過緊張(過度の緊張)

◆体調にも影響する「緊張体質」は漢方で改善を


大切な場面や、初めてのことをとする時、初対面の人と会う時などに緊張するのはごく自然なことですし、だれでも経験するものです。しかし緊張する頻度が異常に頻繁だったり、緊張の度合いが強かったりする「過緊張」となると、さまざまな症状が現れます。

よくみられる過緊張の症状には、のぼせ、顔や手や脇の下に汗をかく、手が震える、寝付きが悪い、胸苦しい、動悸、肩こり、頭痛、喉のつかえ感、冷え、口の中がねばねばする、過度のいらいら、不安感など、多々あります。

また自分は緊張しやすいという思い込みがあるために、緊張する場面が近づくと思うだけで動悸などの症状が現れる場合もあります。

心身をリラックスさせたい夜間や休息時にまで、昼間や仕事中の緊張を引きずり込んでしまい、過度の緊張が生じる場合も少なくありません。

就寝中に過度の緊張が続くと、ちょっとした物音で目が覚める、朝起きたときから肩や身体全体がこっているなどの症状が生じます。毎朝目覚まし時計が鳴る前に目が覚めてしまうという人もいます。

このように、病気とは言えないまでもつらい症状が続く場合、「緊張体質」そのものを改善する漢方薬が有効です。

過緊張が高じた結果として、自律神経失調症高血圧症不安神経症不眠症うつ病、総合失調症、動脈硬化、不整脈、甲状腺腫更年期障害慢性頭痛(緊張型頭痛)などの病気になる場合もあります。

そのような場合にも、漢方薬で「緊張体質」が改善できれば、病気は快方に向かっていきます。

 

◆西洋医学では


西洋医学では、このような過度の緊張は、自律神経系のバランスが崩れて交感神経が優位な状態が必要以上に長く続いている状態ととらえています。

活動や攻撃に向けて身体を調整する交感神経が必要以上に亢進している状態です。


◆漢方では


漢方では、過度の緊張は五臓の(かん)の機能不調が大きく影響していると考え、その肝の機能を調整することにより「緊張体質」を改善していきます。

は身体の諸機能を調節する」臓腑で、自律神経や情緒の安定、気血の流れと深い関係があります。また血を貯蔵して循環を調整したり、筋肉や関節の運動を調整する役割も担っています。

このの機能が失調したり、弱ったりすると、身体機能の調節がスムーズに働かなくなり、過度の緊張状態となります。

他のケースとして、人間の意識や思惟など、高次の精神活動をつかさどる五臓の(しん)の機能が乱れて過緊張が生じる場合もあります。この場合はに働きかける漢方薬を用います。

どんなケースがあるのか以下に具体的に説明します。


◆過緊張によくあるタイプ・・・あなたはどれ?

<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>

**肝の不調による5つの過緊張タイプ**

(1)「肝鬱気滞(かんうつきたい)」証

の気(肝気)の流れが悪くなっている状態。刺激に対する反応が敏感になり、緊張が高まります。

→ 肝気の鬱結を和らげて、ストレス抵抗性を高める漢方薬を用います。

(2)「肝火(かんか)」証

肝気の流れが鬱滞して熱を帯びた状態。強いストレスや激しい感情の起伏などが背景にあります。過緊張に加え、いらいら、怒りっぽい、ヒステリー、不眠、顔面紅潮などがみられます。

→ 肝気の流れをよくして肝火を鎮める漢方薬を使います。

(3)「肝血虚(かんけっきょ)」証

に必要な血液や栄養(肝血)が不足している体質。循環血液量の不足や栄養障害により、自律神経系が失調し、特に強い刺激がなくても緊張しやすくなっています。

→ 肝血を補う漢方薬を用います。

(4)「肝陽上亢(かんようじょうこう)」証

(3)の肝血虚がひどくなって肝のバランスが崩れ、熱が上昇した状態。頭痛、のぼせ、怒りっぽい、など熱証が現れます。

→ 肝陽を鎮める漢方薬を用います。

(5)「肝陽化風(かんようかふう)」証

(4)の肝陽上亢が進んで筋をつかさどる機能に影響した状態。震え、引きつり、めまい、ふらつきなどの症状があらわれます。

→ 肝陽を落ち着かせて内風を和らげる漢方薬を用います。

**心の不調による4つの過緊張タイプ**

(6)「心火(しんか)」証

精神をつかさどるが過度の刺激を受けて亢進し、熱を帯びた状態。じっとしていられず、焦りを感じ、不安で落ち着きません。悶々として目がさえて眠れません

→ 心火を冷ます漢方薬を用います。

(7)「心腎不交(しんじんふこう)」証

心火と同時に五臓のの陰液が消耗している証。生活の不摂生や過労、緊張する場面の継続などで、この証になります。(6)の心火の症状に加え、ほてりなどが強くなります。

→ 腎陰を潤しつつ心火を冷ます漢方薬を用います。

(8)「心血虚(しんけっきょ)」証

心の機能を養う心血が不足している体質。過度の心労や、思い悩み過ぎ、過労が続くことにより心に負担がかかり、心血が消耗して精神が不安定になります。どきどきしやすく、驚きやすいようなところがあります。

→ 心血を潤す漢方薬を用います。

(9)「心陰虚(しんいんきょ)」証

心の陰液が不足している体質ですので、心がじゅうぶん潤わされず、過度の緊張が生じています。些細なことでも緊張します。

→ 心の陰液を補う漢方薬を用います。

交感神経などの緊張要因と、副交感神経などのリラックス要因とのバランスで考えると、肝鬱気滞や心火などの証は、緊張要因が強くなっている状態に近いと思われます。強いストレスや大きな環境変化でみられる緊張です。

逆に、肝血虚や心血虚などの証は、リラックス要因が弱くなっている(抑制過程が低下している)ために緊張要因が相対的に亢進している状態と思われます。ちょっとした小さなことに対してもすぐに緊張してしまう、常に緊張感に脅かされているタイプです。


◆過緊張に効果的な漢方薬

四逆散、加味逍遙散、大柴胡湯、半夏厚朴湯、柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯、竜胆瀉肝、柴胡加竜骨牡蛎湯、釣藤散、四物湯、抑肝散、六味地黄丸、杞菊地黄丸、知柏地黄丸、黄連阿膠湯、黄連解毒湯、三黄瀉心湯、清心蓮子飲、帰脾湯、甘麦大棗湯、酸棗仁湯、人参養栄湯、四君子湯、炙甘草、桂枝加竜骨牡蛎湯

あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。

自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、

自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。
どうぞお気軽にご連絡をください。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気や症状を改善してくれる漢方処方は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要になります。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や体調により、使う処方が違うからです。

 

そのために必要なのが、カウンセリングです。漢方の専門家がじっくりとお話をうかがって、あなたの体質を判断し、あなたに最適な漢方薬を決めていきます。

 

当薬局は、帝国ホテル内にあるカウンセリング専門の漢方薬局です。まず薬局でカウンセリングをし、その方のご症状やご体質をしっかりと把握し、それをもとに、おひとりおひとりに最適な漢方薬を調合しております。

 

自分にあった漢方薬に出会う秘訣は、「信頼できる専門家のカウンセリングを受けること」です。しっかりしたカウンセリングを受けて、あなたに最適な漢方薬を見つけてください。

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