動悸

◆原因不明の動悸にも漢方は効果的


心臓の拍動は普段はあまり自覚しませんが、走ったり急いだり運動したりすれば、誰にでも生じます。緊張や不安を感じたりホラー映画を観たりしたときも起こります。初恋の相手にプレゼントを渡したときや、プレゼンテーションや発表会の出番が近づいてドキドキするのも、別に病気ではありません。

一方、運動もしていないのに急に心臓がドキドキしたり、ちょっとした緊張や不安ですぐ動悸がして苦しくなったり、寝る前に部屋を暗くして静かにしていると動悸がしてきたり、動悸が気になって眠れなかったりする場合もあります。

不整脈や狭心症、心筋症、貧血などの疾患が原因の動悸もありますが、原因不明の動悸に悩まされることも少なくありません。

動悸は気になりだすとますます心配になってきます。心臓病は命に関わることが多いので不安も伴います。実際には正常な範囲内の心臓の拍動でも、「気になってしまう」「不安になる」という気持ちから動悸を余計に感じる場合もあり、脈拍が遅い徐脈でも動悸が生じることがあります。

漢方の考えでは、動悸は、多くの場合、五臓の「(しん)」の機能が乱れたときに生じます。は血液循環と、思考や判断などの精神活動をつかさどる臓腑です。心臓を含めた循環器系や、高次神経系に相当します。

この心の機能が不安定になると動悸が起こりやすくなります。先の「気になってしまう」「不安になる」という要因も、この漢方の考え方に従うと、しっくりとおさまります。

漢方では、西洋医学の検査では原因が特定できない動悸に対しても、漢方薬を使い、動悸の治療を行っています。

病気にまではなっていなくても、五臓の心の機能が乱れれば動機は生じるものですので、漢方薬で心の機能を調整し、動悸の治療をするのです。もちろん狭心症などの病気がある場合でも、漢方薬は有効です。

大事なのは、五臓の心などが、どのような乱れ方をしているかをしているかを把握することです。そのために必要なのが、漢方の専門家によるカウンセリングです。動悸が生じやすいタイプはたくさんありますが、みられることが多いものには、例えば以下のようなものがあります。

 

◆動悸が出やすい人のタイプ・・・あなたはどれ?

<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>

 

(1)「心血虚(しんけっきょ)」証

心臓など循環器系や中枢神経系への血液補給があまりじゅうぶんでない体質です。不安を感じやすく、驚きやすいようなところがあります。

心血虚で「動悸」以外に出やすい症状
疲れやすい、めまい、顔色が悪い、夢を見やすい、眠りが浅い、物忘れ、舌が白っぽい、など

→ 五臓の心(しん)に血(けつ)を補っていく漢方薬で治療を進めます。

さらに重くなると
→心血虚が重くなると、体液を消耗して、手足のほてり、のぼせ、熱感、口の渇き、寝汗、焦りやすい、などの熱証が現れ、「心陰虚(しんいんきょ)」証になります。体液の補充や熱の除去などの対策も必要になります。

 

(2)「心気虚(しんききょ)」証

循環器系の機能がやや低下しているような体質です。疲れやすく、動悸プラス息切れもしやすい人が多いタイプです。ベースとなる気力や体力が弱いので、普通の人なら気にならないことでも気になってしまうところがあります。

心気虚で「動悸」以外に出やすい症状
疲れやすい、息切れ、脈が飛ぶ、など

→ 心の気を漢方薬で補うことで機能を強化し、動悸を解消していきます。

 

(3)「痰湿(たんしつ)」証

痰湿というのは体内にたまった過剰な水分や湿気のことで、これが原因で体調を崩している場合です。胸が苦しい、胃がつかえるなどの症状が同時によくみられます。

痰湿で「動悸」以外に出やすい症状
胸苦しい、胃がつかえる、お腹が張る、痰が多い、吐き気、食欲不振、めまい、舌に湿っぽい舌苔がべっとりついている、など

→ 過剰な水分や湿気を取り除く漢方薬で体質を改善していきます。

 

(4)「血瘀(けつお)」証

血流がよくない体質です。血行がよくないために心臓などに負担がかかり、動悸が現れます。

血瘀で「動悸」以外に出やすい症状
足の冷え、静脈瘤、頭痛、肩こり、顔色がどす黒い、色素沈着しやすい、舌が紫っぽい、など

→ 血瘀を改善する漢方薬を使います。

こんなケースも
五臓のなどの機能が低下して動悸が生じる場合もあります。それらの不調が(しん)に影響を及ぼした結果として動悸が起こることもあります。

 

◆動悸に効果的な漢方処方


動悸に対しては、上述した「証」に応じてもっとも適切な漢方薬を選びます。

証の見方は実際にはいろいろな面が入り混じっているため複雑で、候補となる漢方薬も多数ありますから、自分にベストの処方を見つけるには高い専門知識が必要です。

よく使う処方を以下にあげておきます。

帰脾湯、酸棗仁湯、四物湯、六味地黄丸、黄連解毒湯、四君子湯、炙甘草湯、桂枝人参湯、二陳湯、四逆散、苓桂朮甘湯、柴胡加竜骨牡蛎湯 など

あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。

自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。どうぞお気軽にご連絡をください。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気や症状を改善してくれる漢方処方は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要になります。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や体調により、使う処方が違うからです。

 

そのために必要なのが、カウンセリングです。漢方の専門家がじっくりとお話をうかがって、あなたの体質を判断し、あなたに最適な漢方薬を決めていきます。

 

当薬局は、帝国ホテル内にあるカウンセリング専門の漢方薬局です。まず薬局でカウンセリングをし、その方のご症状やご体質をしっかりと把握し、それをもとに、おひとりおひとりに最適な漢方薬を調合しております。

 

自分にあった漢方薬に出会う秘訣は、「信頼できる専門家のカウンセリングを受けること」です。しっかりしたカウンセリングを受けて、あなたに最適な漢方薬を見つけてください。

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