鼻炎の症例

(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高

薬石花房 幸福薬局 の漢方薬で鼻炎が治った症例

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■症例1「鼻がつまります。額のあたりが重く感じます。病院で副鼻腔炎といわれました」

症状としては鼻づまりがメインですが、黄色っぽい鼻汁も出ます。喉の渇きもあります。アルコールや味の濃いもの、甘いものが好きで、そういうものをたくさん飲食した翌日は症状が強く出ます。最近は、匂いをあまり感じなくなった気がすることもあります。舌は赤く、黄色い舌苔が付着しています。

この人の証は「肺熱」です。呼吸・水分代謝・体温調節などの機能をつかさどる五臓の肺に熱邪がたまっているため、鼻づまりや鼻汁が発生しています。黄色い鼻汁、喉の渇き、嗅覚の減退、赤い舌、黄色い舌苔などは、この証の特徴です。膿性の臭気の強い鼻汁が出ることもあります。

アルコール類、味の濃いもの、甘いものは、体内で容易に熱邪となります。

この証の人に対しては、肺熱を除去する漢方薬でアレルギー体質を改善し、鼻炎を治します。この人は肺熱を冷まし、鼻の通りをよくする漢方薬を用い、1年弱で副鼻腔炎を完治しました。

■症例2「季節の変わり目や起床時に、鼻水が出ます。くしゃみが連続して出ることもよくあります」

もともとストレスに弱いほうで、精神的なストレスや緊張で鼻が詰まることもあります。舌は赤く、白い舌苔が薄く付いています。

この人の証は「肝鬱気滞(かんうつきたい)」です。肝は五臓のひとつで、自律神経系や情緒、気血の流れと関係が深い機能です。この機能は、ストレスや緊張で乱れがちです。その結果、気の流れが悪くなり、体液の流れが鼻で滞り、鼻水や鼻づまり、くしゃみが生じます。

したがって、精神的なストレスや緊張で症状が生じることがあります。季節のなかでは、気の流れが活発になる春や秋、1日のなかでも、気が動き始める朝に、症状が強く表れます。

この体質の場合は、肝気の流れを改善し、ストレス抵抗性を高める漢方薬でアレルギー体質を改善し、鼻炎を治していきます。この人は漢方薬を1年間服用し、鼻炎を治しました。

■症例3「暖かい部屋と寒い外気との温度差などで鼻水が出ます。お風呂上がりに髪の毛が濡れたままでいると冷えてすぐくしゃみや鼻水が出ます」

鼻水はうすくさらさらで水のようです。くしゃみは続けざまに出ます。若いころから寒がりで、特に手足が冷えます。舌は大きくて、色は白っぽく、湿っぽい舌苔が付着しています。

この人の証は「腎陽虚(じんようきょ)」です。腎は五臓のひとつで、成長・発育・生殖をつかさどるだけでなく、水液もつかさどります。この腎の機能が低下することにより水液が停滞し、鼻水が出ます。

うすい鼻水、気温差で出る鼻水、寒がり、手足の冷え、大きくて白っぽい舌、湿った舌苔などは、この証の特徴です。

この体質の人に対しては、身体を温めて腎機能を高める漢方薬を使い、鼻炎を治療します。この人は漢方薬を服用して8カ月で鼻炎を改善しました。手足の冷えも楽になりました。

(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)

*執筆・監修者紹介*

幸井俊高 (こうい としたか)

東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。

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