頻尿の症例
薬石花房 幸福薬局 の漢方薬で頻尿の改善に効果があった症例
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■症例1「膀胱炎です。頻尿で、残尿感があります」
尿の色は濃く、ときに排尿痛を伴います。数年前から膀胱炎にかかりやすくなりました。舌は赤く、黄色い舌苔が付着しています。
この人の証は「湿熱」です。湿熱は体内で過剰な湿邪と熱邪が結合したものです。湿邪は湿っぽい性質、熱邪は熱っぽい性質を持つ病邪です。この湿熱邪が膀胱に侵入することにより、頻尿が発生します。
尿路への細菌の侵入だけでなく、脂っこい物、刺激物、味の濃い物、生ものやアルコール類の日常的摂取や大量摂取、不潔なものの飲食などにより、この証になります。
残尿感、尿の色が濃い、排尿痛、赤い舌、黄色い舌苔などは、この証の特徴です。排尿時の熱感、尿意促迫、いらいらしやすい、などの症状を伴う場合もあります。逆に排尿困難になる場合もあります。
この証の人に対しては、湿熱を除去する漢方薬で、頻尿を改善していきます。服用を始めて2週間くらいで排尿痛が緩和され、1カ月後には頻尿も解消しました。
頭痛、不眠、黄色い舌苔がべっとりと付着している、などの症候を伴う場合は、それを考慮した漢方薬を使います。
■症例2「年齢とともにトイレが近くなりました。特に夜、毎晩3回ほど尿意で目が覚め、質の良い睡眠が取れません」
尿は毎回、まとまった量が出ます。薄い色をしています。昼間は逆にあまりトイレに行きません。歳とともに寒がりにもなりました。手足が冷えます。舌は赤みが少なく、白っぽい色をしており、湿っぽい舌苔が付いています。
この人の証は「腎陽虚(じんようきょ)」です。成長・発育・生殖ならびに水液や骨をつかさどる五臓の腎の機能(腎気)が不足している体質です。
老化や慢性疾患により、体の機能が衰えて冷えが生じると、この証になります。津液を全身に行き渡らせる機能が低下し、津液が停滞するため、昼間はむくみやすくなります。
この体質の場合は、漢方薬で体を温めて腎陽を補い、頻尿を治します。この人は漢方薬を服用することにより夜間の頻尿が少しずつ改善され、1年後には夜トイレに起きるのが1回で済むまでになりました。むくみがひどい場合は、それに応じた処方を使います。
同じような腎気の不足による頻尿でも、尿の色が濃く、量が少ない場合もあります。その場合は「腎陰虚(じんいんきょ)」証で、また違う処方で頻尿を改善します。
■症例3「緊張すると、トイレが近くなります。トイレに行ったばかりなのに、またトイレに行きたくなります」
毎回の尿量は、さほど多くはありません。昼間は頻尿なのに、夜寝ている間は一度もトイレに起きません。舌は赤い色をしています。
この人の証は「肝鬱気滞(かんうつきたい)」です。体の諸機能を調節(疏泄:そせつ)する臓腑である五臓の肝の気(肝気)の流れが滞っている体質です。
ストレスや緊張が持続すると、この証になります。肝気の流れの悪化の影響が膀胱に及び、膀胱内の尿量が少なくても尿意を感じやすくなっています。
頻尿、尿意促迫、赤い舌などは、この証の特徴です。残尿感、便秘と下痢を繰り返す、などの症状を伴う場合もあります。
この証の場合は、漢方薬で肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、頻尿を治していきます。この人は漢方薬を服用し、3カ月後には頻尿が気にならないくらいになりました。便の調子もよくなったと喜ばれました。
いらいら、のぼせ、口渇などの熱証が強い場合は、それを考慮した漢方薬を使います。
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腎が弱い人には、くるみや山芋など腎気を補う食品、緊張でトイレが近くなる人には、玉ねぎや香味野菜など気の流れをよくする食品を意識して食べるなど、日常生活での養生も効果的です。
よく使う漢方薬
五淋散、竜胆瀉肝湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、人参湯、 八味地黄丸、牛車腎気丸、六味地黄丸、四逆散、味逍遙散
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以上の症例は「日経DIオンライン」に幸井俊高が執筆した以下の記事にも掲載しています。
頻尿の考え方と漢方処方
慢性的な頻尿への漢方処方
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