不安感
◆体調に影響するほどの不安感は、漢方で改善がおすすめ
当薬局では不安感に関する漢方治療のご相談をお受けしています。
通常の生活の中で、何らかの理由で不安な気持ちを経験することは誰にでもあることです。ほとんどの場合は、問題が解決したり、自分の気持ちを切り替えたりすることで、いつの間にか不安感が解消しています。
しかし不安が募り、あるいは長期化して、動悸、不眠、集中力の低下、息切れ、胸苦しい、焦燥感などの症候が生じるようであれば、不安を和らげて体調を改善したいものです。
漢方では、不安感には五臓の心(しん)の機能不調が大きく影響していると考えます。心は五臓の一つであり、心臓を含めた血液循環(血脈)をつかさどるだけでなく、人間の意識や思惟など、高次の精神活動(神志 [しんし])をもつかさどる臓腑です。
この心の機能が弱ったり、十分潤わされなかったり、余分な熱を帯びたりすると、神志が不安定になり、不安感が生じます。
また、精神情緒をつかさどる五臓の肝(かん)の機能が乱れて不安感が強くなる場合もあります。
当薬局では丁寧な問診にもとづき、おひとりおひとりの不安感を高める原因となっている心や肝の状態を見極めて、最も効果的な漢方薬を選びます。
漢方で不安感が解消した症例は こちら
◆不安感がひどくなりやすいタイプ・・・あなたはどれ?
<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>
(1)「心気虚(しんききょ)」証
血脈や神志をつかさどる心の機能(心気)が低下している体質。
心気の不足により、不安感が生じます。ベースとなる気力や体力が弱いので、普通の人なら気にならないことでも気になってしまうところがあります。
疲れやすい、動悸、息切れなどの症状もみられます。
→ 心気を補う漢方薬を用います。
(2)「心血虚(しんけっきょ)」証
心の機能を養う心血が不足している体質。
過度の心労や、思い悩み過ぎ、過労が続くことにより心に負担がかかり、心血が消耗してこの証になります。心血の不足により神志が不安定になり、不安感が高まります。どきどきしやすく、驚きやすいようなところがあります。
→ 心血を潤す漢方薬を用います。
(3)「心陰虚(しんいんきょ)」証
心の陰液が不足している体質。
心が十分潤わされず、不安感が生じています。些細なことにでも不安を感じます。
→ 心の陰液を補い、神志を安定させる漢方薬を用います。
(4)「心火(しんか)」証
神志をつかさどる心が過度の刺激を受けて亢進し、熱を帯びて心火となり、不安感が引き起こされている状態。
じっとしていられず、あせりを感じ、不安で落ち着きません。悶々として目がさえて眠れません。
→ 心火を冷ます漢方薬を用います。
◆以上の四つが、五臓の心の不調に関連して不安感が高まっている証の例です。ほかにも以下のような証があります。
(5)「肝鬱気滞(かんうつきたい)」証
五臓の肝(かん)の機能が乱れた状態。
肝は、身体の諸機能を調節する臓腑です。自律神経系や情緒の安定、気血の流れと関係が深く、ストレスや緊張で機能が乱れ、この証になります。
気の流れが悪くなることにより、小さな刺激に対しても敏感になっており、不安感が高まります。
→ 肝の機能(肝気)の鬱結を和らげて、ストレス抵抗性を高める漢方薬を用います。
(6)「肝火(かんか)」証
肝鬱気滞に熱が加わった状態。
強いストレスや激しい感情の起伏などで肝気が失調すると、肝気の流れが鬱滞して熱を帯び、この証になります。
不安感のほかに、不眠、いらいら、怒りっぽい、ヒステリーなどの症状がみられます。
→ 肝気の流れをよくして肝火を鎮める漢方薬を用います。
◆心火と肝火は、不安の種が強くのしかかってきたときや、いくつかの不安の種が積み重なって大きくなったときにみられやすい証です。それ以外の心気虚や心血虚などの証は、ちょっとした小さなことに対してもすぐに不安を感じてしまう、慢性的に不安にさいなまれやすいタイプの証です。
◆不安感に効果的な漢方薬
三黄瀉心湯、黄連解毒湯、清心蓮子飲、竜胆瀉肝湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、酸棗仁湯、黄連阿膠湯、帰脾湯、人参養栄湯、甘麦大棗湯、加味帰脾湯、四君子湯、炙甘草湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、四逆散、加味逍遙散、小柴胡湯
あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。
自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。 どうぞお気軽にご連絡をください。
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