肩こり

◆現代社会の肩こりには、漢方薬が効果的


当薬局では肩こりに関する漢方治療のご相談をお受けしています。

漢方で肩こりが治った症例は こちら

パソコンに向かって同じ姿勢をとり続けたり、デスクワークで長時間いすに座りっぱなしでいたりと現代社会ではどうしても肩や腰に負担がかかります。

肩こりの症状は、肩から首、後頭部、あるいは肩甲骨や背中にかけて、こり感、こわばり、だるさ、重苦しさ、不快感、痛みなどを感じるものです。

現代ではストレスや冷え症の影響で血行が悪くなることも一因となっており、病気ではない肩こりや腰痛が増えています。きつい家事労働や農作業、多産による肉体への負担がおもな原因となっていた一昔前とは大きな違いですね。

西洋医学では
肩こりは、西洋医学では病気と判断される場合に治療の対象となります。頸肩腕症候群のほかに胆のう炎など内臓の病気、眼精疲労など目の病気、歯並びやかみ合わせなど歯の病気、うつ病など精神神経の病気、更年期障害など婦人科の病気などが考えられます。

漢方では
漢方では、頸肩腕症候群などと病名が限定されなくても、肩こりの症状が出ていれば治療が可能で、改善効果が期待できます。たとえば次のようなケースです。

◆漢方治療の例
26歳の女性で、肩がぱんぱんに張っているかたがいました。

仕事は座ったままでパソコンを長時間にわたり使うことが多いうえ、エアコンの真下に席があり、夏でも冷房がつらいようです。マッサージの効果も感じられず、肩こりが楽になるのは年末年始や夏期休暇など長期に会社を休めるときだという笑うに笑えない状態でした。肩こり以外には生理痛の悩みもありました。

このかたの場合は冷えやストレスによる筋肉の緊張と血行不良が原因です。若い女性の肩こりによく見られるタイプです。筋緊張をゆるめ、血行を改善する漢方薬を用いると同時に体を温めるものを積極的に食べてもらいました。

職場の冷房やストレスなど肩こりをひどくする環境下での改善でしたが、半年後には生理痛はなくなり、肩こりもあまり気にならないくらいにまで減りました。

血行改善や筋緊張の緩和以外に、乾いて硬くなったスポンジが水を含んで柔らかくなるように、適度な水分で上半身を潤すことにより肩こりを改善することもあります。この場合は別の漢方薬を用います。

このように、肩こりのタイプによって処方は異なります。では、肩こりにはどんなタイプがあるのでしょうか。

 

◆肩こりに多く見られるタイプ・・・あなたはどれ?

<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>

(1)「気滞(きたい)」証

気の流れがよくない体質で、そのために筋肉が緊張し、肩こりが発生。

気滞で出やすい症状
首、肩、背中が硬くなる。溜息、いらいら、便秘と下痢を繰り返す、生理痛、生理不順、PMS、舌が赤い など

→ 気の流れを伸びやかにする漢方薬を用います。

(2)「血瘀(けつお)」証

血流が鬱滞しやすい体質で、肩のまわりでうっ血が生じ、肩こりが発生。

で出やすい症状
肩がぱんぱんに張る、もむとかえって痛む、頭痛、生理痛、冷え、舌に暗紫色の斑点 など

→ 血行を促進し、うっ血を取り除く漢方薬を用います。

(3)「血虚(けっきょ)」証

血液や栄養を意味する血(けつ)が不足しているため、肩の筋肉に十分な栄養や潤いが行き渡らず、肩こりが慢性化。

血虚で出やすい症状
肩にさわると硬く筋張った感じ、乾燥、目の疲れ、爪がもろい、髪の痛み、生理の量が少ない、舌が白っぽい赤色 など

→ 血を補う漢方薬を用います。

(4)「陰虚(いんきょ)」証

血虚の慢性化や慢性疾患の影響などで陰液(からだに必要な水分)が不足しているため、相対的に体内の熱が高まり、上半身で充血が生じて肩こりが発生。

陰虚で出やすい症状
のぼせ、ほてり、口の渇き、微熱、赤い舌、舌苔がほとんどない など

→ 陰液を補う漢方薬を用います。

(5)「気虚(ききょ)」証

疲れがたまって肩こりが発生。

気虚で出やすい症状
肩はさほど硬くなっておらず、強くもむと、かえって肩こりが悪化、疲れやすい、軟便、食欲不振、舌が白っぽい など

→ 気を補う漢方薬を用います。


◆肩こりに効果的な漢方薬

上記のように肩こりのタイプによって治療法が異なるため、使われる漢方処方も数多くあります。

複数のタイプが混合している場合や上に挙げた以外の要因が強い場合など、個人差は千差万別なので、実際には時間をかけて問診し、じっくりと体質を見極めたうえで慎重に処方を選びます。

自分にベストの処方を知るには、漢方の専門家に相談するのが近道です。

比較的よく使われる処方は以下の通りです:
四逆散、大柴胡湯、加味逍遙散、柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝茯苓丸、桃核承気湯、四物湯、四君子湯、六味地黄丸、葛根湯

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◆漢方と生活習慣で肩こりを改善


漢方では、血行を改善したり筋肉の緊張をやわらげたりしますが、生活習慣の見直しも並行して行うと効果が高まります。


日常での注意点としては、まず姿勢に気をつけることです。正しい姿勢を意識しましょう。

とくに長時間パソコンを使う仕事や椅子に座りっぱなしの職業のかたは、前かがみにならないようにし、こまめに休息をとって歩き回るなど体を動かしてリフレッシュしてください。

食事にも気をつけてください。季節の野菜や穀物を中心にバランスよく食べると血行がよくなり神経にもよい影響がありますので、痛みやこり、しびれに効果的です。

また肩だけでなく体が冷えないように注意してください。過度の冷房を避け、入浴やマッサージで患部を温めましょう。ストレッチなどの軽い運動もお勧めです。

漢方では、肩から首にかけては、血液や栄養やエネルギーが狭い通路を通って脳と行き来する重要なところととらえています。軽い肩こりでも軽視せず、正しい姿勢や肥満の予防なども含めて、早期に改善に当たってください。

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あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。

自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。
どうぞお気軽にご連絡をください。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気を治し、症状を改善してくれる漢方薬は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要です。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や病状により、使う処方が異なるからです。

 

そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

あなたに最適の漢方薬に出会う秘訣は、信頼できる漢方の専門家の診察(カウンセリング)を受けることです。

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