のぼせ・ほてり・ホットフラッシュ
病気と診断されない熱症状は漢方で冷却を
風邪などの病気で発熱しているわけではないのに、体内から不快な熱感が生じる場合があります。
・上半身(顔や首)がのぼせる。
・手のひらや足の裏がほてる。
・夕方以降になると全身がほてる。
・更年期に起こるホットフラッシュ。
薬石花房 幸福薬局の漢方治療は、このようなご相談をお受けしています。
(症例紹介ページは こちら)
緊張した時などに一時的にのぼせたり、ほてって汗が噴き出したりするのは正常な体の反応ですが、熱感が慢性的に持続したり、頻繁に起こる場合は体内のバランスが崩れているサインです。
このような場合は日常生活の中で不快なだけでなく、バランスの乱れが悪化して体調不良や病気につながる心配もあります。
病院の検査で異常なしと言われても、早めに改善した方がいいでしょう。
漢方では、熱症状をもたらしている体質的な背景を見極め、個々の体質から生じた問題点に働きかけることによってバランスを改善し、熱を冷ましていきます。
熱感の原因は、暑熱の性質を持つ病邪である熱邪です。熱感が発生する背景は例えば次のようなものがあります:
体内の寒熱のバランスが崩れ。
熱を冷やす働きのある体液(陰液)の不足。
五臓六腑の機能バランスが失調。
いずれにしても、かぜなどの感染症にみられるような、単純に熱邪だけが強くなって高熱が発生しているケースとは異なる状態です。
熱があれば冷たいもので冷やせば済む、というのも一つの考えではありますが、それは一時的な対処法でしかありません。
漢方では、寒熱のバランスが悪い場合はそのバランスを調え、陰液が少ない場合は陰液を補うなどして、熱感を根本的に解消していきます。
熱感が発生した元の原因である体質の改善にもつながるので、熱症状だけに限らず全体的に体調が改善します。
のぼせ・ほてりによくあるタイプ・・・あなたはどれ?
<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>
(1) 「肝火(かんか)」証
五臓の一つ、肝(かん)の機能(肝気)が、強いストレスや緊張、激しい感情の起伏などの影響で失調すると、肝気の流れが鬱滞して熱を帯び、この証になります。
肝は、体の諸機能を調節する臓腑で、自律神経系や情緒の安定、気血の流れと深い関係があります。
のぼせ、ほてりなどのほか、いらいら、怒りっぽい、不眠、顔面紅潮などの症候もみられます。更年期の女性によくみられる証です。
→ 肝気の流れを良くして肝火を鎮める漢方薬を用います。
(2) 「心火(しんか)」証
人間の意識や思惟など、高次の精神活動をつかさどる五臓の心(しん)が、過度の刺激を受けて亢進し、熱を帯びて心火となり、のぼせやほてりが引き起こされている状態です。
じっとしていられず、焦りを感じ、不安で落ち着きません。悶々として目がさえて眠れません。
同時に気血が足りない場合は下半身が冷えた状態になります。
→ 心火を冷ます漢方薬を用います。
(3) 「血瘀(けつお)」証
血流が鬱滞しやすい体質です。
精神的ストレスや、冷え、体内の過剰な水分、生理機能の低下などにより、この証になります。疾患が慢性化して長引いて血流が悪くなり、この証になる場合もあります。
血行が悪くなるために熱が上半身に鬱積し、のぼせやほてりが生じます。逆に下半身は冷え、「上熱下冷」の状態となります。
→ 血行を促進し、鬱血を取り除く漢方薬を用います。
(4) 「陰虚火旺(いんきょかおう)」証
人体を構成する陰液が消耗すると、相対的に熱邪が旺盛になって機能が亢進し、この証になります。
陰液とは、人体の構成成分のうち、血(けつ)・津液(しんえき)・精(せい)を指します。
慢性的な体調不良や過労、生活の不摂生、緊張の連続、老化などにより、この証になります。
特に午後から夕方、夜間にかけて熱感が生じます。めまい、動悸、怒りっぽいなどの熱証を伴います。
→ 陰液を潤す漢方薬を用います。
◆のぼせ・ほてりに効果的な漢方薬
竜胆瀉肝湯、加味逍遙散、女神散、六味地黄丸、三物黄芩湯、桂枝茯苓丸
あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。
自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。
どうぞお気軽にご連絡をください。
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