糖尿病(高血糖)

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◆合併症に至らないうちに糖尿病体質そのものを漢方で改善


糖尿病は、糖・タンパク・脂質の代謝異常のことで、血液中の糖分つまり血糖が慢性的に過剰になりやすい体質をさします。

40歳以上の10人に1人が糖尿病、予備群を合わせると16%が糖尿病、という調査結果もあります。

糖尿病では、膵臓で産生され、血糖値を下げるホルモンであるインスリン(インシュリン)がうまく働かなくなり、血液中の糖分量が慢性的に過剰になります。

糖尿病にはいくつかのタイプがあり、その大半は、インスリンの量や働きが不十分となる2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)です。生活習慣病のひとつであるこのタイプの場合、血糖値は何年もかけてゆっくり上昇し、多くの場合、40歳以降に発症します。

初めのうちは自覚症状がまったくないことが多いのですが、次第に、疲れやすい、だるい、肌がかさかさ乾燥して痒い、手足の感覚が鈍くなる、感染症によくかかる、切り傷など皮膚の傷が治りにくい、目がかすむ、性機能の減退(ED)などの症状がみられるようになります。

高血糖の状態が持続すると、のどや口が渇いて水分を多く飲む、尿の回数が増える、体重が減少する、など糖尿病特有の症状が現れます。

また高血糖の状態が長期にわたって持続 すると、血管壁の変性や血管腔の狭窄が起こります。つまり血管の壁が硬くなり、血管の中が狭くなります(動脈硬化)。動脈硬化になると、心疾患や脳卒中になるリスクが高まります。。

ただし血糖値が高くても自覚症状の現れない場合も多く、そのため放置する人の多いのが現状です。

しかし糖尿病は上記のようにじ わじわと血管を硬くし、血液の通り道を狭くしていきますので、放っておくと合併症を引き起こすことになります。

おもな合併症には、先の動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞だけでなく、腎臓障害(糖尿病腎症)、網膜症(糖尿病網膜症)などがあります。神経障害を伴うことが多く(糖尿病神経障害)、足のしびれや痛みや感覚異常、立ちくらみや寝汗、動作の緩慢なども引き起こされます。こむら返りも起こしやすくなります。

西洋医学的には、食事制限(食事療法)、適度な運動の励行(運動療法)を基本とし、必要に応じて、経口血糖降下薬やインスリン注射薬が処方されます。

一方、中医学(漢方)では、糖尿病体質そのものを改善することにより、糖尿病の改善に当たります。具体的には、漢方薬を用いて、体内の水分バランスやホルモンバランスを調整し、内臓の機能を整え、自然治癒力を高め、血液の流れをさらさらにし、血管壁 の柔軟性を保持し、自然治癒力を高めていきます

 

◆漢方による糖尿病のとらえかたと対策

<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>

漢方では「糖尿病体質」のベースに「陰虚(いんきょ)」という状態があると考えます。

陰虚とは陰液(いんえき:人体の基本的な構成成分のうちの血や体液などの液体成分)が不足している体質や病状のことで、血や津液による滋養作用が低下している状態を意味します。

陰液の不足による手足のしびれ、やせる、などの症状に加え、水分不足で相対的に熱が優勢となるので、熱感、手足のほてり、口渇、寝汗などの熱証がみられます。

糖尿病は、まさにこの状態ですので、陰虚の治療が糖尿病の漢方治療のベースになります。さらに細かく見ると次のような証が見られます。

これらの証は病状に従って変化・混在することも多く、実際にはひとりひとりの状態が異なっています。自分に最適の漢方薬を選ぶためには専門家に相談することをお勧めします。

(1)「肺陰虚(はいいんきょ)」証

口や舌が渇いて大量の水を飲む、など上半身(上焦:じょうしょう)で症状がみられるならこの証です。

は五臓のひとつで、呼吸をつかさどる臓腑です。また「皮毛をつかさどる」機能もあり、皮膚と深い関係にあります。この肺の陰液(肺陰)が不足している体質が、この証です。

血糖値が上昇して肺の陰液を消耗すると、この証になります。

→ 肺の陰液を補う漢方薬で糖尿病を治療していきます。

(2)「脾気陰両虚(ひきいんりょうきょ)」証

たくさん食べるのにお腹が空く、やせる、など人体の中心部(中焦:ちゅうしょう)でおもに症状がみられるならこの証です。

は五臓のひとつで、六腑の胃との共同作業で飲食物を消化して栄養物質を吸収し、気・血・津液・精の生成源とし、必要成分を全身に輸送します。飲食物の消化吸収や代謝と関係が深い臓腑です。

このの機能(脾気)が低下した証を、「脾気虚(ひききょ)」証といいます。そして脾気虚が進んで脾の血などの物質面(脾陰)も不足した証が、脾気陰両虚です。糖代謝の異常と関係があります。

→ 脾気と陰液を補う漢方薬で糖尿病を治していきます。

(3)「腎陰虚(じんいんきょ)」証

頻尿、腰や膝がだるい、など下半身(下焦:げしょう)で症状がみられるならこの証です。

は五臓のひとつで、生きるために必要なエネルギーや栄養の基本物質である精(せい)を貯蔵し、人の成長・発育・生殖、ならびに水液や骨をつかさどる臓腑です。ホルモン内分泌系や、生殖器泌尿器系、免疫機能と深い関係にあります。

このの陰液(腎陰)が不足している体質が、腎陰虚です。加齢や過労、不規則な生活、大病や慢性的な体調不良、性生活の不摂生などによって腎陰が減ると、この証になります。

のぼせ、寝汗などの熱証がみられます。

→ 腎陰を補う漢方薬で糖尿病の治療をします。

(4)「血瘀(けつお)」証

血流障害が生じているようなら、「血瘀(けつお)」証の治療もします。

血瘀は、血の流れが鬱滞しやすい体質です。

血管の微小循環障害や、流動性の異常、精神的ストレス、寒冷などの生活環境、寒冷刺激、不適切な食生活、運動不足、水液の停滞、生理機能の低下などにより、この証になります。疾患や体調不良が慢性化、長期化してこの証になることもあります。

→ 血行を促進する漢方薬で血流を改善し、糖尿病の治療や、合併症の予防をします。

(5)「陰陽両虚(いんようりょうきょ)」証

この証は一般に糖尿病患者に共通してみられやすい状態です。

人体の基本的な構成成分である気・血・津液・精を陰陽に分けると、気が陽であり、残りの血・津液・精が陰となります。

気・血・津液・精は互いに密接な関係にあり、機能的な面が主体の気は「陽気」、物質的な面が主体の血・津液・精は「陰液」と呼ばれます。

陽気と陰液を合わせたものが人体そのものである「正気(せいき)」であり、病邪と対置されます。正気が安定していれば病邪が人体を侵すことはなく、人は健康を維持できます。

この陽気と陰液の両方が不足している体質や病状が、陰陽両虚証です。糖尿病のベースの陰虚に気虚と冷えが重なり、この証になります。

→ 漢方薬で陽気と陰液の両方を補い、糖尿病の治療に当たります。

 

◆糖尿病に効果的な漢方薬


滋陰降火湯、啓脾湯、六味地黄丸、桂枝茯苓丸、八味地黄丸

糖尿病に用いる漢方薬は、ひとりひとりの体質や症状によって大きく違ってきます。

漢方薬で水分バランスやホルモンバランスを調整すればいいのか、自然治癒力を高めることを重点的に考えればいいのか、血流の改善をすればいいのか、内臓の働きを正常化させて体調を整えればいいのか、などにより、用いる処方が違ってくるのは当然です。

糖尿病にはこの漢方薬がいい、などというものはありません。中医師など漢方の専門家のカウンセリングを受けて、自分に最適な漢方処方を選んでください。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気や症状を改善してくれる漢方処方は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要になります。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や体調により、使う処方が違うからです。

 

そのために必要なのが、カウンセリングです。漢方の専門家がじっくりとお話をうかがって、あなたの体質を判断し、あなたに最適な漢方薬を決めていきます。

 

当薬局は、帝国ホテル内にあるカウンセリング専門の漢方薬局です。まず薬局でカウンセリングをし、その方のご症状やご体質をしっかりと把握し、それをもとに、おひとりおひとりに最適な漢方薬を調合しております。

 

自分にあった漢方薬に出会う秘訣は、「信頼できる専門家のカウンセリングを受けること」です。しっかりしたカウンセリングを受けて、あなたに最適な漢方薬を見つけてください。

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