口臭

「口臭」を漢方で解き明かす・・・背景にある体質的要因はいろいろ

口臭の漢方治療の症例は こちら

当薬局ではいろいろなタイプの口臭に対してからだの内側から改善するための漢方薬をご用意いたします。

口臭の原因として一番多いのは歯周病や虫歯など歯の病気によるものだといわれています。しかし歯を治療し、歯周病などの病気がなくても口臭がして悩む人は少なくありません。

歯の病気以外に多いのは、まず胃腸など消化器系の不調だと思います。漢方薬で胃腸の調子をととのえることで口臭が消えていくことがよくあります。胃腸の調子がよくなくて唾液が少なく、口の中がネバネバして口臭が気になる、という場合も、胃腸機能を漢方で改善することにより、口臭が緩和されていきます。

肝臓の機能を漢方薬で強化して口臭が解消される場合もあります。食べたものが消化吸収されたあと肝臓で解毒されるプロセスが強化されるからだと思われます。

呼吸器系とも関係しています。ニンニクやアルコールの臭いなど、口腔内や胃腸のトラブルとも関係していますが、飲食物がいったん吸収されたあと、肺から息とともに出てきて口臭となっています。また鼻炎など耳鼻咽喉科系の病気が原因の口臭もあります。

ストレスや緊張が原因で臭いに対して敏感になりすぎている場合もあります。そのような場合は漢方薬でストレスや緊張をゆるめて、過敏になりすぎた嗅覚を正常に戻していきます。

漢方では、においは、過剰な熱が体内に滞っているときにも出やすい、と考えます。体にこもった余分な熱が、においを発生させている場合があるのです。体臭や汗の臭いとも関係しています。先ほど述べた、唾液がネバネバして口臭が気になる、という人の体質にも、過剰な熱の存在がある場合があります。

当薬局では、漢方薬で以上のような内臓の不調を改善し、口臭を消していきます。余分な熱が体内にこもっているような体質の場合も、漢方薬で体質改善をし、そのような熱を冷ますことにより、口臭を解消します。からだの内側からじっくり根本的に口臭を改善したい、とお考えの方に、漢方薬は適しています。

口臭が起こりやすい人の証(体質のタイプ)

<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>

(1)暴飲暴食でなりやすい「胃熱(いねつ)」証
暴飲暴食、特に刺激物や味の濃いもの、脂っこいものをたくさん食べたり、あるいはアルコールを多飲したりすると、それらが原因で熱邪が生じて胃熱となり、口臭が強くなります。

→ 胃熱を冷ます漢方薬を用います

(2)胃の水分が不足している「胃陰虚(いいんきょ)」証
五臓六腑の胃の陰液が不足している体質です。陰液が少ないので相対的に熱が余り、それが熱邪となって口臭を引き起こします。口の中が粘つき、唾液が少ないのが特徴です。

→ 胃の陰液を補う漢方薬を用います。

(3)ストレスでなりやすい「肝火(かんか)」証
肝(かん)は五臓六腑のひとつで、体の諸機能や精神情緒の調整をする臓腑です。この肝の機能がストレスや激しい感情の起伏などで失調すると熱邪が生じ、口臭が発生します。気にならないレベルの口臭でも気にし過ぎる場合もあります。

→ 肝火を鎮める漢方薬を用います。

(4)長年の食習慣で蓄積される「肝胆湿熱(かんたんしつねつ)」証
湿熱の邪によって、五臓六腑の肝胆の機能が障害されています。湿熱の邪は、刺激物の食べ過ぎ、美食の習慣、アルコール摂取過剰などの習慣によって次第に蓄積します。肝胆の機能障害が原因となり、肝臓や胆囊の機能低下や炎症を起こし、その結果慢性的な口臭が生じます。

→ 肝胆にある過剰な湿熱を排除する漢方薬を用います。

(5)肺の潤い不足の「肺陰虚(はいいんきょ)」証
五臓の肺、つまり呼吸器系や上気道が乾燥している体質であるため、相対的に熱が余って熱邪となり、吐く息に口臭が混ざります。口が臭いというよりは、吐く息が臭いというタイプです。

→ 五臓の肺を潤す漢方薬を用います。

 

口臭によく使われる漢方薬

1:胃腸の機能を改善して口臭を解消していく場合は、人参、大棗などの生薬配合の処方を用います。同時に食生活の見直しもすると、効果的です。

2:肝臓の解毒作用を高めたい場合は、芍薬、牡丹皮などの生薬配合の漢方処方を使います。タバコを吸っている場合は、これを機会に禁煙しましょう。

3:呼吸器系や耳鼻咽喉科系の病気や不調が原因の場合は、黄耆、麦門冬などの生薬を用いた漢方処方が適しています。十分な睡眠・休養も心がけてください。

4:過剰な熱の存在が口臭の原因となっている場合は、連翹、黄柏など、熱を冷ます効果のある生薬配合の漢方薬で体質改善するのがいいでしょう。

5:ストレスの影響が大きい場合は、柴胡、芍薬など、ストレス抵抗性を高める生薬を使った漢方処方で、ストレスに強い体質を作っていきます。

効果的な処方:白虎加人参湯、黄蓮解毒湯、六君子湯、麦門冬湯、六味地黄丸、四君子湯、啓脾湯、竜胆瀉肝湯、四逆散 など

あなたに合った漢方薬がどれかは、あなたの体質により異なります。

自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶようにするのがいいでしょう。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気を治し、症状を改善してくれる漢方薬は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要です。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や病状により、使う処方が異なるからです。

 

そのために必要なのが、丁寧な診察(カウンセリング)です。中医師など漢方の専門家がじっくりと話を聴くことにより、あなたの体質を判断し、あなたに最適な処方を決めていくのが、漢方の正当な診察の流れです。

 

そして、その際に最も大切なのは、信頼できる実力派の漢方の専門家の診察を受けることです。
(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

あなたに最適の漢方薬に出会う秘訣は、信頼できる漢方の専門家の診察(カウンセリング)を受けることです。

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