治りにくい風邪(かぜ)

「かぜは百病の長」早く治すのが大事


漢方では「風邪(ふうじゃ)は六淫(ろくいん)の首(しゅ)と為す」といい、風邪(ふうじゃ)は諸病のきっかけとなるので長引かせないように早く治すことが大事だと説いています。

この六淫とは、病邪の一分類です。自然界の気候変化に似た六気(風・寒・暑・湿・燥・火または熱の六つ)が必要以上に勢力を増して、病気を引き起こす状況になったとき、六淫(風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪または熱邪の六つ)になり、人の健康を脅かします。

六気は健康に欠かせないものですが、強すぎるとかえって病気の原因になるということです。風邪(ふうじゃ)は、これら六つの病邪の中で主要なものに位置付けられます。

かぜは漢字で「風邪」と書きますが、漢方では「風邪」といえば、この六淫のひとつである風邪(ふうじゃ)を意味します。ややこしいのですが、かぜ(風邪)という病気は、漢方でいう風邪(ふうじゃ)が人体に侵入してきて発生する病気のひとつです。

「かぜは百病の長」ともいいます。かぜは、長引かせないことが重要です。

◆かぜの初期に効果的な漢方薬


引き始めのかぜ(風邪)には主に3つのタイプがあります。この段階で適切な漢方薬を用いると早く治すことができます。

タイプ 特徴 効果的な漢方薬
風寒証 悪寒、鼻水、頭痛、節々の痛み、肩や首筋のこり、じっとりとした汗 麻黄湯、桂枝湯、葛根湯
風熱証 発熱、頭が割れるように痛い、のどが渇く、目の充血、痰が黄色く粘っこい、舌が赤い など 銀翹散、白虎加人参湯、麻杏甘石湯
半表半裏証 寒くなったり熱くなったりする「往来寒熱」という症状。病邪と免疫力との力関係で、寒くなったり熱くなったりする。 小柴胡湯、柴胡桂枝湯

かぜに効く漢方として葛根湯が有名ですが、葛根湯は風寒証のかぜにのみ効く処方です。風熱証のかぜに葛根湯を使うと熱証がますます盛んになって病態を悪化させることもあります。判断が難しければ専門家に相談し、適切な処方を用いてください。


◆かぜが長引く人は漢方で免疫力強化を


引き始めで治せずに長引いてこじれてしまったかぜには別の治療法が必要になります。

咳、鼻水、熱、だるさなどの症状がいつまでも続く、あるいは治ってもまたすぐにかぜを引くといった場合は、からだの免疫力が低下しています。

かぜを引き起こすウイルス感染などを自分の免疫力で撃退しきれないために長期化、悪化、再発を招いてしまうのです。

したがって、漢方薬で免疫力を強化すれば、かぜが早く治ります。また、かぜを引きにくくなります。

漢方では「衛気(えき)」という種類の「気」(生命エネルギー)が人体への病気の侵入を防ぐバリアの役割を果たしていると考えます。

かぜのように外界からの病邪の侵入から人体を防御するには、この衛気の存在が重要になるため、かぜに弱い人は衛気を高める漢方薬を服用することでかぜを引きにくい体質に改善することができます。

またかぜがきっかけで特定の症状、たとえば咳、鼻水、鼻づまりなどが慢性化してきた場合には、その症状に焦点をあてた治療が第一となりますが、ベースにある免疫力不足の改善が大切なことは言うまでもありません。

 

◆西洋薬では免疫力強化できない


西洋医学では、かぜ薬(総合感冒薬)の処方内容を見れば明らかなように、おもに症状を抑える「対症療法」でかぜの治療に取り掛かります。

総合感冒薬は、熱を下げる解熱薬、咳を抑える鎮咳薬、くしゃみや鼻水を抑える抗ヒスタミン剤などが混合された薬なのです。

つまり総合感冒薬は、自然治癒を待つあいだ、かぜの症状を抑えるための薬です。西洋薬はからだの免疫力、治癒力を高める力を持っているわけではないのです。

抗菌剤(抗生物質)が処方される場合も多くありますが、ウイルスが原因のかぜに対して、細菌をターゲットとする抗菌剤が作用することはなく、利点より副作用の危険性が上回ると指摘されています。

こうした実情に対して厚生労働省は「感冒(かぜ)に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する。」という内容を含んだ医師向けの手引書を作成しています。

「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版」平成29年6月1日 厚生労働省健康局結核感染症課
同ダイジェスト版

 

◆かぜに弱い人の体質改善に効果的な漢方薬


桂枝加黄耆湯、黄耆建中湯、補中益気湯、小建中湯

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