肌荒れ・乾燥肌
肌荒れ・乾燥肌(ドライスキン)は潤い不足
当薬局では肌荒れ、乾燥肌に関する漢方治療のご相談をお受けしています。
乾燥肌(ドライスキン)は、肌の水分が不足した状態です。潤いがなくなりますので、肌がカサカサ、ザラザラし、にきび(吹き出物)ができたり、かゆくなったり赤くなったり、と「肌荒れ」に直結します。
肌が乾燥しているのなら水分を補給すればいいのでは、と単純に考えられますが、お風呂上がりの肌は確かに水分を含んで潤っていても、1時間も経てば元の乾燥肌に戻るでしょうし、水をガブガブ飲んだところで、その水が体の内側から皮膚に潤いを与えて肌がみずみずしくなることもありません。
つまり、肌質を変えない限り、乾燥肌や肌荒れは根本的には治らないわけです。
肌は、体の内側で作られます。表皮も真皮もアミノ酸などでできています。いちばん外側の角層には細胞間脂質や保湿成分が存在し、そこに水分が保持されて肌の潤いが保たれます。皮膚の外側は皮脂膜に覆われています。
正常な角層には適切な吸水能力と水分保持能力があるために肌の潤いを保つことができます。しかし角層内の保湿成分が少なかったり、新陳代謝が乱れたりすると、肌は乾燥し、荒れます。
また肌のきめが粗い場合や、表面をおおう皮脂の量が不足している場合も、角層からの水分蒸発が進んで肌が乾燥します。顔を洗ったあと肌がつっぱります。
漢方は体質改善で潤いを保てる肌質へ変えていく
漢方薬は、皮膚を活性化させることにより、潤いのある素肌を作っていきます。体の内側で作られる肌そのものの質を高めていきます。
血行を促進し、胃腸機能を高めれば、いい栄養が肌に運ばれ、保湿成分も増え、きれいな肌が生まれるでしょう。さらに新陳代謝を活発にし、ホルモンバランスを調えてやれば、肌質はさらによくなるでしょう。漢方薬は、からだの内側から改善していく薬です。
漢方薬は体の内側から乾燥肌や肌荒れを改善していくため、効果を感じるまで、ある程度、時間がかかります。しかし漢方を飲み続けるうちに、「お肌がしっとり潤ってきた」「肌荒れが治ってお肌がきれいになったわね、と人から言われるようになった」という方がいらっしゃいます。
逆に、とにかくすぐに乾燥肌や肌荒れを治したいという方は、美容整形・美容外科・美容皮膚科や、トリートメント・エステなどのサロンも検討するといいでしょう。
皮下注入や、クリーム・乳液・軟膏によるスキンケア、ピーリングなど、体の外部からの治療が中心となります。いずれも即効性があります。ただし肌質が根本的によくなるわけではありませんので、人工的に皮膚に与えられた成分は、ある期間を経ると消失し、肌は元の状態に戻ってしまいます。
漢方薬は、あくまでも体質を改善して肌質を改善し、潤いのある肌、きめの細かい肌、乾燥しにくい肌を作るものです。美容整形やトリートメント、エステなどと併用している方もいらっしゃいます。からだの内側からじっくり根本的に美しくなりたいとお考えの方に適しています。
よく使われる漢方薬
1:皮膚を活性化させるには、黄耆、甘草など、皮膚組織の機能を高める生薬を用いた漢方処方が適しています。
2:肌の乾燥を改善するには、当帰、地黄など、肌を潤す薬効のある生薬を使った漢方処方がよろしいでしょう。保湿を中心としたスキンケアもお忘れなく。
3:いい栄養をたっぷり吸収したい方には、人参、大棗など、胃腸機能を高める生薬配合の処方を用います。食生活の改善も必要です。
4:血行を改善して皮膚に豊かな栄養を送り込みたい場合は、芍薬、牡丹皮など、血行を促進する生薬配合の漢方処方を使います。
5:ホルモンバランスを調えたい場合は、地黄、桂皮など、内分泌系の機能を調整する生薬を使った漢方薬がいいでしょう。夜更かしは控え、規則正しい生活も心がけてください。
あなたに合った漢方薬がどれかは、あなたの体質により異なります。自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶようにするのがいいでしょう。→当薬局について
参考症例・エッセイなど
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