膀胱炎(尿路感染症)

漢方では膀胱炎を起こしやすい体質から改善

膀胱炎は尿路感染症のひとつで、膀胱粘膜に生じる炎症性疾患です。

(膀胱炎が治った症例紹介ページは こちら

膀胱炎の症状 排尿痛・残尿感・頻尿・血尿・尿が濁る・排尿困難など

尿路感染症とは、尿路(尿が体外に排泄されるまでの通り道)に細菌が感染して炎症を起こしている疾患です。

膀胱炎のほかには、腎の細菌感染症である腎盂腎炎があります。

尿路感染症の多くは、大腸菌によるものです。したがって尿道口と肛門との距離が近く、尿道が短い女性に多く発症します。

また冷えやストレス、疲労の蓄積などにより、膀胱炎になる場合もあります。


◆膀胱炎の治療法:西洋医学は「殺菌」、漢方は「機能改善」


西洋医学では、大腸菌などの細菌に対する抗菌薬(抗生物質など)を使い、殺菌して治療します。多くの場合、この治療法により尿路感染症は完治します。

しかし抗菌薬によって殺されにくい細菌も存在することや、細菌感染以外の要因が深く関係している場合もあり、完治しないことや再発を繰り返し慢性化することも少なくありません(慢性膀胱炎など)。

このような人は、背景ににバランスの乱れや体質的な弱点となっている要因があるため、他の人と比べて膀胱炎になりやすい状態になっていると考えられます。

こういう場合に漢方薬が効果を発揮します。

漢方では、膀胱炎になりやすい体質には臓腑の腎・膀胱・肝の不調が関わっている場合が多いと考え、これらの機能を調えることで治療するのが一般的です。

精を蔵し、成長・発育・生殖をつかさどるほかに、体液の代謝全般の根本的な調整をします。これを「腎は水をつかさどる」といいます。
膀胱 尿の貯留と排泄をつかさどります。腎と膀胱の連携により、体内で不要となった廃液が膀胱に送られ、尿として排泄されます。
排尿に関する代謝全体の調節は、五臓の肝(かん)がつかさどります。


◆膀胱炎になりやすいタイプ・・・あなたはどれ?

<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>

(1)「腎陽虚(じんようきょ)」証

頻尿、とくに夜間の頻尿が顕著で、排尿痛は軽いようならこの証です。

腎の陽気(腎陽)が不足している体質です。陽気とは気のことで、人体の構成成分を陰陽に分けて考える場合、陰液と対比させて気のことを陽気と呼びます。

加齢とともに生じやすい証ですが、加齢だけでなく、過労、生活の不摂生、慢性疾患による体力低下などによっても人体の機能が衰え、冷えが生じてこの証になります。

陽気の不足により、下半身や手足の冷え、寒がりなどの寒証がみられます。頻尿も寒証のひとつです。日中は排尿困難となる場合もあり、尿失禁や腰痛もみられます。

→ 腎陽を補う漢方薬で、膀胱炎(尿路感染症)の治療をしていきます。

(2)「腎陰虚(じんいんきょ)」証

排尿痛が慢性化しており、残尿感や、尿道の灼熱感がみられるならこの証です。

腎の陰液(腎陰)が不足している体質です。陰液とは人体の基本的な構成成分のうちの血・津液・精のことです。

加齢や過労、不規則な生活、大病や慢性的な体調不良、性生活の不摂生などによって腎陰が減ると、この証になります。

陰液の不足により相対的に陽気が優勢となり、のぼせ、寝汗などの熱証が表れます。尿道の灼熱感も熱証のひとつですが、ほかにも、尿は色が濃く少量で、ときに血尿や白濁した尿が出る、などの熱証も表れます。

→ 腎陰を補う漢方薬で膀胱炎(尿路感染症)の治療をします。

(3)「膀胱湿熱(ぼうこうしつねつ)」証

排尿痛、尿意促迫、頻尿、尿道灼熱感などがみられる場合はこの証です。

湿熱邪が膀胱に凝集し、膀胱の機能を障害している状態です。湿熱は体内で過剰な湿邪と熱邪が結合したものです。

細菌の尿路への侵入だけでなく、清潔とはいえない生活環境、脂っこいもの、刺激物、味の濃いもの、生もの、アルコール類の日常的摂取や大量摂取、不潔なものの飲食などにより、この証になります。

湿邪により頻尿尿意促迫が、そして熱邪により排尿痛や排尿時の尿道灼熱感が生じます。排尿困難尿失禁が生じる場合もあります。

→ 膀胱の湿熱を除去する漢方薬で、膀胱炎(尿路感染症)の治療をします。

(4)「肝鬱気滞(かんうつきたい)」証

排尿時に張った痛みがある、情緒変動で痛みや排尿困難が誘発される、頻尿などの症状がみられる場合はこの証です。

からだの諸機能を調節し、情緒を安定させる働きを持つ臓腑である五臓の肝の機能(肝気)がスムーズに働いていない体質です。

肝は自律神経系と関係が深い臓腑です。一般に、精神的なストレスや、緊張の持続などにより、この証になります。

調節機能の失調が水液排泄調節機能に及び、膀胱炎となります。残尿感や尿意促迫、尿失禁もみられます。

→ 漢方薬で肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、膀胱炎(尿路感染症)を治していきます。

(5)「心火(しんか)」証

排尿時に灼熱感を伴う痛みがあり、色の濃い尿が出るようならこの証です。

心は、心臓を含めた血液循環系(血脈)と、人間の意識や判断、思惟などの人間らしい高次の精神活動をつかさどります。自律神経系と深い関係にあります。

この心に、過度の心労、思い悩み過ぎ、過労が続くことなどにより負担がかかり、心の機能(心気)が過度の刺激を受けて亢進すると、この証になります。排尿困難や尿失禁も生じます。

→ 心火を冷ます漢方薬で、膀胱炎(尿路感染症)を治療します。

(6)「脾気虚(ひききょ)」証

排尿に時間がかかる、尿に勢いがない、などの症状がみられるようならこの証です。

消化吸収や代謝をつかさどり、気血(エネルギーや栄養)の源を生成する五臓の脾の機能(脾気)が弱い体質です。

脾は六腑の胃とともに飲食物の消化吸収をつかさどり、食べたもののうちの残りのかすを下に降ろします。この機能が失調すると、尿が出にくくなります。

加齢、過労、生活の不摂生、慢性疾患などにより脾気を消耗すると、この証になります。

排尿時になかなか尿が出始めない、などの排尿困難や、尿失禁疲れると排尿痛が顕著になる、などの症状もみられます。

→ 漢方薬で脾気を強めることにより、膀胱炎(尿路感染症)の治療を進めます。

(7)「寒凝(かんぎょう)」証

温めると排尿痛が軽減するようならこの証です。

冷え症である場合はもちろん、冷たい飲食物の摂取、ファッション重視の薄着、寒冷の環境での仕事や生活などにより、寒冷の性質を持つ病邪である寒邪(かんじゃ)が体内に侵入すると、この証になります。

この寒邪が腎や膀胱に下降してその機能を乱すと、排尿痛や頻尿などの症状が生じます。

尿意促迫、尿失禁、残尿感、うすく透明な尿などもみられます。抗生物質が効かないタイプの膀胱炎の一種です。

→ 体内を温めて血行を促進する漢方薬で、膀胱炎(尿路感染症)を治していきます。

なお中医学では尿路感染症は淋証と称され、尿に砂石が混じる石淋、米のとぎ汁のような白濁した尿が出る膏淋、血尿を伴う血淋、尿が出づらく下腹部が張る気淋、灼熱痛を伴う熱淋、疲労時に症状が表れる労淋などに分類されます。治療にはそれぞれの症状や証に合わせ、上記の処方が単独や併用で用いられます。

◆膀胱炎に効果的な漢方薬


五淋散、清心蓮子飲、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、牛車腎気丸、知柏地黄丸、四逆散、補中益気湯


自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。

どうぞお気軽にご連絡をください。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気や症状を改善してくれる漢方処方は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要になります。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や体調により、使う処方が違うからです。

 

そのために必要なのが、カウンセリングです。漢方の専門家がじっくりとお話をうかがって、あなたの体質を判断し、あなたに最適な漢方薬を決めていきます。

 

当薬局は、帝国ホテル内にあるカウンセリング専門の漢方薬局です。まず薬局でカウンセリングをし、その方のご症状やご体質をしっかりと把握し、それをもとに、おひとりおひとりに最適な漢方薬を調合しております。

 

自分にあった漢方薬に出会う秘訣は、「信頼できる専門家のカウンセリングを受けること」です。しっかりしたカウンセリングを受けて、あなたに最適な漢方薬を見つけてください。

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