寝汗

◆寝汗は、水分だけでなく、大事な気(エネルギー)も漏れ出る現象です


当薬局では寝汗の漢方治療のご相談をお受けしています。

寝汗の漢方治療の症例紹介ページは こちら

寝汗のことを、中医学では盗汗(とうかん)といいます。まさに眠っている間に、人体に必要な水液である「津液」(しんえき)と「気」(エネルギー)がこっそりと盗み出される――寝汗とはそんな症候なのです。

津液は気とともに体内を循環していますが、寝汗をかいて無駄に津液が体外に漏れ出ることにより、体内にとどめておきたい大切な気も、汗と一緒に漏れ出てしまいます。その結果、朝から疲れを感じるなど、体調が不安定になっていきます。

汗のコントロールを担っているのは、体表を守り、外界からの病邪の侵入から人体を防衛する気の一種である衛気(えき)です。このバリア機能は昼に活発となり、夜間は少し低下します。

健康状態に問題がないのなら、季節に合った寝間着を身につけて、寝具をかけて寝ていれば大丈夫です。しかし、体調が万全でないときは、バリア機能のゆるみに便乗して病邪が勢いを増し、夜間に体調が悪化して寝汗が生じます。

頻繁に寝汗をかき、寝起きがすっきりしない場合は、バリア機能が衰弱していたり、強い邪気が体内に発生していたりなど、体質的な問題が背景にあります。

こうした問題は放置すると他の様々な不調を引き起こす原因にもなりますから、早めに漢方薬で改善することをお勧めします。

同じ寝汗であっても背景の問題は人によって違うので、根本原因をしっかりと見極めた上で適切な漢方薬を選ぶ必要があります。いくつかのケースを次に紹介します。


◆寝汗をかく人によくあるタイプ・・・あなたはどれ?

<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>

(1)「肺衛不固(はいえふこ)」証

肺は五臓のひとつで、汗の分泌の調整をする臓腑です。肺の機能が弱いと衛気が不足し、汗が出ます。衛気が衰える夜間に発汗が過剰になり、寝汗となります。肺気を補う漢方薬で衛気を強め、寝汗を改善していきます。

(2)「心血虚(しんけっきょ)」証

心(しん)は五臓のひとつで、思考・思惟活動をつかさどります。過度の心労が絶えないと心に負担がかかり、心血が消耗してこの証になります。その結果、衛気が衰え、寝汗をかくことになります。漢方薬で心血を潤して寝汗をなくしていきます。

(3)「陰虚火旺(いんきょかおう)」証

慢性的な体調不良や過労により陰液が消耗すると、相対的に熱邪が旺盛になり、この証になります。熱邪は、衛気が弱くなる夜間に勢いを増し、津液を寝汗として体外に放出します。漢方薬で陰液を補って寝汗を治します。

(4)「湿熱(しつねつ)」証

脂っこい食事やアルコール類を、日常的に取ったり、大量に摂取したりすることによって生じた湿熱が、衛気が弱い夜間に漏れ出て寝汗が生じます。漢方薬で湿熱を除去し、寝汗を治療します。


◆寝汗に効果的な漢方薬

帰脾湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、黄耆建中湯、六味地黄丸、竜胆瀉肝湯、茵蔯五苓散、藿香正気散

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あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。

自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。
どうぞお気軽にご連絡をください。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気を治し、症状を改善してくれる漢方薬は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要です。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や病状により、使う処方が異なるからです。

 

そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

あなたに最適の漢方薬に出会う秘訣は、信頼できる漢方の専門家の診察(カウンセリング)を受けることです。

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