橋本病

漢方は橋本病に至った根本原因に働きかけ、機能改善を目指す

女性に多い橋本病は、慢性甲状腺炎とも呼ばれる甲状腺の病気です。自己免疫疾患の1つで、甲状腺に慢性的な炎症が起こっている状態です。最初に論文発表した日本人の名前から、この名が付きました。

(橋本病の症例紹介ページは こちら

甲状腺は、新陳代謝を盛んにするホルモン(甲状腺ホルモン)を作る臓器(内分泌器官)で、首の前の部分、喉のあたりにあり、気道を抱き込むようにくっついています。

私たちの身体は、新陳代謝で古い細胞が新しい細胞に入れ替わることにより、健康や若々しさを保っています。皮膚も内臓も、骨も子宮も同じです。

甲状腺ホルモンはこの新陳代謝において重要な役割を果たし、成長や発育、日常的な活動を支えています。

橋本病になり、甲状腺に慢性的な炎症があっても、甲状腺ホルモンの合成には異常がない場合もあります。

しかし、炎症があるために甲状腺ホルモンが不十分となり(甲状腺機能低下症)新陳代謝が衰えると、心身の活力が低下し、以下のような、甲状腺機能低下症特有の症状が表れます。

甲状腺機能低下症で表れやすい症状

首が太く見える(甲状腺が腫れて大きくなっているため)
活力低下、元気・やる気の減退、うつ
むくみ・手指のこわばり
肌の感想
便秘・食欲減退(胃腸機能が低下するため)
低体温、寒がり、汗をかきにくい(熱を作る機能が低下するため)
脈拍が遅くなる(心臓の機能が低下するため)
太りやすい(消費カロリーが減るため)
血中コレステロール値が高くなる(コレステロール代謝機能が低下するため)
不妊・流産


◆西洋医学ではホルモン補充、漢方では機能改善

西洋医学では:

西洋医学的には、レボチロキシンナトリウム(商品名チラーヂンS他)などの甲状腺ホルモン製剤を使い、甲状腺ホルモンを補充することにより治療に当たります。
炎症の改善など根本的な治療ではありませんが、体内の甲状腺ホルモンが増えるために活気が戻り、諸症状が緩和されていきます。

漢方では:

漢方では、甲状腺の機能や免疫系に働きかけることにより、甲状腺機能の低下を改善していきます。
表面的には活力が衰える「気虚(ききょ)」証ですが、気虚の奥にある証を治療していくのが漢方治療のポイントです。


◆甲状腺機能低下の背景によくある体質・・・あなたはどれ?

<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>

同じ甲状腺機能低下症であっても、漢方では一律な薬を用いるのではなく、そのような不調をもたらした個人個人の体質を見極め、各自の背景要因に働きかける治療をします。したがって使う漢方薬は多岐にわたり、人によって異なります。

橋本病などで漢方を試す場合は、体質を正しく診断できる専門家に相談することをお勧めします。甲状腺機能低下症に比較的多い体質を以下にご紹介します。

(1)「腎陽虚(じんようきょ)」証

甲状腺機能の低下のベースとなっている証で、橋本病の背景にはこの証があることを意識して治療方針を立てます。

腎は五臓の1つで、その機能(腎気)は、生きるために必要なエネルギーや栄養の基本物質である精(せい)を貯蔵し、人の成長・発育・生殖、ならびに水液や骨をつかさどることです。

その腎の陽気が不足している体質が、この証です。陽気とは気のことで、人体の構成成分を陰陽に分けて考える場合、陰液と対比させて陽気と呼びます。

加齢や、生活の不摂生、過労、慢性疾患による体力低下などによって人体の機能が衰え、冷えが生じてこの証になります。

腎陽が虚弱になると、ホルモン内分泌機能が低下し、橋本病になります。

→ 腎陽を補う漢方薬で橋本病に対処します。


(2)「肝鬱気滞(かんうつきたい)」証

ストレスなどの影響で甲状腺機能が低下しているようならこの証です。

甲状腺の機能低下の原因として、気の流れの停滞もよくみられます。気の流れはさらさらしているのが理想的ですが、ストレスや環境変化により、停滞しやすくなります。

身体の諸機能を調節する臓腑である五臓の肝の機能(肝気)がスムーズに働いていない体質で、ストレスや緊張が持続することにより、この証になります。

肝気の流れの悪化の影響がホルモンバランスの失調に及び、橋本病となります。

仕事の激務による疲労やストレスの蓄積、深夜残業による不規則な生活、家族や周囲との人間関係によるプレッシャーなどが継続、あるいは繰り返すことによっても、この証になります。

→ 漢方薬で肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、橋本病を治していきます。


(3)「気滞血瘀(きたいけつお)」証

血流の悪化が関係している場合も少なくありません。多くの場合、上記の気滞が影響しており、気と血(けつ)の両方の流れが停滞している証です。

肝鬱気滞の影響で血流も鬱滞して「血瘀」証にもなり、この証になります。

→ 漢方薬で肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、さらに血行を促進し、鬱血を取り除き、橋本病を治療します。


(4)「痰湿(たんしつ)」証

腫瘤(はれ、できもの、しこり)ができやすい体質です。

痰湿というのは体内に溜まった過剰な水分や湿気のことです。

この痰湿が慢性甲状腺炎を形成し、橋本病になります。食べ過ぎ、食事の不摂生などによっても、この証になります。

→ 痰湿を取り除く漢方薬で体質を改善し、橋本病を治していきます。


◆橋本病に効果的な漢方薬


四逆散、逍遙散、八味地黄丸、牛車腎気丸、芎帰調血飲、二陳湯、平胃散

あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。

自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。
どうぞお気軽にご連絡をください。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気や症状を改善してくれる漢方処方は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要になります。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や体調により、使う処方が違うからです。

 

そのために必要なのが、カウンセリングです。漢方の専門家がじっくりとお話をうかがって、あなたの体質を判断し、あなたに最適な漢方薬を決めていきます。

 

当薬局は、帝国ホテル内にあるカウンセリング専門の漢方薬局です。まず薬局でカウンセリングをし、その方のご症状やご体質をしっかりと把握し、それをもとに、おひとりおひとりに最適な漢方薬を調合しております。

 

自分にあった漢方薬に出会う秘訣は、「信頼できる専門家のカウンセリングを受けること」です。しっかりしたカウンセリングを受けて、あなたに最適な漢方薬を見つけてください。

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