血の流れ道も硬くなり、気血の流れがわるくなります。そうすると、たとえば痛みが生じやすくなります。緊張しやすい性格が、生理痛や子宮内膜症の根本原因となる場合もあるわけです。緊張型頭痛もそうですね」

「え、じつはわたし生理痛もひどくて、それも一緒に相談しようと思っていたんですよ」

「そうですか、友子さんの場合は生理痛も緊張型頭痛と同じように緊張しやすい気質から来ていると考えられますね。あとは水分の流れも滞りますので、水っぽい鼻水が出るようなタイプのアレルギー性鼻炎や花粉症になる場合もあります。友子さんもそうじゃないですか?」

「すごいですね、漢方って。まさにおっしゃるとおりです」

「ストレスが原因で引き起こされる病気をわたしは“ストレス病”とよんでいます。友子さんのように慢性的な緊張が続いて体調が悪化しているケースも、そのストレス病のひとつです。自分では気づいていなくても“無意識の緊張”というものがあって、それが体調に影響を及ぼす場合もあります」

ストレス病、なるほどね。そういえば胃潰瘍の八割はストレスが原因、って聞いたことがあるわ。

「漢方は、バランスを調整するのが得意です(漢方道の必殺技④)。元に戻りにくくなったバランスを正常な均衡状態に戻していくことにより、体調を整えていきます」

「からだのバランスって大事なんですね」

「最初にお話したとおり、緊張そのものは悪いことではありません。たとえば初対面の人と話をするとき、大事な会議で発表するとき、そんなときに緊張するのはまったくふつうのことです。でもその緊張が過度に体調悪化に影響を与えている場合、それは改善したほうがいいということです。ぴーんと張ったゴムや弦を少し緩めるように、緊張でかちかちになっている心身を、漢方薬で和らげてあげるのです」


■■過剰な緊張を緩和する漢方■■


その、ぴーんと張った緊張のゴムを緩める漢方薬を、わたしは飲むこととなった。漢方薬は苦いものだと覚悟していたが、その煎じ薬は意外と飲みやすく、ほっとした。

飲み始めて4ヵ月くらい経ったころから、頭痛や生理痛が改善され始めた。頭痛の頻度は明らかに少なくなり、生理痛も楽になった。毎月の鎮痛剤も使わなくなった。

半年後には、真紀も驚くほど元気で明るくなった。緊張しやすく生真面目で心配性という性格は変わらなかったが、それで体調をくずすことはぐっと減り、むしろその性格のおかげで仕事のミスが少なく、細かいところによく気がつく丁寧な仕事振りが上司の目にとまるようになった。

経営企画部への異動の辞令が来たのは、その3ヵ月後だった。漢方薬のように、会社全体のバランスをいつも見失わないように、広い視野で仕事をしていこうと思う。

(幸井俊高執筆 「VOCE」掲載記事をもとにしています)

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そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

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