尿失禁(尿もれ)の症例

薬石花房 幸福薬局 の漢方薬で尿失禁(尿もれ)が治った症例

こちらは症例紹介ページです。尿失禁の解説ページは こちら へどうぞ

■症例1「歳とともに尿もれをするようになってきました。喘息持ちで、咳をするときなどに尿がもれます」

62歳の女性です。50歳くらいから尿失禁がありましたが、歳とともにその頻度が増えてきました。くしゃみをするときにも尿もれがあります。

夜寝ている間に1~2回、尿意で目が覚め、トイレに行きます。腰や膝がだるく、冷え症です。舌は淡白色で湿っており、舌苔も白く湿っています。

この女性の証は「腎陽虚(じんようきょ)」です。腎の陽気が不足している体質です。加齢とともにこの証になり、尿失禁をするようになったものと思われます。

夜間頻尿、腰や膝のだるさ、冷え症、淡白色で湿った舌、白く湿った舌苔などは、この証の特徴です。耳鳴り、ふらつきなどの症状を伴う場合もあります。

この証の人に対しては、腎陽を補う漢方薬で尿失禁に対処します。この患者は漢方薬を服用してから次第に尿失禁の回数が減り、8カ月後には咳やくしゃみをしてもほとんど尿もれがなくなりました。夜トイレに起きる回数も減り、熟睡できるようになりました。


■症例2「会議など長時間トイレに行けない状況で急に尿意をもよおし、我慢できなくなることがあります(尿意切迫感)。トイレに立つのが恥ずかしいので、いつもぎりぎりまで我慢するのですが、先日はふとした拍子に限界を超え、尿がもれました」

48歳の女性です。外出先ではまずトイレの場所を確認します。尿失禁を経験してからは、椅子から慎重にゆっくり立ち上がるようにしています。便もすっきり出ず、便秘と下痢を繰り返します。舌は紅く、白い舌苔が薄く付着しています。

この女性の証は「肝鬱気滞(かんうつきたい)」です。体の諸機能を調節する臓腑である五臓の肝の機能(肝気)がスムーズに働いていない体質です。精神的なストレスや緊張の持続などにより、この証になります。

肝は、自律神経系と関係が深い臓腑です。ストレスが軽くなり、ほっとリラックスした瞬間など、ふとした拍子に尿もれが生じます。

この証の場合は、漢方薬で肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、尿失禁を治していきます。この人は漢方薬を服用し、2カ月後には尿意切迫感と尿もれがともになくなりました。

便の調子も良くなりました。四六時中トイレのことを考えていたのが嘘のようだ、長距離のバス旅行にも行けるようになった、と喜ばれました。


■症例3「家が近付くと気が緩んでしまうのか急に尿意が起こり、我慢できなくなって家の前で尿がもれることがあります。特にお酒を飲み過ぎたときに多いように思います」

52歳の男性です。帰宅してトイレにたどり着いても下着を下ろすのが間に合わず、もらしてしまうこともあります。

日頃から飲酒を好み、脂っこいものや味の濃いものを好んで食べます。舌は紅く、黄色い舌苔がべっとりと付着しています。

この男性の証は「湿熱(しつねつ)」です。湿熱は体内で過剰な湿邪と熱邪が結合したものです。この男性の場合は脂っこいもの、味の濃いもの、アルコール類の日常的摂取や大量摂取により、この証になったようです。

湿熱邪が膀胱に侵入することにより、尿もれが生じます。排尿痛がみられることもあります。

この証の人に対しては、湿熱を除去する漢方薬で、尿失禁を改善していきます。この患者は、漢方薬の服用を始めて5カ月ほどで尿がもれることがなくなりました。 

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以上の症例は「日経DIオンライン」に幸井俊高が執筆した以下の記事にも掲載しています。
尿失禁(尿もれ)の考え方と漢方処方
切迫性尿失禁への漢方処方

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