湿疹・蕁麻疹
◆湿疹と蕁麻疹
当薬局では、湿疹、蕁麻疹の漢方治療のご相談をお受けしています。
湿疹の漢方治療の症例は こちら
蕁麻疹の漢方治療の症例は こちら
湿疹とは皮膚の炎症性変化で、多くの場合かゆみを伴います。よく見られるのは、化粧品・化学物質・金属・洗剤・衣服や装身具・植物などが刺激となって生じる接触皮膚炎と、アトピー性皮膚炎です。また脂漏性湿疹、貨幣状湿疹などもよく見られます。
一般にまず赤くなり(紅斑)、ぶつぶつができ(丘疹)、表皮内に液がたまり(小水疱)、それが膿汁になり(膿疱)、表皮がただれてじくじくし(湿潤)、かさぶたになり(痂皮)、皮膚がはがれ落ちます(落屑)。慢性化すると皮膚が厚く粗くなります(苔癬化)。
実際にはこのような状態がいろいろと混じって生じ、複雑な様相を示します。
蕁麻疹とは突然発症し、皮膚の一部が赤みを帯びてむくんで隆起する皮疹で、激しいかゆみを伴います。通常は短時間で消失しますが、慢性化して出没を繰り返す場合も少なくありません。アレルギー性のものと、原因が特定できないものとがあります。
◆湿疹・蕁麻疹の根本原因は体の内部の問題
湿疹や蕁麻疹は、消化器系や神経系など体の内部の失調が根本原因にあることが多く見られます。
たとえば、便秘や胃炎・消化不良、あるいは精神的ストレスや寝不足、それにホルモンバランスの失調や血行障害などの要因が深く関係しています。
化粧品その他の刺激に反応して発生する湿疹や蕁麻疹も、からだの免疫力の低下を伴う場合がほとんどです。それは、同じ化粧品を使っていても、あるいは同じものを食べても、湿疹や蕁麻疹が出る人と出ない人がいることからも分かります。
◆湿疹・蕁麻疹に対する西洋医学と漢方の違い
西洋医学では
西洋医薬では、かゆみや炎症などの症状を抑える対症療法が主流です。たとえば抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤でかゆみなどのアレルギー症状を抑えたり、ステロイド剤を中心とした外用剤で炎症を抑え込んだりします。
西洋医薬には症状を抑え込む作用は強くありますが、病気の根本原因を改善する働きはありません。西洋医薬の使用をやめると症状が再発するのは、そのためです。
漢方では
一方、中医学(漢方)では、皮膚の病気は体の内部から発生する病気としてとらえ、心身の不調を改善したり、免疫力を向上させたりすることにより、からだの抵抗力や自然治癒力を高め、湿疹や蕁麻疹の改善を図ります。
湿疹や蕁麻疹ができやすい根本原因である心身の内部状態を改善することにより、自然にもとの素肌に戻すように改善するわけです。
◆湿疹・蕁麻疹に効果的な漢方薬
湿疹や蕁麻疹に用いら湿疹やじんましんには、その人の体質により、さまざまな漢方薬が使われます。おもな漢方薬は以下のとおりです。
主な症状など | 漢方薬 |
赤くただれる | 五物解毒散、白虎湯、など |
ぶつぶつ | 荊防敗毒散、荊芥連翹湯、など |
とにかくかゆい | 逍遥散、消風散、など |
じくじくする | 黄連解毒湯、竜胆瀉肝湯、など |
かさかさ | 当帰湯、四物湯、など |
化膿しやすい | 黄耆建中湯、カッ香生気散、など |
水疱ができやすい汗 | 知柏地黄湯、白虎加桂枝湯、など |
地図状に広がる | 柴胡疏肝散、柴芍竜牡湯、など |
接触皮膚炎 | 清暑益気湯、三物黄ゴン湯、など |
脂漏性湿疹 | 黄連解毒湯、茯苓沢瀉湯、など |
貨幣状皮膚炎 | 柴胡疏肝散、消風散、など |
主婦湿疹 | 加味温胆湯、柴芍竜牡湯、など |
カンジタ皮膚炎 | 大黄牡丹皮湯、柴胡清肝湯、など |
乾燥性湿疹 | 当帰散、当帰四逆湯、など |
皮膚掻痒症 | 杞菊地黄湯、四物湯、など |
乳児湿疹 | 六君子湯、補中益気湯、など |
頭皮の湿疹 | 当帰湯、温清飲、など |
アレルギー性じんましん | 四逆散、調肝湯、など |
温熱じんましん | 甲字湯、補中益気湯、など |
寒冷じんましん | 当帰四逆湯、温経湯、など |
日光じんましん | 三黄瀉心湯、竹ジョ温胆湯、など |
コリン性じんましん | 六味地黄丸、滋陰降火湯、など |
心因性じんましん | 帰脾湯、滋水清肝飲、など |
機械的じんましん | 柴胡加竜骨牡蛎湯、大柴胡湯、など |
金属アレルギー | 帰耆建中湯、滋陰至宝湯、など |
帯状疱疹・ヘルペス | 帰耆建中湯、牛車腎気丸、など |
白班・白なまず | 香砂平胃散、理中丸、など |
(複数の症状が当てはまる場合は、漢方薬もまた別のものになります)
あなたに合った漢方薬ですと、飲み続けるうちに体質が改善され、湿疹やじんましんができにくくなっていきます。一般の西洋薬を使う頻度も減っていくことでしょう。
湿疹やじんましんが慢性的に繰り返しできやすい体質そのものを漢方薬で改善してみてはいかがでしょうか。
あなたに合った漢方薬がどれかは、あなたの体質により異なります。自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶようにするのがいいでしょう。
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