鼻炎

◆鼻炎は主に3種類 。漢方薬がよく効くのは?


鼻炎は鼻粘膜の炎症のことで、急性鼻炎慢性鼻炎アレルギー性鼻炎などがあります。


急性鼻炎

ウイルスや細菌の感染、あるいは物理的・化学的な刺激により発症する鼻炎で、いわゆるはなかぜも含まれます。

主な症状: くしゃみ・鼻みず・鼻づまり・のどの痛みなど。発熱や頭痛・食欲不振・腹痛・下痢などの症状を伴うことも。

慢性鼻炎

鼻粘膜が増大する肥厚性の鼻炎と、逆に鼻粘膜が減少する萎縮型の鼻炎とがあります。急性鼻炎の慢性化や、アデノイド・副鼻腔炎からの波及、その他鼻汁排泄障害などにより、慢性鼻炎となります。

睡眠時無呼吸症候群の原因となることもあります。

主な症状:鼻づまりと粘膿性の鼻みず、頭痛や嗅覚障害を伴う場合も。萎縮性鼻炎は女性に多く、しばしば異臭を放ちます。

アレルギー性鼻炎

鼻アレルギーともよばれるアレルギー性の疾患です。通年性と季節性の鼻アレルギーがあり、通年性ではハウスダスト、ダニなどが、そして季節性では春のスギやヒノキなどの樹木、夏のカモガヤなどのイネ科、秋のブタクサやヨモギなどの雑草の花粉が抗原となります。

主な症状:くしゃみ、水のような鼻みず、鼻づまり、そして眼のかゆみなど。

このうち漢方薬がよく効くのは、おもに慢性鼻炎とアレルギー性鼻炎です。そのわけは、鼻炎に対する漢方と西洋医学のとらえ方の違いにあります。詳しくは、以下のとおりです。

◆鼻炎に対する西洋医学と漢方の違い


西洋医学では
西洋医学では、急性鼻炎に対しては、そのおもな原因であるウイルスに作用する薬剤がなく、咳止め・解熱剤・抗ヒスタミン剤などによる対症療法が主体となります。

慢性鼻炎に対しては、抗生物質やステロイド剤の投与、鼻内の洗浄や排膿、手術などが一般的です。アレルギー性鼻炎に対しては、くしゃみや鼻みずなどの症状を抑えるための抗ヒスタミン剤の投与が一般的です。

多くの場合、症状を抑えるには有効ですが、鼻炎そのものの改善をしているわけではありませんので、薬を飲み忘れたりすると、すぐ症状が再発します。

漢方では
一方、中医学(漢方)では、漢方薬を用いてアレルギー体質そのものを改善したり、免疫力を向上させたりすることにより、鼻炎の改善を行います。

漢方薬を飲み続けるうちに体質が改善され、その結果症状が緩和されますので、とくに慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎には効果的です。

このように漢方薬には鼻炎を根本的に改善する作用がありますが、急激な鼻炎症状を抑える力は西洋医薬に及ばない場合もありますので、体質を漢方薬で改善しつつ、症状がひどいときには抗ヒスタミン剤などで症状を抑える、という方法が現代社会では好ましい方法のひとつでしょう。


◆鼻炎になりやすいタイプ・・・あなたはどれ?

<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>

(1)「肝鬱気滞(かんうつきたい)」証

自律神経系や情緒の安定と関係が深い「」の気の流れが悪くなっている状態。気の流れが悪いため体液の流れが鼻で滞り、鼻水や鼻づまりが生じている。

背景にストレスや緊張がある場合が多い。

肝鬱気滞で出やすい症状
鼻水が透明、気の流れが活発になる春や秋、一日のなかでは朝に、症状が強く表れる、いらいらしやすい、胸のつかえ、胸脇部の張った痛み、便秘と下痢を繰り返す など

→ 肝気の流れを改善し、ストレス抵抗性を高める漢方薬を用いる。

(2)「肺熱(はいねつ)」証

呼吸・水分代謝・体温調節などの機能をつかさどる「」に熱がたまっている状態により、鼻づまり・鼻水が生じている。

副鼻腔炎にみられやすい。

肺熱で出やすい症状
黄色い鼻汁、喉の渇き、嗅覚の減退、赤い舌、黄色い舌苔 など

→ 肺熱を除去する漢方薬を用いる。

(3)「痰飲(たんいん)」証

体内に停滞する異常な水液や物質である痰飲をためこむ体質。鼻で痰飲が増える結果、鼻水や鼻づまりが生じる。

痰飲で出やすい症状
季節の変わり目や気温の変化で鼻づまりが生じやすい、舌が腫れぼったく歯型がついている など

→ 痰飲を除去する漢方薬を用いる。

さらにこんなケースも
痰飲で、鼻づまりが強く、のぼせ感がある場合は熱証の痰飲
水のような薄い鼻水の場合は寒証の痰飲

(4)「腎陽虚(じんようきょ)」証

成長・発育・生殖ならびに水液をつかさどる「」の機能が低下している状態。水液が停滞し、鼻水が生じる。

腎陽虚で出やすい症状
うすい鼻水、気温差で出る鼻水、寒がり、手足の冷え、大きくて白っぽい舌、湿った舌苔 など

→ 身体を温めて腎機能を強める漢方薬を用いる。

(5)「腎陰虚(じんいんきょ)」証

成長・発育・生殖ならびに水液をつかさどる「腎」において陰液(人体に必要な血や体液などの水分)が不足している体質。腎陰の不足により、鼻が潤わず、鼻づまりが生じる。

腎陰虚で出やすい症状
鼻腔の乾燥、鼻血、のぼせ、ほてり、耳鳴り、便が硬い など

→ 腎陰を補う漢方薬を用いる。

(6)「血瘀(けつお)」証

血流が鬱滞しやすい体質。鼻腔内で血行がわるい状態となると、鼻腔内の粘膜でうっ血が生じ、鼻がつまる。

血瘀で出やすい症状
鼻づまりが治りにくい、嗅覚の減退、便秘、下肢の冷え、肩こり、顔色がどす黒い、舌が紫っぽい など

→ 血行を促進し、うっ血を取り除く漢方薬を用いる。


◆鼻炎に効果的な漢方薬


鼻炎に用いられる漢方薬は、鼻炎の状態や特徴、それにひとりひとりの体質によって大きく違ってきます。

漢方薬で内臓の働きを正常化させて体調を整えればいいのか、血行や水分代謝を改善すればよいのかなどにより、用いる処方が違ってくるのは当然です。鼻炎にはこの漢方がいい、などというものはありません。

比較的よく使う処方は以下の通りです:

辛夷清肺湯、白虎加人参湯、桂枝茯苓丸、四逆散、越婢加朮湯、麻黄附子細辛湯、八味地黄丸、六味地黄丸

漢方薬を飲む際は、中医師など漢方の専門家のカウンセリングを受けて、自分に最適な漢方処方を選んでください。

あなたに合った漢方薬がどれかは、あなたの体質により異なります。自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶようにするのがいいでしょう。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気や症状を改善してくれる漢方処方は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要になります。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や体調により、使う処方が違うからです。

 

そのために必要なのが、カウンセリングです。漢方の専門家がじっくりとお話をうかがって、あなたの体質を判断し、あなたに最適な漢方薬を決めていきます。

 

当薬局は、帝国ホテル内にあるカウンセリング専門の漢方薬局です。まず薬局でカウンセリングをし、その方のご症状やご体質をしっかりと把握し、それをもとに、おひとりおひとりに最適な漢方薬を調合しております。

 

自分にあった漢方薬に出会う秘訣は、「信頼できる専門家のカウンセリングを受けること」です。しっかりしたカウンセリングを受けて、あなたに最適な漢方薬を見つけてください。

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