多汗症・体臭・加齢臭(体験談)

多汗症・体臭・加齢臭が漢方で治った体験談

(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高

多汗症・体臭・加齢臭が漢方薬で治った成功例を紹介します。漢方では、患者さん一人一人の体質に合わせて、処方を決めます。患者さん一人一人の体質に合わせて処方を決め、治療を進めるのが漢方治療の特徴です。

(こちらは症例紹介ページです。解説ページはこちら

緊張やストレスによる多汗症を漢方薬で治療した症例

「手のひらに汗をかきやすく、悩んでいます。仕事は役員秘書で、毎日緊張の連続です。とても気を遣います。書類を扱うことが多く、書類が汗でふやけます。握手をするときも、すごく緊張します」

書類は指先でつまむようにして持つのですが、それでもつまんだ部分が指のかたちにふやけてしまいます。手を広げると、見ているうちに手のひらに汗がにじみ出て、きらきら光ってきます。汗の悩み以外には、PMS(月経前症候群)が強く、いらいらしやすいのも悩みの種です。舌は紅く、黄色い舌苔が付着しています。

この患者さんは、緊張やストレスの影響で熱邪がこもりやすい体質です。過剰な熱邪の影響で多汗証となったのでしょう。PMS、紅い舌、黄色い舌苔などは、この体質の特徴です。

この体質の場合は、漢方薬でストレスに対する抵抗性を高めることにより熱邪を冷まし、多汗症を治療していきます。この患者さんには、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などを服用してもらいました。服用を始めて2か月目くらいからPMSが軽くなってきました。8か月後には、本人もさほど気にならないくらいに汗が減りました。

熱がこもりやすい体質の人の多汗症と体臭を漢方治療した症例

「社会人になってから、汗を多くかくようになりました。ちょっと動き回るだけで、顔や頭、背中から汗がふき出します。体臭も気になります。のぼせやすく、顔がすぐ赤くなります」

仕事は看護師で、ここ10年、毎日一日じゅう動き回って仕事をしています。昼下がりには上半身が汗びっしょりです。寝汗もかきます。夜中に手足がほてって眠りにくいことがあります。舌は深紅色で、舌苔はほとんど付着していません。

この患者さんは、津液の減少により熱邪がこもりやすくなっている体質です。長年にわたる過労で津液を消耗し、相対的に熱証が表面化しやすく、多汗や体臭が日常化しているのでしょう。

この体質の場合は、漢方薬で津液を潤し、熱証を冷ますことにより、多汗症や体臭を改善していきます。この患者さんには、知柏地黄丸(ちばくじおうがん)などを服用してもらいました。1年近くかかりましたが、職場で仕事中も汗や体臭のことがさほど気にならないくらいになりました。

体臭とべとつく汗の悩みを漢方薬で改善した症例

「べっとりとした汗をかきます。体臭も気になります」

汗は全身にかきます。暑い日には顔から吹き出るように汗をかくので、メイク崩れが気になります。ブラウスもすぐ汗でびっしょりになってしまい、電車の中などの人混みでは体臭も気になります。舌は紅く、黄色い舌苔がべっとりと付着しています。

この患者さんは、過剰な湿気と熱が体内にこもりやすい体質です。この湿気と熱が、べとつく汗や体臭として現れているようです。

この体質の場合は、漢方薬で体内の過剰な湿気と熱を除去することにより、多汗や体臭を改善していきます。この患者さんには、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)などを服用してもらいました。4か月後から、汗がさらさらしてきました。体臭も少しずつ気にならなくなってきました。1年後には体臭が気にならなくなりました。

加齢臭を解消した漢方処方例

「体臭が気になります。年齢からして、加齢臭ではないかと心配です」

60代の男性です。体がほてり、とくに夕方から強い熱感があります。夜は布団から足を出して寝ています。寝汗をかきます。長年の糖尿病で、病院の薬を飲んでいます。舌は深紅色で、舌苔はほとんどついていません。

この男性は、津液の減少により熱邪がこもりやすくなっている体質です。長年にわたる過労で津液を消耗し、相対的に熱証が表面化しやすく、多汗や体臭が日常化しているのでしょう。糖尿病も、この体質によるものと考えられます。

加齢だけでなく、慢性的な体調不良や、過労、生活の不摂生などによって津液を消耗すると、この体質になります。ほてり、熱感、夕方から症状が強まる、寝汗、深紅色の舌、少ない舌苔などは、この体質の特徴です。

この体質の人に対しては、津液を補う漢方薬を用いて熱を冷ますことにより、体臭を改善していきます。この患者さんには三物黄芩湯(さんもつおうごんとう)などの漢方薬を服用してもらい、9カ月ほどで体臭が気にならなくなりました。血糖値も下がり、病院の薬を服用しなくてもよくなり、喜ばれました。

疲れやすい人の多汗症の漢方治療症例

「仕事中に、全身にべっとりと汗をかいてしまいます。疲れやすく冷え症で、夏でも自分の汗で体が冷えてしまいます」

販売店で働いており、毎日店頭で接客しています。ぽっちゃりと太めの色白の女性です。夏は食欲がなくなり、たくさん食べられません。そのせいか疲れやすく、元気が出ません。むくみも夏に悪化します。からだが重だるく感じます。舌は白っぽく、白い舌苔が付着しています。

この患者さんは、汗の分泌を調整する肺の機能が弱い体質です。汗が漏れ出るのを防ぐことができず、必要以上に汗が出ています。

この体質の場合は、肺の機能を補う漢方薬で肺の機能を高め、多汗を改善していきます。この患者さんには、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)などを服用してもらいました。8月から漢方薬の服用を始めたこともあり、その年の夏は多汗に大きな改善はみられませんでしたが、夏ばてすることなく残暑を過ごせました。その後、むくみが改善され、元気が出てきて体調がいいので漢方の服用を続けたところ、翌年は夏になってからの汗のかき方が去年と比べて格段に改善され、ほとんど気にならないくらいになりました。

(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)

*執筆・監修者紹介*

幸井俊高 (こうい としたか)

東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI:ドラッグインフォメーション)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気を治し、症状を改善してくれる漢方薬は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要です。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や病状により、使う処方が異なるからです。

 

そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

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